記事

イングランド代表はロシアW杯をボイコットするか―元スパイ襲撃事件の余波

1/3
[画像をブログで見る]

  • 元スパイ襲撃事件を受けて、英国ではW杯ロシア大会のボイコットが議論となっている
  • ボイコットには「制裁の本気度」を示す効果があり、逆に「ボイコットしないこと」は外交上のリスクとなる
  • しかし、英国がこれを実行すれば、国際的孤立やFIFAからの制裁などのリスクが大きい

 3月4日に英国で発生した、ロシアの元スパイへの襲撃事件をめぐり、英国政府が頭を痛めている問題の一つが、今年6月に開催されるFIFAワールドカップ(W杯)のロシア大会をイングランド代表がボイコットするかです。

 事件後、欧米諸国は相次いでロシア人外交官を国外に退去させ、事件への関与を否定するロシア政府は、これに対抗して同様の措置を取りました。この外交的な対立のなかで浮上したボイコット案には賛否両論がありますが、英国にとってリスクが大きいとみられます。

ボイコットの賛否

 事件直後の3月6日、英国のジョンソン外相はW杯ロシア大会にイングランド代表が「通常の形で」参加することを想像できないと発言。ボイコットの可能性を示唆しました。

 これを受けて各社が世論調査の結果を発表。スカイニュースのウェブサイトでは52パーセントが「ボイコットするべき」と回答していますが、同じくスカイニュースのツイッターでは44パーセントが「ボイコットは何も生まない」と回答。アイリッシュ・エグザミナ紙の調査でも、ボイコットに賛成が48パーセント、反対が52パーセントと拮抗しています。

「ボイコットしないこと」のリスク

 国民の賛否は分かれるものの、英国政府にとってボイコットはロシア制裁の有力な選択肢です。

 2014年のクリミア危機以降、英国は国連などで再三ロシアを批判。要人の個人資産の凍結や移動の制限などの制裁を課し、さらに今回は外交官の国外退去まで行っています。

 冷戦時代の1980年、ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議した西側諸国は、モスクワ五輪をボイコット。この際でも、各国は外交官の国外退去にまで踏み切りませんでした(モスクワの米国大使館改築工事中に盗聴器が仕掛けられた疑惑が浮上した1985年、米国はソ連外交官を退去させた)。外交官の国外退去には、それだけの重みがあります。

[画像をブログで見る]

 今回、ロシア外交官を退去させたのは国連加盟国193ヵ国中29ヵ国だけ。西側諸国がさらに「ロシアの孤立」を印象付け、国際的な圧力を強めるなら、モスクワ五輪と順序は逆ですが、ビッグイベントへの不参加しかありません。

 逆に、外交官の国外退去まで行ったのにW杯だけ参加すれば「制裁の本気度」を疑わせ、ロシアに足元をみられることになりかねません

あわせて読みたい

「ワールドカップ」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    よしのり氏 年収100万円時代来る

    小林よしのり

  2. 2

    人手不足でも不遇続く氷河期世代

    fujipon

  3. 3

    中国富豪 蒼井そらに300万円出す

    NEWSポストセブン

  4. 4

    検察OB ゴーン氏逮捕は無理な話

    AbemaTIMES

  5. 5

    安倍政権の横暴助ける無能な野党

    PRESIDENT Online

  6. 6

    Amazonで富が流出? 堀江氏が反論

    キャリコネニュース

  7. 7

    高圧的な革新機構社長に違和感

    鈴木宗男

  8. 8

    HUAWEI騒動は米中戦争の始まりか

    MAG2 NEWS

  9. 9

    革新機構 経産省の言い訳に苦言

    山口利昭

  10. 10

    小室さん ビジネスに皇室利用も?

    NEWSポストセブン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。