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高プロが「現代の奴隷制」である理由――毎日24時間労働で過労死しても自己責任

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▲高度プロフェッショナル制度は「現代の奴隷制」と告発する伊藤圭一さん

 エキタスが3月17日、「新宿アルタ前大街宣~ #高度プロフェッショナル制度 もやめろ!!~」( #0317アルタ前 )を実施しました。この街宣で、「わたしの仕事8時間プロジェクト」の伊藤圭一さん(全労連雇用・労働法制局長)が訴えました。その訴えの要旨を紹介します。(※訴えの要旨に伊藤さん本人が加筆修正したものです)

 いま森友文書の改ざんなど官邸によって事実がねじ曲げられ、だまされ続けてきたことに対し国民の怒りが沸騰しています。「働き方改革」も同じこと。安倍政権は「労働者のために」と言って、労働者の権利、人間らしい働き方を守るための岩盤とも言うべき労働基準法に大穴を開けようとしています。安倍首相の握るドリルの最先端が、「高度プロフェッショナル制度」です。

 労働基準法の第4章、そこには労働時間についての規制が書かれています。法定労働時間、それをこえて働かせる場合の手続き規定、その際に使用者が支払う時間外、休日、深夜労働の割増賃金、休憩、休日付与などです。高度プロフェッショナル制度は、これら労働時間規制のうち年次有給休暇をのぞく全てを適用除外にしてしまう。そういう労働者を、労働基準法の中で認めるという制度です。

 高度プロフェッショナル制度が適用される労働者は管理職ではありません。社長と対等にモノが言えて交渉できる管理職が対象、などというのではなく、普通の雇用労働者を対象として、時間規制を全部取っ払ってしまうのです。
 
  政府は、「健康確保措置があるから健康被害の懸念は払しょくされている」と説明しています。確かに法案要綱をみると、年間104日・4週4日の休日付与と、選択制の「健康確保措置」が必要とされています。しかし、選択肢の中には、2週間のバカンスとか、労働時間の上限規制もありますが、一番緩いものを選べば、「残業見合いの労働時間が月80時間を超えた場合の健康診断」ですみます。
 
 しかも高プロの場合、裁量労働制とは異なり、労働者に時間的裁量を与えるための規定もありません。裁量労働制の場合は、「労働者の裁量にまかせるのだから、使用者は始業や終業時間の指示をしてはいけない」とされているのですが、高度プロフェッショナル制度には何時から何時まで働けと時間指定してはいけないとも書いていない。したがって、月曜から土曜まで毎日24時間休憩を取らずに連続で働けという命令も違法ではありません(6×24時間=144時間の連続労働が可能になる)。

 4週4日の休日付与要件を満たすため、4週(=28日)から4日連続休日とし、そこから《24日×24時間労働=576時間働き、1日休日をはさんで翌日24時間労働をすれば1か月600時間労働》となりますが、これも違法ではない。これだけ働かせた場合、医師の面談、健康診断をしなければならないという要件がかかりますが、過重労働をさせた後のチェックにすぎません。これで、健康被害のおそれが払拭されたなどと、言えるでしょうか?

 年間でみれば、年末年始・お盆・GW・祝日も働かせて、《365日-104日の休日-5日の有給休暇=256日》、年間256日を毎日24時間働かせて年間6千時間を超えても合法です。これが、割増賃金も何も払わずに可能になる。定額で24時間業務命令を受け付ける労働者を合法化する。つまり、高度プロフェッショナル制度は「現代の奴隷制創設」と言っていいと思います。

 この問題を「わたしの仕事8時間プロジェクト」で厚生労働省に指摘したのですが、厚労省は「そんな働き方をしたら人は生きていけないのであり得ない」と反論しました。しかし、あり得ないほどの労働をさせても違法にならないという法律を労働基準法に書いてしまうというのが高度プロフェッショナル制度の大問題なのです。

 政府の反論はこうです。「そのように『働かせる』などということを、高プロは想定していない。高度専門職で年収が平均の3倍もある人であれば、交渉力は高いはず。強制的に働かされるなどということはない」と。しかし、政府の説明を担保する規定は、法案の中にはありません。労働者に対して交渉力を与える規定などないのです。政府は都合の良い勝手な想定を話しているにすぎません。

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