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くらよしフィギュアミュージアムなど

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石破茂です。

さる1日日曜日の「円形劇場くらよしフィギュアミュージアム」のオープニングセレモニーで、私が漫画「ドラゴンボール」に登場する「魔人ブウ」なるキャラクターに扮した映像が広く拡散し、週初めはやや当惑気味でした。

「鉄腕アトム」や「サンダーバード」世代である私は「ドラゴンボール」も「魔人ブウ」も全くと言っていいほど知らなかったのですが、皆さんよくご存じなのですね。当日、開会時間少し前に会場に行ったところ、既に平井鳥取県知事、石田倉吉市長、舞立参議院議員はそれぞれのキャラクターに扮し終わっており、残ったものの中でサイズが合うのが「魔人ブウ」であったという、ただそれだけのお話なのです。

昭和30年に建てられた倉吉市立明倫小学校旧校舎は、現存する日本最古の円形校舎です。この斬新な建築は当時の流行で、中央に螺旋階段が設けられ、当然ながら教室は扇形となっています。老朽化が進んで取り壊しが決定していたのですが、地元の人たちが中心となって、クラウドファンディングなどの手法も使いながら保存運動を進めた結果、倉吉市が存置を決断し、どうせ残すなら街に賑わいを創出する活用法をということで、地方創生事業などと組み合わせて今日の運びとなりました。

ここに至るまでの市民のご努力と倉吉市のご理解に敬意を表します。

その熱意にお応えし、少しでもこのミュージアムの存在と意義を全国に発信するお手伝いが出来たらと思ったのですが、ネット上の書き込みの一部を見て、空恐ろしい気持ちにさせられました。なぜこんなに極端に偏った見解を持つに至るのか、「なりすましネット民」の存在も含め、匿名の無責任な意見が瞬時に拡散する現代の言論空間は、極めて困難な様相を呈していると思います。

余談ですが、先日某中央官庁の30代後半と思しき若手官僚と話をしていたら、「『サンダーバード』って何ですか?」と言われてしまいました。勧善懲悪、単純明快、古き良きあの時代の漫画や特撮物がとても懐かしく思われます。

何処が出どころなのか今一つ判然としませんが、放送法第4条の撤廃が議論になっています。

【放送法第4条】
放送事業者は、国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一公安及び善良な風俗を害しないこと
二政治的に公平であること
三報道は事実を曲げないですること
四意見が対立している問題については、出来るだけ多くの角度から論点を明らかにすること

新聞・出版とは異なり、国民の財産である公共の電波を使って発信するメディアである以上、その内容が偏ったものであってはならないという考え方が基本にあり、加えて

「放送用電波は有限であり、したがって放送に利用できるチャンネル数には限度があるので、混信を防止しつつ希少な電波を有効適切に利用するためには、それにふさわしい放送事業者を選別したり、放送内容に対して一定の規律を課す必要がある」(電波有限希少説)

「放送は直接茶の間に侵入し、即時かつ同時に動画や音声を伴う生の映像を通じて視聴される点で、受け手に他のメディアには見られない強烈な影響力を及ぼし、大きな影響を与えるものであるので公的規制が必要である」(社会的影響力説)

「民放を自由に放任すれば、営利主義に基づき視聴率の極大化のために、番組編成が大衆受けのする通俗的なものに画一化することになり、これを防ぐ必要がある」(番組画一化説)

等々が根拠として挙げられています。

あまりに偏った報道に対しては、この放送法の趣旨に則って抗議を申し入れる、というのが今までの政党のスタンスでしたが、今回政府が検討していると伝えられるものは、発想を全く逆転させて、どのような内容であっても(公序良俗に反しない限り)自由に放送できることにしようとするもののようです。

既存メディアの質やあり方は確かに問われてしかるべきところが多分にありますが、メディアが言論の自由、報道の自由などという基本的人権に非常に近いところにある以上、欧米とは異なる我が国の制度や、放送メディアの特性、言論の自由と民主主義との関係などを精緻に検討し、より良い制度づくりに資するものとしなければなりません。

野党からその存在を問われていた自衛隊のイラク復興支援活動の日報が、昨年3月に陸上自衛隊内で発見されていたにもかかわらず、大臣に一年以上報告されていなかったことは極めて深刻な問題です。

南スーダンにおける活動の日報問題で当時の大臣・事務次官・陸上幕僚長が辞任したのは昨年の7月のことでしたが、その教訓も反省も何ら生かされていないとしか思えません。

平成19年、防衛大臣在任中に、海上自衛隊のインド洋における補給活動で米艦に対する燃料補給量の報告取り違え事案が発生して国会が混乱した際に、省内に「文民統制の徹底に関する検討委員会」を設置し、この議論の成果をその後の防衛省改革に結実させたはずなのですが、この内容に足らざるところがあったのか、これが防衛省・自衛隊に徹底されていなかったのか、検証なくしては必ずまた同じことが起こります。

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