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森友問題の文書改ざんについて思うこと

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暫く記事を書いていなかったが,世間を騒がす森友問題を見て,やはりこの問題については,霞ヶ関の官僚として勤務していた経験がある以上,私見を発するのが義務ではないかと思うことから,久しぶりに現時点で報道されている内容をベースにブログ記事を書くことで私見を述べたいと思う。

結論から言って,文書改ざんの裏に政治的な圧力があったのは明らかであろう。これはいかに政府が詭弁を並べ立てようと決して否定できない事実である。

私は当初,文書改ざんの報道を聞いた時,本当に驚いた。というのは,文書改ざんの事実もさることながら,書き換え前の文書と書き換え後の文書を見れば,政治的圧力があったのは,十中八九,事実とであろうと,霞ヶ関を知るものの社会通念からすれば,明らかであるためである。

1.そもそも行政文書とは

そもそも行政文書は,既に福田康夫元総理が述べられていたが,民主主義の根幹をなすものとして,公開される可能性があることを前提に,公文書管理法により,各省庁の行政文書管理規程に従い,各省庁の局課室において原本管理されているものである。

各省庁において多少の違いはあるにしても,行政文書にはそれぞれの区分に応じ,保存期間が定められており,その保存期間前に,差し替えたり,書き換えることは決して許されないというのが,官僚の共通認識であると私は思っていた。

実際,省庁の部局及び課室には大量の文書があることから,行政文書が紛失したという事案は起こりえるのであるが,起こった場合は総括文書管理者に報告しなければならない。

この総括文書管理者とは,官房長となっていることがほとんどである。つまり,行政文書が1つでも紛失したような場合には,官房長に対し,報告を挙げるわけである。

官房長とは事務次官に次ぐ地位である。通常の決裁ルートであれば,係員,係長,補佐官,課長,局三役(総務課長,官房審議官,局長)を経て,秘書課長,そして,官房長という流れである。

このような決裁の流れからも明らかなとおり,紛失は一大事であって,行政文書の取扱いは極めて慎重に行われるものである(少なくとも私がいた当時の省庁ではそうであった)。

ところで,各決裁過程で当然修正が入る。

通常は局長決裁を経た時点で浄書し,部局を跨ぐ場合やさらに上の決裁が必要な場合は,その浄書版をもって上に上がるというのが,流れである。

秘書課長や官房長の決裁を受ければ,そこでさらに最終的な浄書版が作成され,それが行政文書として,公開される可能性があることを前提に,行政文書として保存されるわけである。

この決裁こそがまさに,国民の知る権利に資するために,民主主義の根幹のために,全体の奉仕者たる公務員一人一人がその務めとして,日々,霞ヶ関の官僚が行っていることなのである。

したがって,そのような決裁文化の下において,決裁後の行政文書を書き換えたり,改ざんしたりすることは,決してあり得ないことというのが官僚の共通認識である。

この官僚の共通認識,公務員としての当然の常識を破壊したのがまさにこの森友改ざん問題であるといっても過言ではないだろう。

2.政治家や安倍昭恵氏についてをあえて記載した改ざん前文書

そもそも,官僚が行政文書を作成する時,何度も繰り返しいうが,公開される可能性があることを認識して,行政文書を作成している。それは,情報公開法に基づく情報公開請求によりマスキングがされるとしても,原則として行政文書は開示されることが前提となっているためである。

これも,霞ヶ関官僚の当然の常識の1つである。

この常識を前提に,今回の改ざん前の文書に,政治家や安倍昭恵氏のことについて言及が詳しく記載されていたという事実について見てみると,政治の圧力があり,政治に忖度した特例処分であったと考えるのが自然なのである(なお,具体的にどこから圧力があったかまでは判然としないが,少なくとも佐川前局長が一存ですべてを行ったと考えるのは無理があるように思われる。少なくとも,取引が問題になった時点において秘書課長や官房長当たりのレベルの人間には話として入れているのではなかろうか)

感の良い人ならば既に気が付いただろう。

通常,公開を前提としているわけであるから,官僚が行政文書を作成する際には,極力余計な情報は記載しない

特に,政治家や首相夫人なんかの陳情案件であれば,むしろ,政治家の圧力があっておかしな例外的措置をしたと思われたくないという判断が働くはずなのである。

他方で,決裁文書は,組織の意思決定過程を証拠として残すためのものである。

すなわち,後任者などから,なぜこのような判断をしたのかと問題視された時のためにも,どういう判断をどういう基準に基づき行ったのかを示すため,いわば,自分を守るための証拠なのである。

にもかかわらず,今回は政治家や安倍昭恵氏の言動等が事細かに決裁文書の一部として記載されていたわけである。

つまり,私からすれば,当該決裁文書の作成時においては,財務官僚たちは,あえて,当該土地取引については,政治家の影響があり,判断が通常ではない例外的措置であることを残そうとしたと思えて仕方ないのである。

もし,この土地取引が通常のもので,政治的圧力とは無関係のものであったのであれば,政治家に関する記載は普通は決裁段階で記載しなかったはずである。

なぜならば,情報公開請求により,開示となった場合黒くマスキングされ,何が書かれていたのか当然問題になるし,不要な記載であれば,そもそも決裁段階で記載しなければ良いだけの話だからである。

しかしながら,決裁時には,それが記載されていたということは,余計な記載ではなかったということだろう

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