記事

ステマ

 ちょっと前にステマという言葉がネットの人気ワードになっていて、最初、何のことかいまいちわからなかった。で、ちょっとリンクを見てみると、ああ、なるほどね、ステルスマーケティングのことか。知らないあいだにステマって言うようになったんだ。

 スマートフォンのことをみんながスマホと呼び出したときの気持ちにちょっと似ている。軽い敗北感。ほんの数年前、スマートフォンって単語を使ってるのはウィルコムユーザーくらいしかいなかった。今やスマートフォンを通り越してスマホ。そんなスマホをあきらめたウィルコムは好調。時代は変わる。

 グルメ系の口コミサイトに投稿されていたコメントが業者のものだったというニュース。テレビでも報道されて警察も動いているとのこと。ネット関連株も下がったらしい。愉快な話ではないけれど、ひとつのきっかけとしてはいいのかもしれないとも思う。

 業者のコメントで順位が上がったお店は大人気だったらしい。妙な話だけど、逆にそのグルメ系メディア、つまり、消費者の評価の影響力の大きさを証明とも言えるし、昔、マス広告全盛時代に「広告より口コミを信じましょう。」という広告コピーがあったけど、頭いいでしょ的な広告の自己否定をはるか彼方に置き去りにして、時代はますます口コミへ。反動はない。たぶん。

 少し前に、世界最大手の検索サイトが日本市場限定でユーザーのブログを利用したキャンペーンを実施したことがあった。それを知ったアメリカ本社は、即刻、キャンペーンを中止し相当重い処分を下した。問題になったのは、ブログを使ったということではなく、ユーザーに報酬を払ってユーザーにブログを書いてもらったこと。さらに詳しく言えば、そのブログにnofollowという検索サイトのページランク対象外を示す属性をつけなかったことが問題になった。

 それは、その検索サイトにとって、ページランク、つまり、リンクの順位付けへの信頼がそのままサイトへの信頼につながっていたからだ。サイトへの信頼。それは、すべての収益の基礎。その信頼が壊れれば、やがてすべての収益を失う。実際、黎明期に信頼の喪失により消えた検索サイトもある。世界最大手の検索サイトはその歴史から学んだ。

 口コミサイトにとっての生命線は口コミ。その信頼を失えばすべてを失う。

 これからもステルスマーケティングは行われるだろう。ステルスマーケティングを利用する企業もなくならないだろう。広告やマーケティングの信頼性を阻害してまでも儲けたいやつは、いつの時代もいる。けれども、口コミを生命線にするサイトを運営する企業は、そのことに対して毅然とした排除の意思を示す必要があった。どのネット企業よりも厳しく示す必要があった。合法、違法、そんな第三者の基準に関係なく、運営の姿勢として。それが嘘偽りなく感じたことを書いてくれるユーザーを信じるだと思う。守ることだと思う。そのサイトを愛するユーザーの信頼を運営が守らなくて誰が守るというのだろう。

トピックス

ランキング

  1. 1

    小池知事は検査数少なさ説明せよ

    大串博志

  2. 2

    官邸の思い付きで日本は大混乱に

    篠原孝

  3. 3

    自粛ムダに…百貨店へ並ぶ高齢者

    佐々木康彦 / ITmedia オルタナティブ・ブログ

  4. 4

    岩田医師 東京都は血清検査せよ

    岩田健太郎

  5. 5

    自粛要請も休業判断は店任せの謎

    内藤忍

  6. 6

    中国のコロナ感染「第2波」懸念

    ロイター

  7. 7

    布マスク普及呼びかけに医師指摘

    名取宏(なとろむ)

  8. 8

    韓国がコロナ詳報を公開する背景

    WEDGE Infinity

  9. 9

    ロックダウン寸前 法改正が急務

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  10. 10

    ロックダウン=都市封鎖は誤訳?

    かさこ

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。