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2011年の総括と今後の投資などについて・・・

中国株の2011年を振り返ると言うか、今までとこれからの投資についておさらいしてみる。

ざっくりとだが、1990年辺りから20年続いた中国の高度経済成長期は2008年リーマンショックをきっかけにしてその終焉を迎えたと言って良いと思う(リーマンが無くても遅かれ早かれ迎えていた)もちろん国の経済成長は止まらないが、どんなに効率の悪い国有企業でもどんなバカ経営者でも会社を作れば儲かったような時代は過ぎ去ったという事。また同時に、不動産を買えば100%儲かるといった時代も終わりを迎えている。

この20年間、中国の経済成長の恩恵を最も受けたのが2002年~2007年の中国株投資だったと思う。難しい事など一切いらず、ど本命株をただ保有しているだけで何倍何十倍に資産が増えた5年間だった。万科企業や上海振華などがその象徴的な株であり、その他にも素材系国有H株など国の爆食的成長の下、儲けたくなくとも儲かる企業に適当に投資しているだけで十分儲かった

。 そこでは変な専門的株知識が邪魔になった。多分、投資知識が豊富な人ほどあの時代の中国リスクに尻込みしただろうし、株の売買テクニックに長けた人や企業分析などが良くできる人ほど上がらない小型株に手を出し市場全体の恩恵を受けてはいない。

多分それは、例えば今のベトナムやモンゴル市場において、時代の先端を行くような目新しい企業を必死に探して、あーだこーだと売り買いしているのと同じ行為だったのだろう。

自分などはたまたま中国に実投資していたおかげで中国しか知らないし、中国しか見えていなかったから大変良かったと思っている。
振り返ってみると、基本的にここまでの20年は世界の工場として世界中から掻き集めたお金を国内のインフラ投資(固定資産投資)にばら撒いた20年だった。ある意味空から札束を撒いているのと同じだから、末端までそれなりの恩恵を受けていた訳だ。中国株で儲かった人もその恩恵を受けたという事になる。

そんな”中国全体が儲かっている時代”から今中国がどのように変化し、またこの先どのように変化していくのだろうか?爆食的成長期の中国と今の中国、具体的どこがどう変わってしまったか?

私が思うに5年前と今、二つの大きな変化があると思う。一つは、これまでのような投資主体の経済成長に限界が来た事。つまり、いくら国が金をばら撒いてもそれによって発生するマイナス要因がプラス要因を上回ってしまうようになった。具体的には、インフレ・汚職・貧富の拡大・環境破壊などである。

もう一つは競争の激化。これは中国国内企業だけでなく、外国企業も入り乱れての市場シェア争いとなっている。競争が激しくなった理由として一番大きいのは国民所得の向上である。今までは性能に関わらず、テレビでも洗濯機でも携帯電話でも自動車でも国内製品しか買えなかったのが、今は少々高い外国製に十分手が届くようになった。また外国企業も現地生産体制が整って価格面でも十分中国製に太刀打ちできるようになった部分も大きい。

また一応社会主義を貫く中国独自の足枷としては、政府による規制や価格統制なども企業の自由な成長を阻害している一面がある。

そのような今の中国の状況を簡単に言えば、10年前はただ口を開けて空を見上げていれば、勝手に飴玉が口に飛び込んできたのに、今では口を開けている人の数が激増して工夫しなければ飴にありつけなくなってしまったという感じだろうか。

昨年辺りから何度も繰り返しているが、投資する側とすれば、すでに中国株は釘の甘いパチンコ屋じゃなくなったという事である。 また今年に入り、アメリカ上場中国企業のお粗末さから中国企業の信用性や経営者の資質の問題が世界的にクローズアップされ中国株への不信感が大きくなった。

今は欧州問題からの世界景気の二番底懸念から株価が全体に下がっているが、この問題がある程度解決したとしても、中国株が過去のように他の市場をアウトパフォームするのは難しい。

そんな中で今後どのように中国投資と向き合うか?それが自分自身の今年のテーマだったと思う。これについてはメルマガなどで何度も紹介しているので詳細は割愛するが、一言で言えば世界で唯一残された魅力的な成長国である「中国市場」を中国企業への投資だけで狙わない、また中国企業で狙う場合は非常に保守的な戦略を元に銘柄選択した上で売買タイミングを計るというやり方である。

今までは中国企業を通して中国市場へ投資していた訳だが、今は消費関連で香港や日本企業、また石炭や資源輸出でモンゴル企業、また衛星国としての発展を見込みベトナムなどアジア周辺国の投資を増やし、また現在中国の食糧問題などから農産物ETFなどへの投資も考えている。

「中国で儲ける」には変わりは無いが、具体的手段が多少変わった。

中国株投資に限って言えば、今後大きな利益を求めようとするとまず失敗する確率の方が高くなると思う。何故かと言うと、よく分からんポッと出の民間企業が絶対数が少なくなった飴を独占し何年も増益を重ねられる確率は相当低くなっているからである。新しい投資法に「中国株への夢的な投資は控える」とあるが今後は更にこれを意識すべきだと思う。

だから少しづつでも良いから伸びる企業を選択する。例えばチャイナモバイルやトラベルスカイや金蝶のように独占的であるとか、発電設備や医薬品のように絶対に必要な企業とかである。消費系については中国企業ではなく、競争力の高い外国系企業または外国製品を販売している企業などに重点を置く。食糧問題にしても中国企業ではなく農産物そのもの。例えばゴールドでも中国の産金企業は外すみたいなやり方である。これは不要なリスクをとらない為である。

中国株全盛期のように毎年倍になった時代は単なる僥倖として当たり前に理解し、同じ夢をもう一度ではなく時代は変わっていくわけだから、数年先を見据えできる限りラクチンで確実に儲かる方法を取りたいものだ。 そんな事を実際の行動に移した2011年だった。

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