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脱「売り切り」!課金モデルは”継続性”に注目。

おはようございます。いよいよ2011年も終わりに近づいてきましたね!

昨日は田中家の毎年恒例大掃除。朝起きたら、早速こんなものが用意されていて思わず逃げ出したくなりました。(笑)

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無事に家の大掃除が終わったあとは、部屋のがらくたを整理整頓・・・捨てるタイミングを逃していたのは、私が中学時代に集めていたマンガたち。置いておいても読むわけでもないので、意を決して捨てることに。

もうかれこれ10年以上前に購入したものですが、その後は部屋に置かれているだけ。大切にされてはいるものの、購入したときの420円という価格や、その漫画一冊に対する私の価値は変わっていませんでした。

モノを買って、お金のやり取りがあって、THE END.当たり前のことですが、経営学的な視点から見ると、ちょっぴりさびしい。そんな毎日の当たり前の売買に、疑問を感じた企業がありました。

価格設定ミス?販売から半年も経たずに1万円の値下げ

ご紹介したいのは、先日の日経新聞でも紹介されていた、ゲーム機の販売などでお馴染みの任天堂。

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任天堂といえば、今年の7月末、2011年4~6月期の連結営業損益が377億円の赤字だったと発表。原因は、今年春に発売された「ニンテンドー3DS」の売り上げ低迷でした。

売上高は939億円と前年同期比で50%減少・・・ちなみに前年同期は233億円の黒字だったというからいかにこの3DSによる圧迫が大きかったのか?ということが分かりますよね。

3DSを売り込むために投じた広告宣伝費などを3DSの売り上げで回収しきれなかったということが今回の営業赤字の大きな原因。

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そんなわけで任天堂は、国内・海外ともに3DSの希望小売価格を1万円引き下げることを発表しました。

発売から半年も経たないうちにこれほどの大幅な値下げに踏み切るのは異例だったようですが、このニュース、皆さんはどのように受け止めましたか?「任天堂も、ついに終わりか」と感じた方もいるかも知れません。

しかし、任天堂が「どのように顧客から課金していくのか?」という利益モデルという概念を知れば、その不安は払拭されるはず。

戦略の背景を読む「利益モデル」という考え方

ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか/エイドリアン・J・スライウォツキー

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ご存知の方は多いかと思いますが、エイドリアン・スライウォツキーの名著「ザ・プロフィット」。利益はどのようにして生まれてくるのか?という質問の答えには合計23個のパターンしかない!ということを明言し、それらの「利益モデル」を小説のようなタッチで紹介しています。

「顧客ソリューション利益モデル」「製品ピラミッド利益モデル」 「マルチコンポーネント利益モデル」「スイッチボード利益モデル」などなど・・・

様々なにある利益モデルのうち、任天堂が採用しているのは、この書籍の中で「インストール・ベース利益モデル」と呼ばれているもの。

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顧客が喜ぶ価格で本体となる商品を販売し、その商品自体では大きな利益が得られなくても、その後の消耗品(ソフトなど)を購入してもらうことで儲けるという利益モデルでした。

別名、カミソリの刃モデル。

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その昔、使い捨てのカミソリを発明したジレットが、なかなか使い捨てカミソリが売れなかったため、この使い捨てカミソリを無料でばらまき、その結果・・・使い捨てカミソリ本体ではなく、「替え刃」の需要により生き延び、現在の大企業に成長したというお話が有名ですよね。

任天堂の利益モデルの特徴は、まさにそう。ハードウェアを安く売れば、その付属の消耗品の市場が生まれ、そこで利益を上げられる!というもの。

今回の3DS本体の値下げを通して、本体を気軽に購入してもらい、これまで購入しようと思っていなかった人を市場に巻き込んだ上で、ゲームソフトで儲けようという賢い選択であることが分かりました。

脱!「売り切り」を徹底。次なる新戦略は?

