記事

政府による著作権侵害サイトのブロッキング要請に反対します。

2/2

 今回しようとしていることを政府が実施しようとするのであれば、「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」のように、新規立法を行う手順を踏むべきです。報道等によると、新規立法を検討することは表明するものの、それまでの当面の間、刑法37条に定める緊急避難を理由とするようです。児童ポルノに関する自主的な取り組みは前例としてありますが、児童の人格に対する侵害と、著作権法に基づく財産権の侵害は、同列に扱うべきではありません。それを許せば、今後さらに拡大し得る前例となりかねません。

 そしてさらに言えば、政府が提出した法律が、全部スケジュール通りに、提出した内容通りに、成立すると思っているとしたら大間違いです。政府が「立法をするからそれまでは緊急避難で」などという表明をすること自体が、立法府たる国会の軽視も甚だしいと言わざるを得ず、その議席を預かるものとして、決して賛同できるものではないのです。

 なお、自民党の情報通信関係の議員数名に確認しましたが、今日の段階で「え、そんな話知らないよ?」という反応が大半でした(ある1名のみご存知でした。「おとといISPから聞いて知ったんだよね」との由)。もちろんごく限られたサンプリングの範囲にすぎませんが、今の政府は、残念ながら与党に対しても本当に軽く考えておられるのだなあと嘆息を禁じえません(ちなみに僕は報道とFacebookで知りました)。与党対策ひとつを取ってみてもロクにできていない中で、新規立法の前途はきっと多難だろうなあと想像します。そんな状況で「新規立法を前提に緊急避難」などという理屈は、通用しません。

 一応僕も与党の一員ですので、先に政府の担当の方とお話をし、僕の考えは伝えました。また、別の省の幹部の方にも懸念をお伝えしています。JILISの緊急提言は、何名かの議員の方々にも政府担当部署にも届けたり渡したり送ったりしました。ただ、本日19時時点で特段のリアクションもありませんので、本意ではありませんが、改めて意思を公にし、世論に対して政府の非を訴えたいと思います。

 願わくば、この小文が誰かの手によって然るべき方の目に留まり、然るべく対応されんことを。


2018.4.12

衆議院議員
自由民主党厚生労働部会長

橋本 岳

あわせて読みたい

「ブロッキング」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    セブンの斬新な飛沫防御策を称賛

    佐々木康彦 / ITmedia オルタナティブ・ブログ

  2. 2

    東京の緊急事態対応は「まとも」

    木曽崇

  3. 3

    緊急事態宣言を同時中継する忖度

    水島宏明

  4. 4

    よしのり氏 恐怖煽る報道に苦言

    小林よしのり

  5. 5

    二郎を残す客にALS患者が怒り

    恩田聖敬

  6. 6

    緊急事態会見はライターが上手い

    Chikirin

  7. 7

    コロナで日本の通勤者 僅か9%減

    幻冬舎plus

  8. 8

    今すぐに検討すべき現金一律給付

    BLOGOS編集部

  9. 9

    橋下氏 感染数より死亡数を見よ

    PRESIDENT Online

  10. 10

    強制退寮 ハーバード大生に衝撃

    井上貴文

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。