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三代目の三題話

 古くから「親は苦労する、子は楽をする、孫は乞食する」とか、「唐様で売り家と書く三代目」(没落した遊び人の孫は、しゃれた字を書く)と言われます。もちろん立派に家業を発展させる三代目もいるし、歌舞伎役者などは世襲で芸を受け継ぐ伝統がしっかり出来ていますが、得てして一代で財をなした成り上がり者の運命が芳しくないのを、ねたみ心も込めて言うのでしょう。

 三代目で最近話題になったのは、何といっても北朝鮮の最高指導者でしょう。年齢も不詳の20代らしい若者が、突如として軍事優先国家の最高指揮官に祭り上げられました。実力でなったのではなく、親の威光でそうなったことは世界中に知られています。親が残した体制で数年間は行けるかもしれませんが、その先は不透明です。国民も世界も安心させるような「名君の親政」が行われるといいのですが、それは非常に難しいことでしょう。何らかの破綻が起こるのではないでしょうか。

 民主党の総理も三代目になりました。政権交代を期待する時流に乗って大躍進したのはよかったのですが、初代は普天間基地の移転先問題で挫折し、意外なほどあっさりと退陣してしまいました。小沢氏の金脈と自分の母親からの献金を執拗に追及されて、嫌気がさしていたのも影響したかもしれません。跡継ぎになった二代目は、ことわざなら楽をするところでしたが、自信過剰の勇み足で混乱を招くことが多く、中間選挙の参議院選で大敗という重荷を負ってしまいました。その結果、自力で法案を通すことが不可能になり、政界混迷の最大の責任者となりました。その状態で東日本大震災に遭遇したのですから、不運と言うしかありません。

 ボロボロになった二代目の後を引き受けた三代目は、当面の事態を収拾することだけで頭の中が一杯です。「税と社会保障の一体改革」を使命と心得て、残余のことには目をつぶり、天運を信じて直進の覚悟を固めました。「断じて行えば鬼神もこれを避く」の心境でしょうが、相手は永田町に住みついている魔性の主です。全精力を吸い取られて倒れるのが順当な筋書きでしょう。

 「解散」と書く文字は、しゃれた唐様ではなくて無骨な「どぜう流」でしょうか。そうなったら、国民は政権交代前の初心を思い出して、「もう一つの政権交代」を探し直さなければなりません。

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