ここまではフツーのお話。実は、任天堂の戦略は、これで終わりではありません。

つい先日の日経新聞の記事で、任天堂は3DS向けソフトの販売で、【追加課金型】を導入することを発表。つまり、購入したソフトで遊び終えた利用者が、追加ゲームをWEB上でダウンロードできるようになるというもの。

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任天堂は、ゲームのファンたちから課金できるポイントが、まだまだこの先に沢山あるということを、今話題のソーシャルゲームなどから学んでいたようです。

追加ゲームの料金は一回数百円ほどですが、自分たちの開発するゲームに熱心なファンがいることを知っていた任天堂は、少しでも長く遊びたいという潜在的ニーズに注目していました。

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ソフトの売り切りが当たり前だったゲームソフトの販売戦略は、任天堂を筆頭に、今後どんどん戦略が見直されていくことに・・・

ソーシャルゲームに押され気味な携帯型ゲーム市場ですが、GREEやモバゲーなどとは、ゲームを始める際の料金も、その後の課金の対象も、課金の方法も違うため、全く違う価値提供も可能なはずですよね。・・・ん!?なんかこれ、どこかで見たことある・・・!?

「利益モデル」から「利益インデックス」へ

今回の記事を読んでいて、ピンとくるところがありました。

ビジネスモデルのグランドデザイン―顧客価値と利益の共創/川上 昌直

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私の師匠の著書であり、ビジネスモデルをどのような手順で、どのようにデザインしていくのか?ということが体系的にまとめられている一冊です。

実はこの書籍の第7章「必要利益を生むためのデザイン」で、利益創出における体系的意思決定というテーマで【利益インデックス】という概念が紹介されていました。

これがまさに!今回の任天堂の課金モデルの話にぴったり当てはまるフレームワークだったんです。

一体どういうことか?本書から、ちょっぴり引用させていただきますね。(内容は一部、補足しています)

利益創出のWho-What-How

利益インデックスにおける「誰に」は、必要利益をとる顧客の幅を「単一」種類の顧客なのか、それとも「顧客ミックス」にするのかの意思決定を表している。

次に「何を」は、必要利益をとるサービス(製品を含む)の幅を、「単一」種類のサービスとするのか、それとも「サービス・ミックス」を用いるのかの意思決定である。

さらに「どのように」は、「一時点(場)」で必要利益を獲得するのか、それとも「継続的」取引によって必要利益を獲得するのか、に関する意思決定である。(①一時点での組み合わせの「場」による利益の獲得  ②製品やサービスを時間軸上に分布させた、「継続的」取引による利益の獲得)

このように見てくると、Who-What-Howのそれぞれが2つの選択肢を持つため、利益を生むロジックは最大8つで説明できる。

つまり、夢のような価値提案でしっかり利益を得ようとする際には、Who-What-Howそれぞれのポイントにおいて、それぞれの意思決定をする必要があるということ。たとえば、これまでの任天堂の利益インデックスは、

  • Who: 顧客から
  • What: ゲーム機のソフトを
  • How; 一時点の販売によって

というものでしたが、今後は・・・?

  • Who: 熱心なプレーヤーから
  • What: お気に入りゲームの追加を
  • How: 継続的な取引によって

実現していくかたちになっていくのではないか?ということ。

この【利益インデックス】という考え方、簡潔にスパっと整理されるフレームワークで、単純明快!

製品の差別化から、課金ポイントの差別化へ?

こんな風に、話題の経営戦略を「課金」というポイントから見てみると、戦略の背景にある様々な工夫を見つけられますよね。

例えば別の業界でも、任天堂と同じような利益インデックスで課金を行うことだって出来るわけだし、逆に、全く違う業界の利益インデックスをゲーム業界のように競争の激しい市場に取り込むことで他社とは競合しないサービス形態を生むこともできるはず。

うーん、利益インデックス。奥深し。

小売りは「売買;モノとお金の交換」という印象が強いですが、ひとたび”価値”に注目してみれば、価格とは全く違う尺度があることが分かるし、それに対して顧客が「払いたい」と思うポイントがあることにも気付きます。

本日は「利益モデル」「利益インデックス」という理論についてご紹介させていただきました!

また気になるケースに当てはめながら、解説させていただきますね。どうぞお楽しみに・・・!♪

長くなりましたが、最後まで読んでいただき有難うございました。

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