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若者は「若者論」を自ら語れ!~"成人の日"に想う

 私は、社会体験・就業体験を一定期間非日常化でそれぞれ過ごし、自立した"おとな"養成というギャップイヤーのコンセプトを日本に持ち込もうとしている。

 社会全体が多様性を醸成するギャップイヤーを「承認」することを契機に、日本の若者に蔓延する同調圧力を壊し、チャレンジを誘発するようにと、昨年2月に社会運動の拠点として社団JGAPを立ち上げた。

 そこで、若者自身にも自らの経験を語ってもらったり、社会や同世代に対する"想いの丈"をエッセイの形で表現することを目的とした「フロンティア・フォーラム」を半年前に設けた。徐々に認知が進み、直近12月には14本、つまり2日に1本のペースで寄稿・投稿されたことになる。

 「若者の活字離れ」という社会一般のレッテルはどうも思い込みのようで、ブログ更新による主張をベースにフェイスブックやツイッターを告知手段として"自己ブランディング"を意識して発信している才能と感性豊かな若者が増えてきている。

 だが、増えてはいるが、まだまだ沈黙する若者、すなわち"サイレント・ユース"が圧倒的なことも事実だ。

 8日付の朝日新聞朝刊の読書欄「ニュースの本棚」が興味深い。ずばり「若者論をよむ」と題し、中西新太郎(横浜市大教授・現代日本社会論)氏がコメントしている。中西氏によると、この数年、若者論のトーンが変わりつつあり、豊かさに甘える若者という定型のイメージは過去の遺物となる一方、今度は「きびしい現実を知れ、努力を惜しむな」という類の新バージョンの若者バッシングが出回り始めているという。

 中西氏の目は温かく、「仕事も暮らしも日々ぎりぎりの状態にあるのが若年層の"普通"なのであり、そこを見ずに力不足を嘆くほうがおかしい」と説く。

 私と同世代の1955年生まれのリクルート出身の藤原和博氏は、同日の朝日で「僕が今、変えたいと思って闘っているのは、4択の中で必ず正解があるという幻想の"正解主義"、そして"前例主義" と"事なかれ主義"。これが教育界に蔓延している。共通項は自分の頭と心で考えないこと」と熱く語る。

 私は、中西氏が言う「若者の生きる現実を彼ら自身が開示し、解読する試みなしに若者論の革新はない」という主張に同意する。上の世代が作り上げてきた価値観の是正は、若者が説得力ある論理や上の世代が羨望するような圧倒的な感性でしっかり示さない限り、なかなか変えられないのではないか。

 新成人の8割が「自分たちの世代が日本を変えていきたい」と前向きで、「政治」「経済」に関心があるとの回答は7割を超えた(出所:マクロミル。回答500)。

 サイレント・ユースの勇気と発信に期待したい。

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