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「宝島の女性誌減少」「モノ誌躍進」の謎 ――2011上期ABC部数調査

ところで旧聞になってしまって恐縮だが、2011年上半期ABC調査の件でも。

ABCは業界の方なら言わずもがなだが、正式名称「日本ABC協会」といって、新聞や雑誌の発行部数を調査・公表する社団法人。こちらから公表される部数は、少なくとも雑誌に関しては「ほぼ正確な発行部数」と言って間違いない。

ただ出版界はいい加減な世界で、すべての雑誌がABCに加盟しているわけではない。というかしているほうが少数派。加盟してない雑誌だと正確な発行部数は外部からは見えず、出版社が発表する「公表部数」しか判断基準が無くなる。

雑誌は基本的に毎回刷り部数を変えるので、「いつの時点の部数を公表部数とするか」は出版社次第。中には「売れてた頃」の公表部数を売れなくなってもずっと変えてない出版社があったりとか。ひどいところは実際の3倍増とかね。

まあ広告代理店や出稿企業は読者の反応から、だいたい「その媒体がどの程度有用か」わかってるから部数にあんまり意味ないのもあって、放置されてる。

業界外の方にもう少し解説しておくと、発行部数は実売部数とは異なる。たとえば雑誌Aが3万部発行して市場に撒いたとしても、売れ残りは返本されて、実際には実売部数が2万部だったりするわけ。この場合、実売率67%ってわけ。もちろん返本分の赤字は全部出版社が被るので、「とにかく刷ればいい」わけではない。実際の売れ行き、撒きたい部数、その号のネタなどを勘案して毎号決めていくわけだ。

雑誌はたとえば10部単位で梱包されたりする。上下2冊は紐の跡が付くので売れ残って返本される可能性が高め。このため「実売率8割で超優良媒体」というのが、もっぱらの評価となる。

通常立ち読みされて「ヤレ感」が出た奴も気にして買わない人が多いので、実際には普通7割売れれば「まあ満足」という感覚かな現場は。月刊誌など、発売8日で実売5割とかだと編集長の胃が痛くなる。仕上がりで7割が難しくなるので。

さて私のブログの常として前置きが長くなったが、2011上期ABCの件。

好調なのは、意外にもモノ誌と児童誌。震災で消費罪悪感が出たと思ってたので意外。もしかしたら「買わないけど、その分モノ誌を読んで欲求解消」してたのかも。児童誌は多分残存者利益だな。小学館の「年生」モノがどんどん撤退して行ってるから。

不調なのは女性誌。2010年まで絶好調だった宝島の女性誌が軒並み部数減だ。理由は他社が宝島の付録攻勢にキャッチアップしたから。なので、女性誌分野トータルでの売上は、多分だが増えているはず。それは不景気で女性メジャー層のブランド消費が「付録レベル」まで落ちているから。というか「全部本物」でなく「一部は付録でいいや」になってると思われる。

宝島社内はいろんな意味で「けっこう大変」と噂に聞くが、大丈夫だろうか。

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