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「会社さん」は存在しない。変えるべきはそこにいる同じ人間──副業と会社についてサイボウズ青野社長と考えた

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普段、納得のいかないことがあっても、つい「カイシャの言うことを聞かないといけない」と思ってしまいがち。でも、そもそも「カイシャ」って何なのだろう。私たちは、カイシャとどう向き合えば、幸せに働くことができるのだろう。

サイボウズ代表取締役社長の青野慶久が3月1日に出版した『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』(PHP研究所)。この出版を記念し、サイボウズ本社で2月13日、本書のテーマである「カイシャ」についてのディスカッションイベントを開催しました。

僕らはカイシャとの付き合い方を間違えているのかもしれない

野村 本日はみなさんと一緒に、新しいカイシャの概念を考えていきたいと思います。ファシリテーターの野村です。よろしくお願いします。

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野村 恭彦(のむら・たかひこ)。博士(工学)。慶應義塾大学大学院 理工学研究科 開放環境科学専攻 後期博士課程修了。富士ゼロックス株式会社にて同社の「ドキュメントからナレッジへ」の事業変革ビジョンづくりを経て、2000年に新規ナレッジサービス事業KDIを自ら立ち上げ、シニアマネジャーとして12年にわたりリード。2012年6月、企業、行政、NPOを横断する社会イノベーションをけん引するため、株式会社フューチャーセッションズを立ち上げる。著書に『フューチャーセンターをつくろう』『サラサラの組織』など。

野村 青野さんは今回「カイシャ」というテーマで本を出版するんですよね。

青野 そうです。今回この本を書きたいと思ったきっかけのひとつに、サイボウズの副社長であり、サイボウズUS社長でもある山田理(おさむ)がよく話す言葉があります。

何か意思決定をしようとするとき、つい「会社のためになる」とか「会社にとって」という表現をしてしまうけど、「会社さんはおらへんねん」と彼は言うんです。

野村 私たちは無意識に会社を擬人化して、人格を持たせてしまっていると。

青野 はい。。たとえば、このオフィスは「サイボウズ」じゃないし、当然「サイボウズ」という人もいない。サイボウズという会社はあくまで法人であって、バーチャルな存在なんです。

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青野慶久(あおの・よしひさ)。サイボウズ代表取締役社長。1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立した。2005年4月には代表取締役社長に就任(現任)。社内のワークスタイル変革を推進し、離職率を6分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得している。著書に『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社)『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』(PHP研究所)など。

青野 会社って、人が楽しく効率よく働いていくための仕組みとして生まれたはず。それなのに、幸せになるどころか会社のために死ぬ人までいる。これはおかしい。

それを考えるきっかけになればと思ったのが出版の原点です。この場でも「新しいカイシャ」について、いろいろな意見を交わせればと思います。

突き詰めれば家事と仕事の両立も「複業」

野村 今回のテーマのひとつが「フクギョウ」です。サイボウズでは「副業」ではなく「複業」を使っているんですよね。

青野 はい。サブという意味ではなく、パラレルキャリアを持つという意味も込めています。正直、最初は「複業を許可したら会社へのコミット度が下がるのでは」と思っていました。

ただ、よくよく考えてみると、私も家事育児を家でやっていますし、広い意味では実はみんな複業をしているぞ、と気づいたんですね。

野村 特別なことではなく、誰もがしているものだと。

青野 「何のために制限しているんだろう」と思って、解禁してみた。そうしたら、おもしろい。いろんな人がいろんな場所で活動するから、そこで新しいノウハウを身につけてくるんですよ。

野村 プラスに働いたんですね。

青野 たとえば、今日会場に来ている中には、サイボウズで営業をしながらユーチューバーとして活動している社員がいます。営業マンでありながら、動画マーケティングの知識も身につけているのはとてもおもしろい。

野村 事前にお話を聞いたところ、今回の参加者の方々の中にも複業をしている方も多いようですね。

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円の中心にいる5人が発言し、「話したい」という人とどんどん席を交代していく「フィッシュボウル」形式でトークセッションを行いました。

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