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国民の「命」に対する“真の敵”は誰か

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私は、1年以上つづく「森友騒動」を見ながら、私たち国民の「命」に対する“真の敵”は誰か、ということを考えている。それは、「野党とマスコミではないか」と感じている。

私は、かねて日本が“DR戦争”の真っ只中にある、と指摘してきた。Dとはドリーマー、夢見る人の意味だ。事実を見ずに、観念論で物事を判断する人たちである。Rはリアリスト、いわゆる現実主義者だ。観念論を排し、事実を見て、それをもとに判断する人たちである。

今でも、日本が「左右対立」の時代である、と勘違いしている人がいる。しかし、今どき共産主義や社会主義、すなわち「全体主義国家」を志向する人が日本に多いとは思えない。ただ、昔、そういう方向にシンパシーを感じていた人々は、事実に背を向け、観念論に閉じこもる傾向が強い。だから、彼らは、往々にして「空想的平和主義」に陥る。

一方、リアリストは、あくまで現実を直視する。空想的平和主義には陥らず、現実的平和主義者となる。このリアリストたちを「保守」だと勘違いしている人もいるが、これもまったく間違っている。保守ではなく、現実直視のリアリストなのだ。

すべての世代で最大のリアリストは若年層である。就職、結婚、子育て……等々を「これから」おこなう若者は、いやでも現実主義者とならなければならない。彼らは、ネット世代でもある。情報源を新聞やテレビには、決して頼らない。

昨年、早稲田大学政治経済研究所と読売新聞との共同調査で興味深いことが判明した。若者は、新たな挑戦をおこなっている自民党や維新の会を「リベラル」と見ており、旧来の殻をいつまで経っても破れない共産党や公明党のことを「保守」だと見ていることである。

当ブログでも以前、紹介させてもらったが、私は目から鱗(うろこ)の思いで、その記事を読んだ。その意味では、森友問題ほど“DR戦争”を明確に指し示すものはないだろう、と思う。

それは、インターネットの力を見せつけるものでもある。新聞とテレビしか「情報源」を持たない“情報弱者”と、ネットも情報源にする人との事実認識の「乖離(かいり)」を、森友問題ほど明確に示す事例は、なかなかあるものではない。

リアリストは、新聞やテレビが印象操作という名の“ウソ”を報じていることを知っている。ネットの世界では、森友問題の真実はとっくに「明らか」になっており、そのことが「常識」になっているからだ。

多くの専門家の論評や分析を、ネットを通じて目の当たりにしている人たちには、ウソは通じない。森友騒動の真実は、公開された財務省の改竄(かいざん)前公文書でも、あらためて確認されている。それは、なにか。

この案件が、鴻池祥肇氏による「陳情案件」であることだ。改竄前文書には、「本件は、平成25年8月、鴻池祥肇議員(参・自・兵庫)から近畿局への陳情案件」という但し書きがくり返し登場する。

そう、この案件は、一貫して鴻池氏による「陳情案件」なのである。鴻池氏以外にも、鳩山邦夫、平沼赳夫、北川イッセイという三人の政治家が近畿財務局へ働きかけをおこなっていたことも、改竄前文書には詳細に記述されていた。

しかし、安倍夫妻の関与は出てこない。これだけ政治家からの陳情が詳細に記述されていながら、一切、出てこないのである。あくまで、これは鴻池議員による「陳情案件」であり、産経新聞の報道によれば、鴻池事務所の「陳情整理報告書」に、同年9月9日付で鴻池事務所が籠池氏に「小学校用地の件、先週、財務局より、7~8年賃借後の購入でもOKの方向。本省および大阪府と話し合ってくれる」と伝えたことが記載されている。

さまざまな政治家に働きかけて、鴻池氏以外にも、鳩山邦夫、平沼赳夫、北川イッセイという三人の政治家に動いてもらった籠池氏の“熱意”には恐れ入るばかりだ。

改竄前文書に、安倍昭恵氏が出てくる部分も、籠池氏のいい加減さを示すものとして実に興味深い。籠池氏は近畿財務局に、「いい土地ですから、前に進めてください」と昭恵氏から言われた、と伝えていた。

しかし、昨年3月の証人喚問では、籠池氏は、当該の土地を昭恵氏が「いい田んぼができそうですね」と発言した、と証言していた。「いい土地ですから、前に進めてください」と「いい田んぼができそうですね」とは、天と地ほども違う意味を持つ言葉である。

どんなことをしても土地を値切りたい籠池氏が、勝手に人の名前や言葉を都合よく“改竄”して出していたことが文書であらためて浮き彫りになったのだ。野党とマスコミがタッグを組んで、「8億円値下げは安倍首相がやった」と、いくら叫んでも、そんな事実は出てこないのである。

改竄前文書には、籠池氏という特異な人物に、いかに近畿財務局が翻弄されたかが出ている。2016年3月に「新たなゴミが出た」と、それまでのゴミとは別のものが出たと言い出し、「開校に間に合わなかったら、損害賠償訴訟を起こす」とまで恫喝されていた事実には、本当に同情する。「1億3400万円」で売却する契約が締結されたのは、その3か月後の「6月20日」のことである。

この土地の特殊性は、くり返し書いてきたことなので、簡単に記す。当該の土地は、「大阪空港騒音訴訟」の現場であり、どうしても国が手放したかった土地である。伊丹空港の航空進入路の真下で、騒音は大きく、また土地に高さ制限もついているといういわくつきの土地だ。

国は、やっと現われた“買い主”を逃したくなかったし、前述のように鴻池議員「陳情案件」であり、さらに鳩山、平沼、北川という都合4人の政治家が絡んだ案件でもあった。

いま「野田中央公園」になっている隣地は、国が補助金をぶち込んで、実質98・5%もの値下げになっていることでも、この土地の特殊性がわかる。どうしても手放したい国は、あらゆる利便を買い主に対しておこなっているのだ。

しかし、そんな事情をすべて知っていながら、新聞やテレビは一切、これを書かないし、伝えない。あり得ない「安倍首相の関与」を1年以上、叫びつづけ、まだ「新たな証人喚問が必要だ」と世論を必死に誘導しているのである。

昨日、たまたまテレビをつけたら、「“アッキード事件”では、まだ籠池さんしか出てきていない。自民党の皆さん、真相究明にはこれからガンガン証人を呼ばないといけないので、逃げないでほしい」と叫んでいる野党議員の声が聞こえてきた。

アッキード事件? 言いも言ったりである。そして、今朝(3月29日)の朝日新聞の記事を見て、私はますます驚いてしまった。

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