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- 2011年12月28日 14:15
ライブドア球団がNGだった真相とは 元取締役が語る「球界裏事情」
5/5日本のプロ野球再生のカギは、NPBの組織改革
小口:みなさんからたくさん質問がきていますので、ここから先、質問にドンドンお答えいただきたいと思います。大谷:新規参入失敗のあと広島カープ買収のウワサもありました。他球団買収の考えはなかったのですか?
熊谷:ありました!広島かどうかはいえませんがありました。
小口:やっぱり欲しかった?
熊谷:欲しかったですね。
小口:ソフトバンクの孫さんのように胴上げされてみたかった?
熊谷:胴上げというより、一回たてた目標に関しては、達成できるまでがんばらないといけないじゃないですか。
小島:僕、すごく覚えているのがあって。当時六本木ヒルズのオフィスで、熊谷さんと廊下ですれ違ったんですよ。野球のプロジェクトは残念ながら結果がでずに、僕は別の仕事が始まったんですけど、その時に。「小島さん、またやるかもしれないからね」って言われたんですよ。
須田:今後、新規参入を目指すところがでてきたら、ぜひ考えてもらいたいのが。企業名を冠にするのはやめてくれと。サッカーとかシンプルですっきりしていていいじゃないですか。
小島:1つ日本の野球界の大きな特徴といいますか。どうしてもそうなってしまうというのがあって。昭和29年にできた、国税庁の通達というものがあって。プロ野球の企業に限りなんですけれども。親会社は赤字が出た時の損失の補てんを広告宣伝費でまかなってよしと。全額まかなってよしという税法上の法律が今もあるんです。それが、現行の税法でも反映されてしまってる以上。企業からすると、その法律は使わない手はないですよね。そういうものがある以上、どうしても日本のプロ野球を考えた場合、それは理想論ではね、地域名プラスニックネームですよ。でもそうすると、制度の改革というか法律も含めて変えていかないと。そういうことは1つありますよね。
熊谷:でも、球団が儲かるような仕組みにしないといけないんですよ。やっぱりプロ野球というマーケットを大きくしていこうという人間がいないんで、こうなってるんですよね。
大谷:次の質問いきましょうか。横浜DeNAベイスターズに変わったことで、何か野球界がかわると思いますか?
熊谷:変わらないと思います。それはさっきからちょっといってますけど。NPBっていう組織を変えないといけなくて。NPBよりもオーナー会議のほうが力を持っているという時点でうまくいかないんですよ。自分のことしか考えていませんから。
須田:過去の歴史もそうじゃないですか。かつて映画産業が花形だった時は、映画会社が球団をもったし、一時期は土建屋さんが球団を持った時代もあったんですよ。鉄道会社が持ったっていうのは、鉄道会社が花形だった時代に持ったわけですよ。ですから、その時代、時代によって、どの産業が脚光を浴びていて、中心になっているのか。だから今はやっぱりITの時代っていうことも言えるんじゃないかなと思いますけどね。
熊谷:文化を育てるっていう側面と球団を経営するという2つの側面があって。両方とも誰も推進していこうとしてないから歯がゆいんですよね。文化を育てるっていう意識がNPBにないんで。例えば、Jリーグは、サッカーチーム自体は儲かってないんですけど、オーナー会議ってありませんよね。サッカーはオーナーじゃなくて、サッカー協会のほうが力を持っているんですよ。
小口:サッカー全体のことを考えてくれる組織が力を持っているってことですよね。
熊谷:そうです。だから、そこを変えていかない限り、日本のプロ野球はよくならないんじゃないかなと思ってます。
小島:でもね、アマチュアほうはね、少しずつですけど、その息吹があって。東京都の高校の選抜と東都大学の1・2年生たちが試合をしたんですよ。これ今まで考えられなかったことで。これで高校生たちは「大学になったらこのレベルでやらないと試合でれないんだ」とか、色んなこと憧れるわけですよね。大学生は後輩たちに打たれるわけにはいかないって。そういう世代の差を越えたガチンコの戦いの場がなくて。でもそれがこの前行われて。少しずつ変わりつつはあるんですよね。
大谷:質問です。「当時ライブドアは球団を長期保有する意思があったのでしょうか?それともある程度保有したあと転売も考えていたのでしょうか?」ライブドアの新規参入騒動のあと、制度は変わったんでしたっけ?10年保有しないとっていうのがありましたよね。
