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三菱自動車の新型SUV「エクリプスクロス」の“重責”

三菱自動車は1日、コンパクトSUVの新型車「エクリプスクロス」の発売を発表しました。2014年発売の「eKスペース」以来、じつに4年ぶりの新型車です。

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※三菱自動車の新型SUV「エクリプスクロス」と代表取締役CEOの益子修氏

「エクリプスクロス」は、三菱自動車が磨き上げてきた4WDの走りとクーペスタイルが特徴。独自の車両運動統合制御システム「S-AWC」を採用して走行性能を高めています。

新車発表の会場には、特別に発色層の重ね塗りを施したとされる「レッドダイヤモンド」の新車が展示されていました。内装は、ボディカラーの赤が映える黒を基調にしています。

しかし、輝かしい真っ赤なボディカラーとは裏腹に、「エクリプスクロス」が発売にこぎつけるまでには、厳しい現実と苦渋に満ちた決断があったんですね。

三菱自動車の燃費不正問題が発覚したのは、2016年4月。同年10月には、日産が筆頭株主になり、カルロス・ゴーン氏が三菱自動車の会長に就任しました。

「再発防止に向けて、いったんは立ち止まる一方で、将来に向けて開発の手を緩めてはいけないと、前に向かって進むことも求められました」
三菱自動車代表取締役CEOの益子修氏は、1日の新車発表の席上、過去を振り返って語りました。

ご存じのように、三菱自動車は一時、経営破綻寸前まで追い込まれました。死ぬか生きるかの状況下、新車投入の凍結は当然といえるかもしれません。しかし、新車が出なければ、社員の気持ちは沈みます。また、販売店のショールームに1台も新車が並んでいなければ、販売会社の士気も下がります。

その意味で、4年ぶりの新型車「エクリプスクロス」は、燃費不正問題で傷ついた信頼の早期回復と同時に、社内および販売会社の士気の回復という2つの重責を帯びていると考えていいでしょう。

「この3年間で出てくるクルマは、日産とのアライアンスの前に着手したクルマです。厳しい環境の中で、開発陣が諦めることなく、開発をつづけてきたクルマです。そのクルマがうまく立ち上がることで、開発に携わった多くの社員が少しは自信を取り戻してくれるのではないかという期待もあって、ぜひ成功してほしいという強い思いをもっております」と、2017年10月18日に開かれた「中期経営計画説明会」の席上、益子さんが述べたことが思い出されます。

よく知られるように、三菱自動車の強みは、4WD技術です。過去30年間、パリダカで「パジェロ」が連続優勝を果たし、四輪制御技術搭載の「ランサーエボリューション」がWRCに参戦するなど、実績を積み重ねてきました。

「エクリプスクロス」は、三菱自動車のそうした強み、実績のもとに開発された車なんですね。日産とのアライアンス以前に開発に着手したクルマであることから、三菱自動車らしさを前面に出した車といってもいいでしょう。

もう一つ、「エクリプスクロス」には、大きな期待が託されています。2019年度までの「中期経営計画」の目標達成へのカギとしての役割です。

三菱自動車は、中期経営計画の目標として、販売台数130万台、売上高2.5兆円、営業利益率6%以上を掲げています。

益子さんは、「エクリプスクロス」が「中計」を引っ張ってくれる車の一つであることは間違いないとしたうえで、「特別の愛着がこもったクルマだ」と語りました。

「エクリプスクロス」は現在、愛知県の岡崎製作所で生産されています。17年10月に欧州、11月に豪州・ニュージーランド、アセアン地域、18年1月に北米に向けて出荷を開始、最終的には世界80か国で展開するグローバル戦略車に位置づけられています。

現在は、ガソリンエンジン車だけですが、18年度中に欧州向けにディーゼルエンジンを追加するほか、PHV(プラグインハイブリッド)を投入する方針が明らかにされています。「PHVをできるだけ早い時期に出していきたい」と、益子さんは述べました。

北米では「エクリプスクロス」のPHEVが投入される計画のほか、中国では「エクリプスクロス」の現地生産も視野に入っています。

失った市場シェアを取り戻し、100万台前後で推移してきたグローバル販売台数を、130万台に増やすためにも、「エクリプスクロス」をはじめとする新型車の成功が不可欠なのはいうまでもありません。

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