記事

【読書感想】こんなに変わった!小中高・教科書の新常識

1/2

こんなに変わった!小中高・教科書の新常識 (青春新書プレイブックス)

こんなに変わった!小中高・教科書の新常識 (青春新書プレイブックス)

内容紹介

昭和の教科書と今の教科書を比べてみたら、驚きの発見がいっぱい!

見た目だけでなく、内容も時代と共にどんどん変化し、私たちの知らないうちに常識が塗り変わっているのです。

例えば、世界史上で活躍した偉人「マガリャンイス」とは誰のこと? 太陽系にある惑星の数はいくつ? ひらがなの「そ」の字、どうやって書いていますか?

新時代の教科書を眺めてみると、「へ~」と思う発見がいくつもあります。

知らずにできていた、子供や若い部下との世代間ギャップを解消しましょう!

 「いい国(1192)つくろう、鎌倉幕府」と覚えたはずの、幕府成立の年が、いまの教科書では変わっている!

 そんな話を聞いたことはありませんか?

 いまの教科書では「いい箱(1185)つくろう、鎌倉幕府」という語呂合わせになっているそうなんですよ。

 でもさ、「いい国」ならわかるけど、「いい箱」って何だよ、無駄な公共事業で作られた施設みたいじゃないか、と、昭和に義務教育を受けた世代としては、毒づいてみたくもなるのです。

 教育とか家族観っていうのは、自分が教わったことや生きてきた時代が「当たり前」だと思い込んでしまいやすいのだよなあ。

 歴史的な出来事が7年も繰り上がるとは異例の事態。そのタイムラグの謎に迫ってみると、1185年の他にも1180年説、1183年説、1190年説など諸説あることがわかりました。というのも、鎌倉幕府は源頼朝が鎌倉に侍所(武家時代の役所)を置いた1180年を端緒に、1183年には朝廷が頼朝による東国支配権を公認するなど、徐々に確立されていったため、「この年にできた」とは断定しづらい状況があったのです。

 現在、最有力とされる1185(イイハコ)年は、壇ノ浦の戦いで平氏を滅ぼしたのち、頼朝が全国に「守護(国の警備をする役職)」と「地頭(土地の管理をする役職)」を置いて、「実質的な支配権を得た年」とされています。つまり、朝廷から頼朝に権力が確実に移行したとされる年です。

 一方、旧常識の1192(イイクニ)年は頼朝が征夷大将軍に任命され、「名実共に幕府が完成した年」。それ以前に幕府の基盤はでき上がっていたため、成立年は「イイハコ」の方が的確との判断から、定説は覆されたのです。教科書には、多くの学者が認めた説が第一に採用されるのです。

 そもそも、「征夷大将軍になること=幕府の成立」という考え方は江戸時代後期に誕生したといわれ、鎌倉時代を生きていた人にとっては「鎌倉幕府? なんですかそれ?」という存在だったかもしれません。未来の教科書では、さらに塗り替えが進む可能性もあり、まだまだ目が離せません。

 800年も昔の「歴史的事実」なんて、そう簡単に変わることはないだろう、と思ってしまいがちなのですが、歴史の研究というのは、今でもずっと続けられていて、解釈の変化で、教科書に載せられている内容も更新されているのです。

 正直、以前の教科書で学んだ僕としては、違和感はあるのですけど、仕方がない。

 その他にも、「士農工商」という身分制度についての記述がいまの教科書からは消えているのだとか。武士が支配層にいたのは確かだけれど、農工商については、単なる「職業の違い」にすぎなかったと解釈されるようになったそうです。

 江戸時代は、今から150年くらい前まで続いていたのに、その時代のことさえ、正確なことは、なかなかわからない。

 隠れキリシタンを見つけるための「踏絵」は、いまの教科書では「絵踏」に変わっているそうですが、これは、「行為としては『絵踏』のほうが正しい」ということで、踏まれる絵が、「踏絵」と呼ばれるようになりました。

 また、江戸幕府の五代将軍・徳川綱吉への評価が大きく変わったことも紹介されています。

 綱吉といえば「生類憐みの令」がよく知られています。殺生を禁止したこの法令は、「天下の悪法」と酷評され、以前は教科書の中でも悪いイメージが定着していました。その証拠に、80年代の教科書には、

「生類憐みの令を出して犬や鳥獣の保護を命じ、それを厳しく励行させたため、庶民の不満をつのらせた」

 というような記述で紹介されています。他にも、「綱吉は贅沢な生活をするようになり、仏教への信仰から多くの寺社の造営・修理を行い、幕府の財政を急速に悪化させた」など、一見して否定的な記述が目立ちます。

 ところが、現在の教科書では天下の善人へと大変身。

「犬を大切に扱ったことから、野犬が横行する殺伐とした状態は消えた」

 というように、ガラッと変わっています。しかも、「綱吉の政権による慈愛の政治」とまで評価されているので、当の綱吉もあの世で笑っているかもしれません。

 これほど表現が改まった背景には、法令の解釈が変わったことがあります。

 綱吉が「犬公方」や「お犬様」と呼ばれたように、「生類憐みの令」は犬を過剰に保護したイメージがありますが、実は保護の対象は犬に限りません。小さな虫にいたるまであらゆる生き物、人間の子ども、老人、病人などの社会的弱者も含まれていたのです。昨今、その本質がようやく理解されてきたのでしょう。

 綱吉の時代、天下統一から80年あまりが経過して表向きは平和でしたが、まだ戦国時代の荒々しさが残っており、人々はすぐ争って殺し合うような風潮がありました。

 学問を愛するインテリだった綱吉は、その状況を何とか変えたいと思い、国民のモラル向上のため、「殺生はよくない」というスローガンを掲げて真に平和な世の中を築こうとした、というわけです。

 つまり、綱吉は日本人の意識の大転換をはかったことになります。

 ところが、当時としてはなかなか受け入れがたい価値観で、誤った解釈が広まったと考えられています。一つの法令も、見る角度によってよくも悪くもとれるのです。

あわせて読みたい

「教育」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    ドラゴンボールが儲かり続ける訳

    fujipon

  2. 2

    コロナが炙り出す質低い大人たち

    毒蝮三太夫

  3. 3

    元慰安婦団はなぜ内部分裂したか

    文春オンライン

  4. 4

    ブルーインパルス飛行批判に落胆

    かさこ

  5. 5

    コロナ対策成功は事実 医師指摘

    中村ゆきつぐ

  6. 6

    上場企業レナウン倒産に業界激震

    大関暁夫

  7. 7

    元自民議員 安倍政権長く続かず

    早川忠孝

  8. 8

    コロナとN国で紅白歌合戦ピンチ

    渡邉裕二

  9. 9

    ひろゆき氏がテラハ問題に言及

    ABEMA TIMES

  10. 10

    報ステ視聴率危機? テレ朝に暗雲

    女性自身

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。