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野田佳彦首相は、「武器3原則緩和」を決め、「軍事大国」へのハンドルを大きく切った

◆さすがに、陸上自衛官だった父親を持つ野田佳彦首相である。政権担当以来、このところ「軍事大国」路線をバク進している。

 自民党でさえ踏みきれなかった「武器輸出三原則」を緩和する新基準を12月27決めたのである。読売新聞は12月28日付朝刊「総合面」(2面)で、「武器輸出3原則転換点」「緩和新基準PKO通じ国際貢献広がる」という見出しをつけて、大歓迎している。いわく、「米国をはじめ、豪州や北大西洋条約機構(NATO)加盟国などとの協力は装備面を通じた国際貢献も深まることになる」と喜んでいる。この緩和については、「日米同盟の深化に向け、緩和を目指した野田首相の強い意向も働いた」と述べて、その一方で、「平和の党」を標榜している公明党の山口代表が記者団に語った批判の言葉も紹介している。

「国策として定着してきた3原則をなぜ見直す必要があるのか、議論も説明も全く不十分だ」

確かに、野田佳彦首相は、「熟議の党」であるはずの民主党の性格を一変させている。結論ありきの強引な政治を推し進めているのだ。沼の中で大事なことを決めておいて「有無を言わせず決める」というのが「どじょう政権」の最大の特徴となっている。

◆有無を言わせずと言えば、野田佳彦首相は、12月20日の閣議で陸上自衛隊施設部隊(工兵)の「南スーダンへの派遣」を国会議論も深めず早々と決めている。

 国連からの強い要請を受けての決定とはいえ、極めて危険な派遣である。一川保夫防衛相は、最初の部隊として200人の派遣を命令しており、2012年1月から出動させる。道路などのインフラ整備が目的だが、アフリカ南スーダンはいまだに政情が安定していない。何しろ、20万人の住民が虐殺された地域で、つい最近も、テロ事件が起きている。この紛争が完全に止んでいない地域に、完全武装もせず、しかも、戦車隊などによる護衛もなく軽武装で派遣するとは、人権無視もはなはだしい。いかに戦争のために養成した自衛官といえども、これではかわいそうである。PKOといえば聞こえはいいが、日本国憲法上、自衛隊の海外派遣は憲法違反の疑いが、いまだに拭いきれてはいない。派遣するなら、ちゃんと憲法を改正して、正規軍(陸海空軍)として派遣すべきであろう。いまのやり方は、実に小賢しい。万が一隊員が死亡した場合、「戦死者」として、靖国神社に祀られるのか。遺族への補償金、遺族年金などの手当は完備しているのか?

◆おまけに野田佳彦首相は、次期主力戦闘機としてF35を決めている。ステレス機能を備えた最新鋭機だが、米ロッキード・マーチン社製という外国製である。どうも米国にゴマスリした形跡がある。どうせ「軍事大国」をめざすなら、この際、原子力空母や原子力潜水艦を建造して、ついでに太平洋の半分くらいは日本が防衛の任を担うとか、沖縄は米軍にお引き取り願い日本が守るとか。自主防衛の覚悟を持ち、旧帝国陸海軍を再建する決意を表明すべきである。

沖縄米軍普天間飛行場移設先の辺野古についての環境影響評価書類を深夜、沖縄県庁に密かに届けるなど、姑息なやり方は「武士道」に反する。

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