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台湾は「国家」か?

今日は既に1つ記事を書いておりますが、忘れないうちにもう1つ書いておきたいことがあったので、特別にもう1つ。

1 国民党と民進党の対立点

 今朝(1月12日)のNHKのBS「ワールドwaveモーニング」の朝7時台のニュースを見ていたら、台湾の総選挙の特集を行っておりました。それは、再選を目指す国民党の馬英九総統と野党民進党の蔡英文主席が接戦となっている原因などを分析したもので、なかなか興味深く拝見しておりました。

 大きく分類して、「1つの中国」に同意して、中国との協調路線、「親中路線」を推し進めてきた馬英九総統に対し、独立志向の強い民進党から出馬した蔡英文主席の対立。

 それ以外にも、中国との経済交流(2008年の団体旅行解禁及び2011年の個人旅行解禁による中国人観光客がの増加や、2010年の自由貿易協定を締結)を通じて目覚ましい経済発展をとげた大企業など資本家を支持基盤とする馬英九総統に対し、こうした恩恵は一部の者にしかすぎないとして、庶民を支持基盤とする蔡英文主席。

 斯様に2人の対立点は単純化すると結構きれいに色分けできそうが気がしますが、実態はそれほど単純ではありません。

2 馬英九総統の発言内容

 その例の1つになるかどうかわかりませんが、中国との協調路線を全面に押しだしているはずの馬英九総統が支持者にむけ訴えてるところがありました(NHKがその発言を放送)。半分ぼーとして聞いていたので、正確な文言は記憶しておりませんが、馬英九総統は「私に”国家”を任せてください」という趣旨の発言でした。

 ちなみに字幕では「”台湾”を任せてください」に変えられていました。これがかつてニ国論を主張した李登輝元総統の発言であれば別に何の違和感も無かったのですが、「1つの中国」を主張している馬英九総統もそういう発言をするものだと少しびっくりしてしまいました。

 実際、you tubeで馬英九総統の選挙演説を探してみたら、これ以外にも「中華民国も我々の国家だ、台湾も我々の国家だ」と述べている箇所もありました(下のビデオの5分20秒当たり)。



 
 この発言は結構話題となったようで、台湾は独立国家かという意味か、民進党の主張とどう違うのか等と質問が寄せられ、それに対し馬英九総統はイギリス等と同じだと答えています。つまり「イギリス」の正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」ですが、皆「イギリス」と読んでいるではないか、中華民国と台湾の関係もそれと同じだという回答です(马英九首提:台湾是我们的国家)。

3 中華民国と台湾

 わかったようなわかないような回答ですが、実際、馬英九総統の主張する「1つの中国」でも、大陸を含んだ地域が「中華民国」ですから、その一部である台湾を国だと呼称しても何の不思議もないという理屈でしょうか。

 どうも日本の場合、発言者の中国に対する見方を示す1つの指標として、台湾を「国」と呼称するか「地域」と呼称するかというのがあるが故に神経質になっている部分もあり、どうしてもここにこだわってしまうのかもしれません。

 実際、当事者はそこいらをもっとあやふやにして、何とかやりくりをつけている部分もあるかと思います。ただ、馬総統の演説の場面は腐るほどあるでしょうに、何故わざわざNHKがこうした問題になりそうな「国家」という単語を含んだ発言の部分を放送したのか、そこにひっかかったが故のエントリーでした。

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