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統一コリア機運が世界中に広がれば反対する者は悪者になる

【金与正氏と握手する文在寅大統領 YONHAP NEWS/AFLO】

 韓国と北朝鮮の接近が急加速している。韓国の文在寅大統領は平壌での首脳会談に乗り気で、事態は想像を超えて急展開する可能性がある。先に見えるのは、核保有国・統一コリアの姿だ。拓殖大学特任教授の武貞秀士氏が警告する。

 * * *
 南北統一の最大の脅威は、統一コリアが核保有国となることだ。北朝鮮が核・ミサイルを開発するのは、多くの識者が指摘するような体制維持のためではなく、米軍介入を阻止して統一するためだ。だから彼らは統一まで核を放棄しないし、統一後も日米両国からの防衛を根拠に核は捨てないだろう。

 実際に核を持った統一コリアが実現するかどうかは米国の出方次第だ。

 北朝鮮が急ピッチで核・ミサイルの開発を進め、米本土まで届く核兵器を完成すれば、「米国第一」を唱えるトランプ大統領は米朝交渉に応じるだろう。その間に南北対話が進めば、米国内で核兵器を持ったままの北朝鮮と国交樹立する議論が浮上するだろう。

 すでに米国の識者から「核容認論」が噴出している。強硬なペンス副大統領も平昌訪問後、「対話の可能性はオープン」と発言している。

 平昌五輪で南北合同チームの実現を後押ししたIOC内に「合同チームをノーベル平和賞候補に」との声がでてきた。バッハ会長は五輪後に訪朝する予定だ。

 ひとたび南北統一の機運が世界中に広がると、反対するものは悪者になる。核を持ったまま統一コリアが誕生すれば歴史的、地政学的につながりの深い中国と友好関係を結ぶだろう。そのとき日本の安全保障上の条件は大きく転換することになる。

●たけさだ・ひでし/1949年兵庫県生まれ。慶應義塾大学大学院修了後、防衛省防衛研究所に教官として36年間勤務。その間、米スタンフォード大学、ジョージワシントン大学客員研究員、韓国中央大学客員教授等を歴任。2011年、防衛省を退職後、韓国延世大学教授等を経て現職。著書に『東アジア動乱』(角川oneテーマ21)、『なぜ韓国外交は日本に敗れたのか』(PHP新書)などがある。

※SAPIO2018年3・4月号

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