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  • 連合
  • 2018年04月05日 15:04

先行組合の結果を追い風に 力強く「底上げ春闘」を進めよう

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2018春季生活闘争は、最初のヤマ場を迎え、第1回集計(3月16日)における賃上げ率(平均方式・定昇込み)は、昨年を上回る2・16%、300人未満の中小組合では全体集計を上回る2・17%という回答を引き出した。この集中回答日に照準を当て、主体的に交渉を進めた中小組合が増えたことも注目される。この結果をどうみるのか。「拡がり」に向けた取り組みのポイントは何か。相原事務局長に聞いた。


相原康伸 連合事務局長

上向きのベクトルと自律的な交渉

─3月16日の第1回集計結果をどう受け止める?

先行組合の頑張りで、非常にいいスタートを切ることができた。これから交渉が本格化する組合にとって大変勇気づけられる内容であり、今後の拡がりにも期待が持てる結果だと受け止めている。

二つの動きが特徴的だ。一つは、ここ数年の取り組みが「賃金引き上げ」のベクトルを定着させ、本年は、さらに獲得水準で前年を上回る動きにある。二つめに、中小組合のより自律的な交渉および主体的な回答引き出しの構造変化が前進しつつあることだ。大手組合の回答水準を後続の中小組合が超えられないという長年の「春季生活闘争の形」を書き換える動きが広く浸透しつつある。労働条件改善はトリクルダウンが最適解との発想と運動を根元から「転換」する意義を再確認し合えるスタートと言える。現時点で中小組合の賃上げ率が全体を上回っている状況を維持し続け、めざす運動の成果に近づけたい。

第1のヤマ場の結果は、それ自体重要であるが、大手脱却などの狙いにつながる運動の土台としての意義がある。ここ数年、連合が掲げてきた「底上げ春闘」の輪郭がより鮮明になり、世の中に「春季生活闘争の新たな形」を提起でき始めたのではないか。この流れをいっそう前へ進めたい。

個々の能力を最大限発揮できる環境を

─非正規労働者の賃上げも、現時点で昨年を上回る結果が出ているが…。

第1回集計では、時給の引き上げ額が単純平均で25・98円、昨年対比2・33円、さらに正社員化や無期転換ルールの整備、福利厚生など、多岐にわたる処遇改善の要求を行い、具体的な協議・交渉が進められている。

今次闘争では、「非正規共闘が果たした役割は十分認識しつつ、労使の協議・交渉のテーブルの真ん中に非正規労働者の処遇改善というテーマを組み込んでいく」ことを提起した。全員で確認した方向性に沿った手応えを感じている。

パートなど有期雇用で働く、非正規労働者の処遇改善の重要性は高まるばかりだ。企業規模や雇用形態、性別や年齢にかかわらず、個々の能力を最大限発揮できる環境が求められている。その流れの中、あらゆる雇用形態の処遇改善にスポットが当たるのは至極当然のことであり、成果が出てきている。雇用の仕方・され方を超え、職場を支えるすべての働く人のエネルギー結集なくして、日本経済や個々の産業・企業の成長はおぼつかない。

加えて、深刻な人手不足もあり、「雇用形態の違いを理由として労働条件を低めに設定することは許容される」との考え方はすでに過去のものであり妥当性に乏しい。企業の側も、また社会的にも、不合理な格差を解消し、ディーセント・ワークの実現をはかり、その結果として、チームワークの充実や健全な生産性の向上に寄与していこうという文化が生まれている。こうした流れをしっかり捉え、確実な成果につなげてほしい。

真に働く人のためになる「働き方の見直し」を

─長時間労働の是正に向けた取り組みについては?

今次闘争では、特に長時間労働の是正に向け、600を超える組合が36協定の点検や見直し、裁量労働制の適正運用を要求し、1000に近い組合が年次有給休暇の取得促進に向けた要求を行った。連合は、2018春季生活闘争のスローガンに「すべての労働者の立場にたった働き方の見直し」を掲げたが、その意味するところを受け止め、協議・交渉に臨んでほしい。

「働き方の見直し」を進めるにあたり労働組合として留意すべき点は、第1に、それが真に働く人のためになるものなのかという点だ。長時間労働の是正は、単に労働時間を短くすれば良いというものではない。職場における日々のマネジメントの質を高め、働くひと一人ひとりの立場にたった環境条件整備につながるものでなければ、持続的で本質的な見直しとは言えない。第2に、働き方の見直しは、労使が互いに納得するものでなければ機能しない。日頃の労使関係が問われる課題とも言える。

その意味では、現時点での前向きな回答や労使合意の背景には、労働組合の役割発揮とそれに向き合う経営側の対応があってこそと考える。

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