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  • Dain
  • 2010年07月09日 00:39

小説の読み方指南=「フランケンシュタイン」+「批評理論入門」

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 得るものもある一方で、鼻につくトコも目立つ。批評理論を紹介する宿命なのかもしれないが、それぞれの理論にガチガチの硬直的な読みしかできない。フロイト的解釈やフェミニズム批評などは、ほとんどこじつけとしかいいようのない強引な論理展開なのに、批判もされず並列されている(どの立場を支持するか、ではなく、その立場がロジカルに説得力を持っているかという点で論外なの)。

 本書は小説を読む際の、「お作法」として見るならば、メリットは大だろう。小説読みの「型」を身につけるための教則本にするのだ。そして、いったん「型」を身につけたら、そいつを破ってみればいい(かたやぶり、というやつ)。この「かたやぶり」が一切なく、まるで自分を消してしまっているかのような読み方は、「楽しい?それ」と言いたくなる。技法を探求し、理論に厳密な読みを追求する余り、これっぽっちも楽しそうに見えない。

 ある小説をどう読むかは、ある食材をどう料理するかに似ている。もちろん、道具やレシピはひととおりマスターする必要はある。しかし、その先は自分の好きに料理すればよいかと。つまり、自分の創造的読みに任せるのだ。本書を読んでいると、慣れていない道具(小説技法)や調理法(批評理論)で作った料理を食わされているような気がしてくる。ネタとしか思えない一品が出されると、ゲンナリしてくる。

 その後で、冒頭の石原千秋「未来形の読書術」や平野啓一郎「本の読み方」に戻るのだ。型を身につけ、型破りをした「読み」を堪能できる(それぞれ、上手い料理に仕上げているが、美味いかどうかはまた別の話)。そういうトレーニングをせずに、我流に頼るのは危ない。設定やスジだけ押さえて「読んだ」としてしまったり、言葉のイメージだけ膨らませて事足れりとするヘンテコ読みになってしまう。「型」がないから、かたなしだね(小鳥遊ではないぞw)。

 だから、我流でヘンな癖をつけてしまったわたし自身に、「批評理論入門」をオススメしたい。鼻につくが、身にもつくから。

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