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本省庁の女性職員4人に1人がセクハラ被害、“最強官庁”財務省がセクハラ二次被害を拡散し続ける異常

 国家公務員は憲法第99条において「憲法を尊重し擁護する義務を負う」と明記されています。国家公務員は国民の基本的人権を守るのが仕事なのに、「官庁の中の官庁」「最強官庁」であり、国民の基本的人権を守るための徴税と再分配機能の要となる財務省の事務方トップである福田淳一事務次官が、人権侵害であるセクハラを恒常的に行っていたことが明らかになり辞任を表明するにいたりました。

 しかし、福田氏はテレビ朝日による会見(テレ朝の女性記者がセクハラ会話を録音したデータを新潮社に提供していたことを明らかにした会見)を経ても、「録音は相手が話しているところをとっていないので、全体を見てほしいというのは前から申し上げている。全体を見てもらえればセクハラに該当しないというのはわかるはずです」、(「セクハラで辞任するのではないのか」という質問に対して)「違います。こういう状況になっていて仕事にならないので辞めます」となんら反省がないどころか逆ギレしたままです。

財務省も公式サイトに人権侵害の二次被害(セカンドハラスメント)となる「調査」を継続しています。セクハラ告発の女性に名乗り出ることを求める調査方法を撤回しないということは、日本の「官庁の中の官庁」「最強官庁」と事務方トップがこの期に及んでもセクハラを人権侵害と認識し反省しないばかりか継続して人権侵害となる二次被害を拡散していることは異常としか言いようがありません。

 福田氏は、マスコミからセクハラに対する認識が甘いのではないかと指摘されて、「(自身がコメントで発表した)『言葉遊び(を楽しむことはある)』のところがご批判を受けている。なるほど、今の時代ならそんな感じなのかなと思いました」と語ったとのことですが、これが「官庁の中の官庁」「最強官庁」の事務方トップの発言なのかと驚愕しました。

こんな官庁のセクハラ実態はどうなっているのか誰もが気になるところだろうと思います。官庁で働く国家公務員で組織する国公労連はじつはちょうどこれから新しいセクハラ・パワハラ実態調査を始めるところなのですが、前回の実態調査結果がありますので紹介しておきます。

 国家公務員の職場でのハラスメントの実態を明らかにし、政府・人事院に対する施策の強化等を求める根拠として活用することを目的に、2011年2月下旬から3月にかけて「セクハラ・パワハラ実態調査」を実施しました。

 職場の実態を把握するため、正規職員だけでなく非常勤職員や派遣職員など官庁で働く労働者を対象に、全体で2.075人から回答を集約しました。その内訳は以下になります。

 2,075人中、セクハラを受けたことがある職員は188人9.1%でしたが、女性に限ると19.5%がセクハラを受けています。また、本省庁の女性に限ると23%がセクハラを受けており、およそ4人に1人弱がセクハラを受けたことがあるという実態がわかっています。本省庁職場は、「時給500円で働く霞が関の国家公務員、ノンキャリをうつ病に追い込むキャリア官僚「クラッシャー」の跋扈、窓から飛び降りた方が楽と思わせる不眠不休の霞が関不夜城」と呼ばれ、長時間労働が酷いわけですが、同時に女性へのセクハラも酷い状況になっているわけです。

 モリカケ問題、公文書改ざん、虚偽答弁、ノンキャリ職員の自殺昭恵氏による下僕化、そして今回の事務方トップによるセクハラと二次被害という人権侵害の拡散。続発する問題の中で、国家公務員のあり方、行政のあり方が根本から問われ、現場の国家公務員へのしわ寄せによる長時間労働が蔓延するなか、一連の問題の改善を訴え国公労連は5月9日に霞が関総行動を実施する予定です。

(井上伸)

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