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アングル:中国の米国産大豆への追加関税、中国企業に痛みも

[北京 4日 ロイター] - 中国政府は4日、米国が対中制裁の品目案を公表したことへの報復措置として、大豆や自動車など106品目の米製品に25%の追加関税を課すと発表した。しかし大豆は米国に代わる輸出国を見つけたり、他の農産物置き換えることが難しく、中国は国内企業にも痛みを強いることになりそうだ。

大豆は中国の対米報復制裁で最大の「武器」とみられている。対中輸出が落ち込めばアイオワ州など、トランプ米大統領を支持する農業生産の盛んな州を直撃するためだ。米国の昨年の中国向け大豆輸出は120億ドル相当で、対中農産物輸出では最大の品目。

中国は世界で取引される大豆の約60%を輸入し、主に家畜飼料用の大豆ミールに加工している。

キャピタル・エコノミクスのアジア首席エコノミストのマーク・ウィリアムズ氏は「米国を除くと、世界には中国の需要を満たすのに十分な大豆はない」と指摘。「中国が輸入への依存度を引き下げる場合、いくつか選択肢はあるが、国内でコスト増を回避しながら米国の農家に打撃を与える特効薬などない」と話す。

中国の昨年の大豆輸入は半分をブラジル産が占めたが、米国産も約3300万トンと約3分の1に達した。これだけの量を他の国からの輸入で穴埋めするのは容易ではない。

米農務省によると、世界第3位の大豆生産国であるアルゼンチンは干ばつに見舞われ、1017─18年度の輸出は700万トン弱と、過去10年で最も少ない。

ブラジル、米国、アルゼンチン以外の国からの輸入は約1700万トンで、生産国は限られる。

中国国内の大豆生産量は約1400万トンだが、主に食品向けだ。

専門家によると、中国には大豆の戦略備蓄を放出したり、家畜用飼料における大豆ミールの配合比率を変えるなど、国内で打つことができる対応策もある。

米国大豆輸出協会のアジア部長のポール・バーク氏は「中国が国家備蓄を放出するだろうとの見方がある。こうした政策に踏み切る可能性はあるが、中国の備蓄量は分からない」と述べた。

飼料メーカーの一部は、大豆ミールに代わる原材料探しに動くなど、密かに対策を進めている。飼料メーカーは中国国内でだぶついているトウモロコシやトウモロコシ蒸留かす(DDGS)、エタノール生産の副産物、菜種、綿の実などの配合比率を高めるかもしれない。

ただ、家畜用飼料のタンパク質の水準を維持するのは難しい。DDGSの配合比率は20%程度が限界で、菜種も飼料に不向きの物質を含むことから豚用飼料としては5%が上限。しかも雌豚や子豚には与えられない。

飼料メーカーは製品の供給が細って製品価格が上がり、中国の主な食材である豚肉が値上がりし、物価全体を押し上げるのではないかと危惧している。

既にブラジル産大豆の輸出価格は過去最高値を付け、国内では大豆と大豆ミールの先物価格が上昇した。

飼料メーカーの幹部は「中国に通商紛争をエスカレートしてほしくない」と述べ、価格上昇や飼料の配合比率調整の難しさを吐露。「ブラジル産の輸出は通常は9月ごろに終わり、10月から3月にかけて米国産が出回る。その時にブラジルからしか輸入できなかったら、どうやって大豆を手に入れたらよいのか」と嘆いた。

(Josephine Mason記者、Hallie Gu記者)

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