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日経優秀製品・サービス賞に見る”価値づくり”経営

おはようございます!

いよいよお正月の三が日も終わり、”2012年の日常”の幕開け。 本日からお仕事スタートの方も多いはず。 この3日間でしっかり向き合ったはずの2012年の目標を胸に、素敵な一日にしたいですね!

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そして日常が戻ってきたと同時に、日経新聞の記事では 「2012年のトレンド予想」や「2011年の日経優秀製品・サービス賞の発表」がちらほら。 私たち消費者の嗜好はどのように変化すると推測されているのか? 今朝の日経は、かなり読み応えのあるものでした。

ちなみにこの「日経優秀製品・サービス賞」は、 一年を通して日経新聞などに掲載された新製品やサービスを評価し、 ”最優秀賞”として16品を選出。2011年で30周年を迎えたそう。 今年も、日本の高い技術力を世界に示す製品やサービスが高い評価を得ましたが、 特に環境対応や安全性などを大きく進化させた製品や、 東日本大震災の危機に迅速に対応したサービスなどが注目されました。

言うまでもありませんが、 「人にウケている」ということは、マーケティングが成功しているということ。 私の尊敬しているセオドア・レビット教授は、 「販売」と「マーケティング」の違いについて
「販売」とは、すでにあるものを顧客に勧めることだが、 「マーケティング」とは顧客の望むものを望む場所、タイミング、形態、価格で用意することを指す
と、まとめていました。

T.レビット マーケティング論/セオドア・レビット
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とはいいながら、今回の日本経済新聞賞では、 「小さくても高性能」「ハイブリッド並みの燃費」「世界一の計算速度」など 日本の技術力が大きく評価されているような結果に見えました。 顧客とその需要から始まった提案というよりは、 特許や原材料、販売スキルに大きく頼った製品に見えてしまうのは 「ものづくり」という日本が得意とするスキルばかりに注力していて、 その技術がどのような価値を生んでいるのか?という 「価値づくり」をないがしろにしてしまっているように感じるからなのかも知れません。

日本経済新聞賞には、最優秀賞として、 アンドロイドを搭載したNTTドコモのスマートフォンもランクインしていましたが、 「お財布ケータイ」など日本独自の機能を積極的に盛り込んだ機種が AppleのiPhoneに圧倒されていたのは事実。

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独自の機能以上に、デザイン性など別の付加価値を重視した Apple製品が日本で大きな支持を得ている今、 技術先行な「ものづくり」から、視点を変えていく必要があるのではないでしょうか。

価値づくり経営の論理―日本製造業の生きる道/延岡 健太郎
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”さらば、儲からないものづくり”というキャッチフレーズが印象的な一冊。 私の師匠である川上先生にお勧めいただいて、読み始めました。 著者の延岡教授は、長年にわたり日本の製造企業が抱えている最大の問題は、 ものづくりは得意でも、それを高い業績に結び付けることができないことだと指摘しています。
元来、ものづくりとは、価値を創るためのものである。日本の製造業はその基本がおろそかになっている。価値づくりが目的なのだから、「ものづくりをいかに価値づくりに結び付けるか」という問題設定よりも、 「価値づくりのために、ものづくりをどう活用するか」という方が正しいアプローチだろう。価値づくりができなければ、企業は技術投資をする余裕もなくなり、ものづくりを続けることはできない。 日本の優れたものづくりを鍛え続けるためにも、価値づくりが必要なのだ。
高い技術力により、高い価値が創出されているか? ・・・といえば、そうでもなく、「ものづくり」と「価値づくり」に 相乗効果が生まれなくなっているのが今。
しかしそもそも、なぜものづくりと価値づくりが乖離してしまうのか? 延岡教授は、以下の関係を企業が認識できていないからだと考えています。
 

価値づくり=

ものづくり+競合状況+顧客価値基準

つまり、価値づくりを実現するためには、 ものづくりの技術的な部分だけではなく、その企業の外部にある、 「顧客(顧客価値)」「競合企業(独自性)」との3つの要素を 検討する必要があるということ。 経営学に「オーバーシューティング(過剰満足)」という言葉がある通り、 いくらコストをかけて商品機能を上げたり、差別化を行ったりしても、 そもそも顧客がそれに対して大きな対価を支払いたいと思っていない状況が 世の中には当たり前に起こっているんですよね。 つまり、企業の内部資源である技術本位では、お客さんを置いてけぼりにしてしまう。
価値づくりをすること、つまり付加価値を創出することこそが社会貢献だという点が、日本では軽視されがちである。 付加価値から分配されるのは企業の利益だけではない。 福祉や教育を支える財源も、災害復興の財源も雇用も研究開発も すべてが企業の作り出す付加価値から賄われることを再確認すべきだろう。
価値づくりができないからこそ、頻出する「低価格競争」。 価格を下げるために価値を下げるのではなく、 ものやサービスの価値を上げるために価格を上げるくらいの視点がなければ、 せっかくの日本の技術が世界に埋没してしまいますよね。 本日の記事では、「ものづくり」という製品志向なテーマとして取り上げましたが、 こういった新しい視点は、私たち個人の価値提案にも役立つものだと考えています。

いくらコストをかけて、”自分”の商品機能を上げたり、差別化を行ったりしても、 ”企業”がそれに対して大きな対価を払いたいたいと思っていない状況がある。 ”自分の相手となるお客さん”を別のものに置き換えて考えれば、 これは就職活動でも同じことが言えるのではないでしょうか。 技術などスキル先行の視点から、 高い独自性と新の顧客価値が備わった価値づくりへ。

新たな価値提案を追求するためにも、まだまだ勉強の必要がありそうです。 最後まで読んでいただき有難うございました。 いつも応援ありがとうございます!

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