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「家政婦のミタ」を見た?視聴率40%は2011年の日本の影を投影したから?

ドラマ評論の巻!?

私はテレビドラマをほとんど見ません。
毎週決まった曜日に1時間拘束されたくないのと、それに見合う価値をテレビドラマに見出せないからかな~。(あまり深く考えたことはない。)

「家政婦のミタ」というドラマが松島菜々子主演で放送されていることは知っていた。
以前「家政婦は見た」という市原悦子主演のドラマがあったので(今もあるのか?)、おちょくったタイトルから似たようなサスペンス物か、パクリつつコメディー風に仕立てているのかと思い、特に興味はなかった。

しかし、ドラマが終盤に差し掛かると世間が騒ぎ始め、私にも口コミでもうすぐ終わるけど見ると面白いよとの情報が入ってきたので、一応日本人の私も村八分にされないように(笑)、最後の2話と総集編を見てみました。

基本的にドラマをみないので、他と比べて何故視聴率が高かったのかはよくわからない。
おそらく視聴率を稼いだ最大の要因は、松島菜々子の演じる特異な家政婦のキャラクターが、彼女のこれまでの美女役イメージとはかけ離れつつも、キャラにはまって頑張って演じられているのが受けたのではないかと思います。

以前に佐野史郎演じる「冬彦さん」のキャラが受けましたが、特異という意味では匹敵する「オンナ冬彦」のようなキャラをあの松島菜々子が演じているのを多くの人は動物園の珍種を見るような思いでミタのではないでしょうか?(笑)

私も見て、この役を彼女がよく引き受けたなと思うのと同時に、失礼ながら笑顔を振りまいて時々泣いてチューして「あなたが好き」とか言ってればよい美女ヒロイン役だけではなくて、役者として演技が出来るんだと感心しました。
(今まで、それを垣間見るチャンスがなかっただけで他意はありません。)

年齢的にも幅を拡げて行くタイミングだとは思いますが、奈々子さん、いきなりそこまで振れちゃっていいのと、見る側は楽しめたのだと思います。

他には、「家政婦は見た」のファンが間違えて見続けてしまって、最終回にようやく何の関係もないことに気付いたが視聴率40%に貢献したのかも!?

また、最終回を日本中で見なければいけないような空気が出来上がっていて、私のような普段ドラマを見ない者まで空気を読んで(本当はそんなに面白いのかという関心で)見てしまったことも大きいでしょう。

でも正直内容はそこまで受けるドラマなのか? という疑問はあるのですが、ドラマ評論家風に後付けで解説してみましょう。

このドラマは時代のテーマに敢えて反面教師をこれでもかと示すことでアンチテーゼを投げかけたのだ。
2011年の震災・原発で国民が抱えた直接・間接の喪失感。
最愛の夫と息子を亡くし、自分だけ幸せになることに罪の意識を感じ、笑顔を封印してしまった女性を描くことで、逆に悲しみを乗り越えることの重要さを訴えた。
笑顔を封印することも強さだけど、それを乗り越えて笑うことは更なる強さなのだと。
また、「業務命令でしょうか?承知しました。」と無感情に犯罪まで引き受けてしまうキャラクターは、東電の情報隠蔽、九電のやらせメール問題、オリンパスの粉飾決算、読売の清武の乱など、今年世間を騒がせた企業の日本的体質と重ね合わさる。
ミタの特異なキャラが実は自分の中にもあることに悲哀を感じながら見た人も多かったのだろう。
反社会的な業務命令に文句の一つも言わずに全て承知するなら、喜怒哀楽を滅却し心をオフにしてしまう方が楽であり、葛藤は消えてしまう・・。
そうだ、ミタは2011年の日本人が感じた負の感情を全部代わりに抱えてくれていたのだ。
感情を殺して笑わないという強さを持ちつつ、亡くしてしまった人への罪の意識と愛し続ける優しさと、でも乗り越えて未来へ歩み出す勇気と悲しいからこそ笑う強さは欠落している反面教師のキャラクターとして・・。
視聴者はミタの境遇に同情しつつ、そこに自分の欠片を見つけて、最終回の笑顔にほっとしたが、でもミタの生き方が身をもって我々に間違いを教えてくれたのだ。
喪失感を抱き悲しみ続けるのも間違い、感情を殺して何でも絶対服従するのも間違い、押し付けがましくなく乗り越えて笑って未来に立ち向かえと教えてくれたから受けたのだろう。

それが視聴率40%の理由とは思いませんが、日本に降りかかった2011年の厄をミタさんが全部引き受けて厄落とししてくれて、負の感情を乗り越えて2012年を笑って迎えようというメッセージを多くの人が感じたのかも知れませんね。

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