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台湾の総統選挙を控えて

台湾総統選で民衆に支持を訴える民進党の蔡英文主席(AP/アフロ)
 今週末に台湾の総統選挙があります。民進党の候補か国民党の候補か、依然として予断を許さない状況のようです。

 しかし、考えてみれば、我が国のシーレーン上非常に重要な場所に民主主義国家があり、かつ親日的な国民感情が強い国があるという事実は、我が国の国益を考えれば非常に重要です。私も台湾に友人がいて何回も訪れていますが、他の国では考えにくいくらい日本という国を評価してくれている人が多いことにいつも驚かされます。

 そして地政学的には、台湾が今も中国大陸のすぐ横の金門・馬祖の両島を支配していることのメリットは極めて大きいという事実を忘れるわけにいきません。

 もちろん我が国以上に経済的に中国大陸との関係が深まっているのは事実です。そして相互依存の状況は年々深まっています。そんな中で台湾人の中でも以前にも増してより現実的な意識が強くなっているように感じます。もはや台湾から大陸に攻めていこうということを真剣に考えている場面はほとんどないと言っていいと思います。

 しかしその一方で、逆に中国共産党は依然として台湾の併合をその意識の中に持っているのは事実です。また、対アメリカ、対日本という意味でも台湾海峡および台湾を戦略的に欲しがっている側面も否定できません。

 我が国としては、台湾海峡の安全と、民主主義、自由主義に立脚した台湾の安定が、我が国の国益としても非常に重要ですし、また自由な台湾の人々が、望まないにも関わらず独裁国家の影響下に置かれるという事態は、人道的な観点からも断固として避けねばなりません。台湾が中国に侵略される様なことがあれば、それはまさに我が国の自衛に関わる問題です。

 そのことを考えれば、選挙後どのような政権となろうとも、中国の意向云々ということではなく、アメリカも含めて、台湾と「価値の共有」をベースとした友好関係を維持強化していくことが極めて重要です。

 自由で民主的かつ親日的な台湾という存在が我が国にとっていかに重要かということは、ある意味当たり前すぎて忘れられがちです。しかし、一つ間違えればそれも様々なリスクにさらされています。総統選を契機に改めて考える必要があるかもしれません。

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