熊谷:元々ありました。基本的には10年持たないと、最初に預けた25億円が戻ってこないんですよ。加盟する時に25億円供託しないといけないんですけども。10年以内の間に譲渡すると没収されちゃうんですよね。昔からありました。
小島:負け惜しみじゃなくて。結果的に僕ら参入は叶わなかったけれども。楽天がいま東北でプロ野球チームを作ってくれたじゃないですか。あれは非常に喜ばしいことだし。スポーツの地方拡散が起きてるわけですよ。今まで北海道にチームがなかったのにファイターズがいってくれた。九州にはホークスがある。東北にもできた。それはすごくいいことだし、僕らの仙台にフランチャイズを設けて野球チームを作ろうっていう提案自体は間違ってなかったってことですよね。
須田:いま、その流れになってますよね。かつてはジャイアンツ依存一辺倒だったのが、日本ハムファイターズが北海道行ったりね、楽天が仙台に行ったり。地方でジャイアンツ人気に頼らずに、ファンを開拓して盛り上げていこうという動きになってますよね。だから今パ・リーグのほうが元気あるじゃないですか。
熊谷:それは文化を作ろうって意思があるからだと思うんですよね。
小島:そういうチームの運営してたら、地元のファンは熱くなりますよね。
熊谷:いかに子供たちにプロ野球を直接見させるというのがすごい重要だと思うんですよね。夢を持たせるということで、文化っていうのはできていくと思うんですよ。それが特に巨人はできてないのかなと思います。
日本のプロ野球界に必要なこと「戦力の均衡」
小口:ユーザーアンケートの時間ですけれども、みなさんに今日はこのアンケートをとりたいと思います。「日本のプロ野球界に必要なこと」1戦力の均衡、2収入の平等化、31部・2部制の導入、4今のままでよい大谷:おふた方は、プロ野球界にどんなことが必要だと思いますか?
小島:チームって企業の保有になってるじゃないですか。それが理想かもしれないけど企業の保有から地域の保有に、少しでもいいから流れていってほしいと思いますけどね。
小口:はい、結果がでました。1番が戦力の均衡ですね。
小島:戦力の均衡というのは、それだけではおもしろくなくて。リーグが一体となって、戦力の均衡をして、マネジメントをすると、売り上げ増とかマーケットの拡大につながるんですよね。だけども、今までみたいに12球団各々のチームの経営主体による戦力の均衡はあまりかわらないんですよね。ちゃんとトップがマネージメントをした上で、戦力の均衡をすれば、アメリカのプロスポーツビジネスのようなモデルになっていくと思いますね。
須田:やっぱり戦力の均衡ってことを考えるとね。ジャイアンツに対する批判って点にもつながっていきますよね。
熊谷:僕は戦力の均衡は全く必要ないと思っていて。巨人はお金を使ってドンドン強くしてもらえばいいと思ってるんですよね。逆に横浜みたいな球団は、若くて活きのいい選手を安い給料でドンドン集めて、ポスティングシステムを使って移籍をさせる。海外にも出していく。そこで収益を出していくほうが正しい道だと思うんですよね。今のプロ野球のチームって特徴がないんですよ。巨人はありますけれども。他に特徴がないっていうのがすごい大きい問題で。そこを変えてこうって球団が1 球団でもあってもいいじゃないかと思うんですよね。
小島:DeNAの方々は5年後に優勝っていってましたよね。すると目をつけなくてはいけないのが、いま21歳から28歳ぐらいの世代なんですよね。5年後に主軸になってくる選手。彼らを徹底的に鍛えて、育てて。もしそこにいい人材がいそうになかったら、そこの世代の人材を外から取ってくる。もしくはドラフトにかける。5年後に優勝するという目標があれば、今の21歳から28歳の選手にチャンスを与えて、それをものにできなかったら、なんでできなかったのか、ちゃんと理詰めでアプローチできるようなことをやってほしいですよね。
熊谷:あと僕が期待してるのは、海外からどれだけ収益をとってくるかが重要だと思うんですよね。MLBの場合、アメリカだけがマーケットじゃなくて、世界がマーケットなのでお金がとれるわけですよね。ただ、NPBってマーケットが日本だけじゃないですか。日本のプロ野球が見たいっていう人は、韓国に少しいるかもしれませんけども、世界中にいないわけですよね。その中で今後、中国であったり、台湾であったり、韓国っていう国といかに協力していって、中国、韓国、台湾からどうやってお金をとっていくかを考えていかないとマーケットは大きくならないんじゃないかと思ってます。【了】
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