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不況期こそ自己投資

だいぶご無沙汰してしまいました。

10月以降、仕事と大学院の両立で毎日ギリギリの生活が続き、ブログどころか新聞すら読めない日が続いておりました。一昨日、大学院の年内最後の課題を提出し、昨日は子供達を鉄道博物館に連れていって精いっぱい今年の罪滅ぼしをし、仕事、大学院、家族とようやく一息つくことができる状況になりました。
社会人になって14年、職場でもすっかり「中堅」となってしまい、この年になって「学生証」を持つのはかなり抵抗もありました。ただ読者の皆さんの参考にもなるかもしれないと思い、社会人大学院に行ってみて良かったことをいくつか列挙します。

時間と仕事の質に対する意識の大幅な変化

週末、通勤時間、出張時の移動時間などほぼ全てが課題の作成や論文の読み込みなどに追われ、一分一秒が貴重というような状況が続くと、仕事の方も単純に「生産性を高める」だけではまったく追いつかなくなり、「どれを残して、どれを切るか」という選択を迫られることになります。その結果、この秋からは売上貢献の面で大幅に仕事の評価が下がるのを覚悟で、エンドレスでの時間対応が必要な大がかりなプロジェクトものは全て断って他の同僚に任せ、個人でのスケジュール調整で対応が可能な新規事業開発・セミナー講師・リピート顧客の経営顧問等の業務に特化しました(つまり他人への代替が不可で、属人的要素の強い業務のみに集中しました)。
その結果、一部の既存のお客様に不義理となってしまったことは本当に申し訳ないところですが、同時にこれまでまったく接点のなかったお客様と全く新しい仕事、サービスを展開する機会をいくつか得ることができました。来年以降、大学院の期末試験が終わった頃には、全力でこちらに注力できそうな土台ができつつあるのは、まさに「ヒョウタンからコマ」で思わぬ収穫でした。

新たな仲間との出会いと視野の拡大

10月以降だけでも、あまりの忙しさに本当に逃亡したくなってしまうような気持ちに2回ほど陥りました。そんな極限状況の中でなんとかここまで来れたのは、家族・親族の理解や協力がもちろん一番大きいですが、次に来るのはなんといっても同じ境遇にある仲間の存在でした。文系出身の私はクラスの中で劣等生になることも多いのですが、会計やM&Aの実務面でクラス貢献をすることで、理工系の皆さんから「私の知らない世界」の知識について、多くのことを教えていただきました。「独力ではまったく手が出ない宿題」が頻繁に出るのには本当に辟易しましたが、彼らがいなかったらそもそもここまで来れていません。この年になって、「何の利害損得関係もない他業界の友人」を何人も得られたのは大きな収穫であり、刺激となりました。
また、プログラムの中で実務界で活躍する様々なゲストスピーカーから聞ける話からも多大な刺激を受けています。多くの方が「リスクはとってマネージすべきもので、リスクそのものをとらないことは大きなリスクだ」といった趣旨の話をするので、だいぶ洗脳されております。極端な方は「社歴の古い大企業で働いている方は上の世代に貢ぐだけで人生が終わりますよ!あなたは日本国債と年金の穴埋めのためにこれからの人生を捧げるつもりですか?」と煽ったりしていました。もちろん実業界で成功されている方が話すので「生き残りのバイアス」が存分にかかっているところは割り引かないといけませんが、毎回自分も「行動しなければ」という気にさせられます。

実務でやってきたことの理論的裏付の底上げ

M&Aの実務などを5年近くこなしてきたことで、会計やコーポレートファイナンスの分野に関してはそれなりにわかっているつもりでした。ところがこの学校で学んだことでファイナンス系の私の知識はかなり怪しいものであったことが判明しました。例えば、企業価値評価実務でよく使うCAPM一つとっても、実証分析研究では、その株価説明力がかなり低いことが様々な論文で示されており、多くのマルチファクターのモデルが提案されていることなども、恥ずかしながら初めて知りました。こういった背景を知っていて顧客に説明するのとそうでないのとでは今後実務をやっていく上でも大きな違いが出てきそうな気がします。
それから、統計関連の講義を3コマもとって、みっちりやらされていることでようやく「データ分析の何たるか」が見えてきたことも大きいです。修士論文では定量分析が必須なので、ここからもう一段スキルの底上げが必要ではありますが、これは実務でも必ず役に立ちそうな内容ではあります。

全般的に想定していたよりもカリキュラムがアカデミック過ぎるのと、学生の出身業界がメガバンク系に偏っているのは、実務家の私からするとやや不満な点ではあります。そこで来年は、「学んだことをどうキャッシュ・フローに転換するか」、「いかに人脈を広げるか」に個人的にはもっとこだわって修士論文にも取り組みたいと思っています。

不況期には、業務量も給料も減り、多くの中堅社会人にとって現場を離れる「機会コスト」は低減しているのではないでしょうか。家族の理解が大前提ではありますが、特に現場実務にある程度精通し、会社に我がままを言えるくらいの「のれん」を積んだ30代の方こそ、夜間大学院を考えてみるというのもキャリア開発の選択肢としてありだと思います。もちろん「費用対効果」にこだわると、やはり一定レベル以上、できれば国公立が無難かとは思います。ただ、学部入試と違って、社会人大学院は「職歴がきちんとあって、目的が明確な方」にとっては、入るのは易しいですから、一念発起して「修行」するのも悪くないかもしれません。

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