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- 2012年01月04日 17:49
2012年の経済・マーケットを考える(3)〜資金循環
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2012年の各国地域の資金循環について、各地域別で考えていきたい。基本的に先進国においては、貸出は低調であり、国債選好が続くものと思われる。
■米国~預金選好・国債選好が続くか?
米国の資金循環については2011年とそれ程大きく変わることはないと思われる。
・家計部門は引き続きバランスシート修復のために貯蓄を最優先に考える、消費者信用の回復は緩やか
・銀行部門は民間への貸出を活発化させるものの、依然として緩やかな回復でしかなく、国債選好が続く
・企業部門は潤沢なキャッシュを背景に資金需要は高くないが、投資拡大の動きがキー
家計部門はバランスシート調整の最中であり、引き続き所得を貯蓄に回す動きが優先される。この動きは住宅価格が下落し続けるうちは続くものと思われる。消費者信用は回復しているものの、リセッション前の水準に比べれば低いままである。企業部門においては、2009年以降、世界経済の回復により利益が出ているものの、バランスシート強化や投資意欲の後退により預金選好を強めているものと見られる。以下は預金の伸びの推移である(対前年同期比、出所:Fed)。
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銀行部門については、貸出は2010年3月に前年比-9.1%にまで落ち込んだあと、回復基調となっている。しかし、回復のペースは鈍く、2011年11月時点では前年比1%台後半の伸びに留まっている。この結果、預貸のバランス(総貯蓄/商業銀行のローン・リース総額)は悪化してきており、2011年9月には114.3%と過去最低水準にまで低下してきている。以下は米国銀行の預貸のバランス(総貯蓄/商業銀行のローン・リース総額)の推移である(出所:Fed)。
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銀行のアセットについては、不況期ということもありローン・リースの比率が低下してきている。景気回復に伴って、商工用ローン及び消費者ローンは緩やかに回復してきているものの、モーゲージローンは減少しており、歯止めがかかる状況ではない。一方で米国債の投資は増加基調にある。以下は米国商業銀行のローン内訳(割合、出所:Fed)
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2012年においても、預金選好は引き続き強く、貸出は緩やかな回復でしかないものと思われる。そして銀行のアセットにおいては、保守的な運用が必要とされることや、貸出先が限定されることなどから、資金逃避先として米国債が引き続き選好されるものと思われる。しかし、イールドカーブがフラットニングしている環境下においては、貸出及び投資運用において、利鞘を確保することが容易ではなく、収益面で厳しいものとなろう。また、仮に欧州の金融市場の不安が米国に飛び火し、ファンディング金利に上昇バイアスが掛かるような状況では、預金を持たない金融機関の資金調達チャネルも限られてくることが懸念される。
■米国~預金選好・国債選好が続くか?
米国の資金循環については2011年とそれ程大きく変わることはないと思われる。
・家計部門は引き続きバランスシート修復のために貯蓄を最優先に考える、消費者信用の回復は緩やか
・銀行部門は民間への貸出を活発化させるものの、依然として緩やかな回復でしかなく、国債選好が続く
・企業部門は潤沢なキャッシュを背景に資金需要は高くないが、投資拡大の動きがキー
家計部門はバランスシート調整の最中であり、引き続き所得を貯蓄に回す動きが優先される。この動きは住宅価格が下落し続けるうちは続くものと思われる。消費者信用は回復しているものの、リセッション前の水準に比べれば低いままである。企業部門においては、2009年以降、世界経済の回復により利益が出ているものの、バランスシート強化や投資意欲の後退により預金選好を強めているものと見られる。以下は預金の伸びの推移である(対前年同期比、出所:Fed)。
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銀行部門については、貸出は2010年3月に前年比-9.1%にまで落ち込んだあと、回復基調となっている。しかし、回復のペースは鈍く、2011年11月時点では前年比1%台後半の伸びに留まっている。この結果、預貸のバランス(総貯蓄/商業銀行のローン・リース総額)は悪化してきており、2011年9月には114.3%と過去最低水準にまで低下してきている。以下は米国銀行の預貸のバランス(総貯蓄/商業銀行のローン・リース総額)の推移である(出所:Fed)。
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銀行のアセットについては、不況期ということもありローン・リースの比率が低下してきている。景気回復に伴って、商工用ローン及び消費者ローンは緩やかに回復してきているものの、モーゲージローンは減少しており、歯止めがかかる状況ではない。一方で米国債の投資は増加基調にある。以下は米国商業銀行のローン内訳(割合、出所:Fed)
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2012年においても、預金選好は引き続き強く、貸出は緩やかな回復でしかないものと思われる。そして銀行のアセットにおいては、保守的な運用が必要とされることや、貸出先が限定されることなどから、資金逃避先として米国債が引き続き選好されるものと思われる。しかし、イールドカーブがフラットニングしている環境下においては、貸出及び投資運用において、利鞘を確保することが容易ではなく、収益面で厳しいものとなろう。また、仮に欧州の金融市場の不安が米国に飛び火し、ファンディング金利に上昇バイアスが掛かるような状況では、預金を持たない金融機関の資金調達チャネルも限られてくることが懸念される。



