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『めちゃイケ』ナレーター・木村匡也が語る片岡飛鳥総監督との"青春"

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願ったり叶ったりの終わり方

フジテレビ系バラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』が、ついにきょう31日(18:30~23:40)の5時間スペシャルで、21年半の歴史に幕を閉じる。この長い歴史の番組に、前身から含めてナレーションとして出演してきたのが、木村匡也氏だ。

番組総監督の片岡飛鳥氏が自らナレーション原稿を書いていることで知られる『めちゃイケ』。そのこだわりの文章を、厚い信頼を受けてOAに乗せ続けてきた木村氏に、ナレーション収録の裏側や、片岡氏との裏話などを聞いた――。

予感していたものはあった

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木村匡也
1965年生まれ、福岡県出身。西南学院大学在学中にFM東京のDJコンテストで優勝し、福岡のラジオ番組でDJデビュー。その後、『進め!電波少年』(日本テレビ)でテレビのナレーターの仕事を始め、『ジャングルTV タモリの法則』(MBS)、『どっちの料理ショー』(読売テレビ)、『クイズ$ミリオネア』『VVV6』(フジ)などを担当。現在は『めちゃイケ』のほか、『サタデープラス』(MBS)、『芸能人格付けチェック』(ABC)などを担当。

――よろしくお願いいたします。普段はダンディな声なんですね!

だいたい初めてお会いする人には「低音なんですね」って言われます。バラエティのナレーションでは真剣に"おふざけ"をやってるんですから(笑)

――『めちゃイケ』の終了はどのようにして知られたのですか?

メンバーの皆さんの後に総監督の片岡飛鳥さんに呼び出されました。なんとなく予感していたものはあったんですけど、やはりあまりにも唐突だったので、ちょっとぼう然としましたね。ちょうど三浦大知くんの大ネタ(「岡村オファーシリーズ」)が終わって新しい方向が見えたなと思ってたところで、いきなり終わろうって言ってきたので…。でも、これが一番納得がいった形でした。ネットなどではフジテレビの社長が代わったから終わるんだとか言われましたが、実は誰からも終われとは言われてなくて、自発的に終わらせようということだったので、それは願ったり叶ったりのやり方だと思いましたね。

――どういう感じで打ち明けられたんですか?

あれは片岡さんの決めゼリフなんでしょうね。メンバーに告げたときのように「『めちゃ×2イケてるッ!』、終わります」って、あのトーンで(笑)。あとで、岡村(隆史)さんに告げるシーンをスタジオで見た時に、「いっしょじゃん」って笑ってしまいましたよ。片岡さんいわく、「さすがにナイナイや加藤浩次といった現代のトップスターを使っても視聴率がこんなに低い状態はマズいんじゃないか? でも、誰も終われとは言わない。そういう状況がある。それならアップストリームに持っていった中でこちらから終わればいいんじゃないか」という考えが生まれて来て、それで「シュウ活」というのを考えたんだと言ってました。

『エンディングノート』という映画を見たという話もしてましたね。有終の美というか、誰しも身ぎれいに終わりたいですよね。「おくりびと」ではないですが、人を送り出すことで有名なお医者さんが、ご自分がガン宣告されたらパニックになって亡くなっていったなんていう話もあるじゃないですか。さぁ我らが片岡飛鳥はどうなるんだろうか?と思ってじっくりと観察していましたが、相変わらず仕事に全力で突っ走っていらっしゃるので、作業場の雰囲気は全然変わってないですよ。最後まで全力ですよ。

――他の番組で言うと総合演出やチーフプロデューサーに当たると思うのですが、そういう人がナレーターの方に直々に番組終了を伝えるって、なかなかないんじゃないですか?

そうですね。まぁちょっと変わった人ですからね、あの方は(笑)。私は片岡さんの1歳下で、テレビでも映画でもほぼ同じものを見てたと思います。「こういうのを読んでもらいたい」っていうのは原稿を見せてもらえば何も言われなくても分かります。「説明しよう!」とだけしか書いてなくてもそれは『ヤッターマン』の富山敬さんの言い方で言うんだろうなと分かりますし、そういう部分は同じ時代の番組を見てきた共通体験があるので、やりやすかったですね。

アナウンサー学校だったら怒られる文字量

――『電波少年』など、いろんな番組を担当されてきた木村さんですが、『めちゃイケ』のナレーションの特徴はなんですか?

