記事

つれづれ(徒然)に込められた人生観

つれづれなるままに、日暮らし、硯に向かひて、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

言わずと知れた、吉田兼好徒然草」の序段。
「つれづれ」は「することがなく寂しい・退屈」と解釈されることが多く、
有名な序段しか知らないと、なんだか否定的な生き方だな、と思いがち。
そうではない。第75段へ飛んでみよう。

つれづれをわぶる人は、いかなる心ならん。まぎるる方なく、ただひとりあるのみこそよけれ。世に従へば、心、外の塵に奪はれて惑ひやすく、人に交われば、言葉、よその聞きにしたがひて、さながら、心にあらず。・・・いまだ、まことの道を知らずとも、縁を離れて身を閑かにし、事にあづからずして心を安くせんこそ、しばらく楽しぶとも言ひつべけれ。

寂しさや退屈(つれづれ)をもてあます人の気が知れない、と首をかしげ、
世俗に交われば自分を見失ってしまうから、独り心静かに生きることこそ、
いつ終わるとも知れない短い人生を「しばらく楽しぶ」ってことだよ、と説く。

おそらく兼好が「つれづれ」という言葉に込めたかった想いは、
人生とは目的があってそれに向かうことだ、と考えるのは間違い!
多くの人は目的(目標、夢)がなければ生きていけないと嘆き、
目的を持つことを美徳のように考えているが、なんと愚かなことか。

現在を未来の手段に置き換えて、短い人生を無駄にしてはいけない。
視点を定めずふらふらしながらも、目の前のことを精一杯楽しみ、
風になびく竹のようにしなやかに、芯はしっかり生きていこう。

こんなメッセージが込められているように思えたのだった。

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。