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暮らしたいのは「生活の質」と「幸福度」が高く、生活コストが低い国

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<フランクフルトの欧州中央銀行広場>

幸福度生活コストと、世界の都市や国のランキングをご紹介してきましたが、本日は「生活の質」のお話。

マーサー 2018年世界生活環境調査(Quality of Living Survey)‐都市ランキング 」は、やはり国際企業が駐在員の諸手当や待遇などを決める際に利用している調査で、調査対象項目は下記の通りになります。

1. 政治・社会環境(政情、治安、法秩序等)
2. 経済環境(現地通貨の交換規制、銀行サービス等)
3. 社会文化環境(メディアの利用、検閲、個人の自由の制限等)
4. 健康・衛生(医療サービス、伝染病、下水道設備、廃棄物処理、大気汚染等)
5. 学校および教育(水準、およびインターナショナルスクールの有無等)
6. 公共サービスおよび交通(電気、水道、公共交通機関、交通渋滞等)
7. レクリエーション(レストラン、劇場、映画館、スポーツ・レジャー施設等)
8. 消費財(食料/日常消費財の調達状況、自動車等)
9. 住宅(住宅、家電、家具、住居維持サービス関連等)
10. 自然環境(気候、自然災害の記録)

安全で衛生的、環境が良くて、住宅や教育、病院、交通機関などのインフラが整っていて、政治的にも安定。つまり、人なら誰しも「住みたい」と思えるような都市です。

さっそくですが、上位10都市の順位は下記の通り。

1 ウィーン (オーストリア)
2 チューリッヒ (スイス)
3 オークランド (ニュージーランド)
4 ミュンヘン (ドイツ)
5 バンクーバー (カナダ)
6 デュッセルドルフ (ドイツ)
7 フランクフルト (ドイツ)
8 ジュネーブ (スイス)
9 コペンハーゲン (デンマーク)
10 バーゼル (スイス)
10 シドニー (オーストラリア)

非常に興味深いのは、ウィーン、チューリッヒ、ミュンヘン、デュッセルドルフ、フランクフルト、ジュネーブ、バーゼルとドイツ語圏(またはドイツ文化の影響を受けている)の都市と、オークランド、バンクーバー、シドニーとアメリカ合衆国を除く環太平洋の英語圏の都市で9割と、ほぼすべてを占めていること。

10位圏外をみていくと、シンガポール25位、サンフランシスコ30位、ボストン35位、ホノルル 36位、シアトル 44位、ニューヨーク 45位、そして犯罪率が高いロサンゼルスは64位。東アジア圏は、日本が東京 50位、神戸 50位、横浜 55位、大阪 59位、名古屋 64位。韓国・中国圏は、香港71位、ソウル79位、台北84位、上海103位、北京119位となっていて、やはり幸福度調査と似たような順位です。

幸福度調査の考察で私が行った大まかなグループ分け順位と違うのは、自然環境が厳しいせいか中東の国々は相対的に順位が低くなっているのと、南米の国々が犯罪率の高さや交通、環境などのインフラ面からアジア発展途上国並みになっているところ。

その国で生まれ育った人にとってはたいして気にならなくても、駐在員にはこたえるということかもしれません。

以下は、この3調査で入手できたデータを表にまとめたものです。 画像を見る

スイスやコペンハーゲンなど生活の質が高い都市は生活費も高いですが(ヨーロッパでは生活費は駐在員も一般の国民もあまり変わらないと思いますが、シンガポールは前回も書いたように駐在員と国民の生活費はまったく違います)、同じ上位に入っていながらもドイツやオーストリアは、他の北欧諸国やスイスと比べても比較的生活コストは安いです。

最近は随分高くなってしまったとはいえ、カナダやオセアニア2国も物価は北ヨーロッパやアメリカの大都市に比べるとまだまだ生活コストが低く、人種差別も比較的少ないため移民先として人気が高い国。英語圏ながらアジア人など有色人種の人口に占める割合が高く、住み心地が良いようです。

「衣食足りて礼節を知る」ではないですが、いろいろな国を見ていると、まず産業の発展があってある程度社会的なマネーストックができると、社会インフラや文化・教育などへお金が流れていきます。

しかし、そのような社会的資産を維持・発展させていくには継続的に一定の資金が必要になりますので、どの国も知恵を絞ってさらなる産業振興策を考えたり、海外から資本や移民を受け入れたりしながら、自国民の進むべき方向性を探っているのだと思います。

そんな政策や国民の意思決定が正しいかどうかは、この3調査を継続的にみていくことによってある程度検証可能ではないでしょうか。

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