一応典型的な私の声というのがあるんですけど、ワントーンでは絶対収まらないんですよ。よく見ると、シリアスなところはドキュメンタリー風に作ってるし、絶叫風なところはかなり格闘技番組みたいに作ってるし、「数取団」だとヤンキー風、「めちゃギントン」だと英語もありますからね。あと、収録日にいきなり「『ビッグダディ』の感じ(小倉久寛)でものまねしてほしい」なんてオーダーを持ってくる恐ろしさもあります(笑)

――他の番組のパロディは結構ありましたもんね。

『アメトーーク!』を『ダメトーーク!』にして、佐藤賢治くんみたいな声をやったりとか。あと『情熱大陸』の時は恐怖でしたね。あれをやってるのは窪田等さんという方は私たちの世界では憧れのレジェンドですから。とにかく『めちゃイケ』をやってる間は、ヒット番組のナレーションを聞いて、特徴を確認したり、自分で声を出したらどこまで似るだろうとか、ちょっと意識してましたよね。

――でも、それができてしまうから、当日言われることがあるんじゃないですか?

あんまり大きな声では言えないですけど、何個かは全くできなかったものもあります(笑)

――片岡さんの原稿は手書きなんですか?

以前はミミズがのたくったような汚い字で来てましたけど、ここ数年はADの方がパソコンでリライトしてくれています。でも、若いウチに手書きに慣れちゃってるから、きれいな字な方が逆に読みにくかったりしてね(笑)。手書き時代の原稿はまだいっぱい持ってるんで、いつかフォントにして送ってやろうかと思って。「こんなに汚い字を読ませて、もう」って(笑)。嗚呼、でもあの字が懐かしい。

――その上、文字の量も相当多いんですよね。

そうですね、みっちり詰まってます。特に片岡作品の文字数の多さたるや、普通のアナウンサースクールで教えたらきっと怒られますよ。でも、その中で自分の特殊な技術を編み出すことができたんだと思います。普通、アナウンスメントっていうのは母音が大事だと言われます。母音をきっちり発声して、それに付随する子音を正確に出す。でもそうやってると、確実に原稿がこぼれるんで、小さな子音は飛ばしていくんです。そうすると江戸っ子のしゃべり方みたいになるけど、何とか相手に通じるくらいの日本語になって尺に収まるんですよ。アナウンスメントの技術より勢いで伝えるという突破口を開いたんですよね。

――ムチャぶりに対応して、新たな技術を身に着けていったんですね。

若い時期はお互い意地になっちゃったこともね。そういえば面白いことがありましたよ。「今のオッケーなんですけど、5フレ(1/12秒)巻いてくれますか?」って言うんです。そんな細かい時間の長さ人間の感覚で分かるわけねぇだろ!って聞こえないように言いながら読み直すとあら不思議。スタジオのミキサーさんが「本当に5フレ短くなりましたね」って言うんです。もう念力の世界ですよね。で、ときには向こうがOK出しても、今度はこっちが「いや、俺は納得いかない。もう1回やらせてくれ」って。さっきのNGにしやがって、意趣返しじゃないですけど、でもこうなったらもっといいの出すから驚くなよって思いながら(笑)

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"めちゃイケメンバー" (C)フジテレビ

メンバーと同じトロフィーを

――張り合ってますね(笑)。そうすると、他の番組に比べて収録時間もだいぶ長いのでは?

うーん、長いときはヘロヘロになるまでこき使われます(笑)。『27時間テレビ』もたくさんVTR作りましたし。ただ、私はナレ録り早い方ですよ。初見でやりますので。そういえば一度ナレーションが間に合わなくて、OA時に生でナレーションを当てたこともありましたね。トチったらどうするの?って、本当にムチャなこともやりましたね(笑)。ただもう20年もやってると、スタッフは気遣いの達人ばかりですし、私がちょっと何か欲しいなと言ったらスッと出してくるし(笑)。ナレーターが仕事をしやすい環境を整えてくれることに関しては抜群のスタッフですよ。まあ片岡さんとか、『電波少年』の日テレの土屋(敏男)さんとか、一流の制作者っていうのは本当にわれわれ末端の人間をかわいがってくれますね。

――木村さんは番組のタイトルコールを読み上げるくらいですから、それは手厚くされると思います。

『めちゃイケ』が社長賞を獲ったことがあって、出演メンバー全員がトロフィーをもらったんですね。そのVTRのナレーションを録り終わって帰ろうとした時に、片岡さんから「ちょっと」って呼び出されて、「あなたにも社長賞」って言って、メンバーと同じトロフィーをくれたんですよ。こういう泣かせることやる人たちなんですよね。この前、「爆烈お父さん」で加藤(浩次)くんのお嬢ちゃんたちが出て、みんなにかわいがられてましたけど、うちの娘たちも片岡さんにはかわいがってもらっています(笑)。何度も片岡さんと食事をしたりして、うちは娘が6人もいるんですけど、全員片岡さんやスタッフをよく知ってますよ。

――もう木村さんも、"めちゃイケメンバー"の1人ですね。

自分ではとても言えないですけど、準ずる形で預かっていただいてるかな(笑)

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