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現実と向き合う覚悟を

前回に引き続き、元・日銀審議委員、現在は慶応大学教授の白井さゆりさんと「日本銀行と日本経済」について対談した内容をお届けします。

黒田バズーカーとも呼ばれた異次元金融緩和政策。
2%のインフレ率の目標達成には程遠い状況にも関わらず、金融政策を正常化させる「出口」は見えていません。

異次元と表現されるほどの金融緩和をして、なぜインフレにならなかったのでしょうか。
白井教授は、「世の中に需要がないからだ」といいます。
例えば戦前の日本であれば、軍事需要のために需要が高騰していました。
お札を刷ればインフレになる時代でした。今は世の中にお金がまわっていない、つまり、需要がないのです。

政府が「消費増税分は国民の為につかいます」と言ったところで、賢い国民は、「将来私たちの年金はもらえないだろう」、ということに気づいています。
これでは需要が増えるわけはありません。目先の政策ではだめなのです。

また、金融政策について忘れてはならないのが、国の借金です。
国の借金はすでに1,000兆円を超えています。毎年20兆円ずつ返しても50年以上かかるのです。
私も国会にいて痛感していますが、今の政府には、借金を返す気があるようには見えません。

日本の金融政策、白井教授が総裁だったらどうするかを伺いました。
「そろそろ正直に現実と向き合おう」とのこと。
政府は2027年に財政黒字化になると発表していますが、とても無理な数字です。
GDP600兆円を2020年に達成することも到底無理です。私もそう思います。

「無理なことを目標に掲げている限り、有効な対策はとれない。少子高齢化の社会で、成長率が下がってくるのは当たり前。実現できないような見通しを掲げるのではなく、成長率が下がる現実を認めること。そしてその現実にしっかり向き合うこと。その時に初めて、外国人移民や、増税や歳出削減などの政策が真剣に議論されるだろう。」
これが白井教授の主張でした。

大きくうなずきながら聞いていましたが、難しいのは、これを政治家が主張すると、票を失うということです。
政治家は政治家で居続けることが第一となりポピュリズムに走ってしまう。これは本来の政治の在り方と逆行しています。
あるべき政治の実現のためには国民の皆さん一人一人にかかっている。
改めてそう思います。

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