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憲法9条2項の削除は「いかがなものか」自民党・岸田文雄政調会長が憲法改正を語る

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BLOGOS編集部

自民党の岸田文雄政調会長が9日、都内で行われた内外ニュース主催の講演会で、これまでの歴任した役職の苦労や憲法改正、総裁選への思いを語った。

政府・関係省庁は説明責任を果たせ

国会の方も、正に「政治は一寸先は闇」だ。そういうことを身をもって示しているかのように、次々と新しい動きが出てきます。2月においては厚生労働省も裁量労働制のデータをめぐる混乱がありました。その後、政府としましても裁量労働制の改正につきましては法案から落とすということで対応する。こういったことが明らかになったわけですが、その後、財務省の森友問題の決裁文書をめぐる疑惑が生じて今国会が混乱している。こういった状態です。

いま大切な平成30年度の予算審議を参議院に移して議論が行われている最中ですが、ぜひこういった事態をうけて政府、そして関係省庁においては国民が納得する説明責任をしっかり果たしていかなければいけないと思います。

その点においては与党も野党も立場同じだと思います。しっかりと財務省、厚労省といった省庁には国民に対してわかる説明をしてもらわなければならないと思いますし、それを受けて与党としましてもしっかりと緊張感をもって国会を進めていかなければいけません。

「厄介な政治家相手」の政務調査会長の仕事はいい経験

私は去年の8月まで日本の外務大臣を4年8ヶ月勤めました。戦後48人の外務大臣がいて、長い方から2番目でありました。昭和20年代の吉田茂元総理が5年2ヶ月勤めたのが最長記録ですが、それに続いて4年8ヶ月間、外務大臣を務めました。

その後、自民党の政務調査会長という仕事をしています。政策責任者の仕事です。多くの方々が外務大臣の仕事と政務調査会長の仕事。

「違いがありますか?」「何が違うんですか?」こんなことを聞かれます。

忙しさという点においては外務大臣の時代も含めて93カ国を回り、地球を28周半して、アメリカまで日帰り。0泊三日で世界一周をしたりですね、随分強硬なスケジュールをこなさなければならない日々でした。

時差もあります。また国内にいても、いつ北朝鮮がミサイルを打つかわからない。打った途端、すぐ官邸に駆けつけなければならない。こういった日々が続くわけですから、4年8ヶ月の間、毎日寝る時間も長さも違う。こういった生活を送ってきました。それはそれなりに忙しかったです。

しかし、政務調査会長もどうかと言うことですが、確かに寝る時間とか、寝る長さはだいぶ一定してきたと。そういった意味では健康的な仕事ですが、一方で地方を回らなければならない。あるいは、夜に会合もあったり、スケジュールの過密さを考えますとそんなに違いはないです。

その中で外務大臣の時代と政務調査会長をやっている今と一番違うのは、外務大臣というのは外交官を相手にする仕事です。政務調査会長というのは、基本的に党内の政策をまとめなければいけない。政治家、国会議員を相手にしなければいけない仕事です。この違いは真に大きいものがありまして。

外交官を相手にする場合は、理屈を尽くせば、優秀な外交官の官僚でありますから納得するわけです。そもそも人事権は外務大臣が持っているわけですから、なおさら言うことを聞くわけです。

政務調査会長は国会議員を相手にする。これは理屈だけでは通用しない。下手に理屈をこねると逆にへそを曲げてしまう。国会議員というのはなかなか厄介な人種でありまして、この厄介な国会議員を相手にして仕事をしなければいけない。これを納得させて結論を出さなければいけない。この点が外務大臣と政務調査会長の一番大きな違いなんだと。そんなことを感じながら仕事をしています。

いずれにしましても外務大臣の経験も大変政治家として貴重な経験でありました。まさに墓場まで持っていかなければならない国家機密に日々触れる立場でありました。いい経験になりました。

憲法には「自衛隊」の明記が必要

BLOGOS編集部

今年の政治の課題としては、年明けから盛んに取り上げられていますが、憲法改正の議論。昨年12月の衆議院選挙では私たち自民党が、政見公約で6つの大きな約束の1つに憲法改正を掲げました。

憲法改正の中身ですが、今の憲法の3つの原則。 国民主権と基本的人権の尊重と平和主義。この3つの原則を変えることはいたしません。しかし、その上で4つの項目。1つは国民の命ある暮らしを守る上で大変重要な役割を果たしている「自衛隊」というものを、憲法の中にしっかり明記する必要があるのではないか。

今重要な役割をしている自衛隊。今でも「違憲だ」と「憲法違反だ」と言っている方がおられる。その中において自衛隊というものを明記する必要があるのではないか。これが1つ。

2つ目として、大災害等の緊急事態が発生した時に、政府にどんな権限を与えるのか。どんな対応が必要なのか。緊急事態対応というのが2つ目です。

3つ目として、この国の根幹である教育。教育の無償化、拡充強化。これを憲法の中にどう書き込むか。そして4つ目は、一票の格差に関わる問題ですが、参議院の合区の問題。

この4つの項目についてしっかり議論を行い、そして丁寧に議論を進めることによって国民の理解を得て、そして国民投票に付して憲法改正を実現する。こういった約束を去年おこなったわけです。

是非、丁寧に議論を進めていかなければならないなと思います。憲法改正、4つの項目について自民党の憲法改正推進本部という、総裁直轄の組織で議論を行っています。そこにおいては連日活発な議論が行われています。

1つ目の項目、自衛隊の憲法における明記の問題についても様々な議論が行われています。憲法9条の2項、戦力の不保持という項目についてもこれを残した上で自衛隊を明記するべきだという議論。いや、そもそもそれは論理的に説明するのがなかなか難しい。憲法9条の2項から外した上で堂々と日本の安全保障について考えるべき。こういった意見もあります。

なかなか議論が白熱し、整理に苦労しているといったことであります。私の憲法に関する考え方については、今までも度々申し上げているところですが、私は2015年に行われました平和安全法制の議論の際に外務大臣を務めていました。

平和安全法制の議論は2015年1月から9月までずっと国会でやっています。特別委員会を設置して。毎日でも議論を続ける体制を作って、当時の外務大臣の私と防衛大臣の中谷元氏と委員会に張り付きで合わせて216時間の審議。野党の追及にずっと耐え続けた。

私は平和安全法制の議論は日本にとって大変重要な議論だと思っています。担当大臣として法案を成立させたわけですが、これは日本の外交安全保障にとって大変重要な議論であったと今でも思っています。

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