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- 2011年12月26日 22:11
人助けも難しい中国の現状
1 小悦悦事件
今年10月に広東省仙山市で2歳の女の子(悦悦)が車にひき逃げされた後、通りかかった18人が誰も助けようとせず、この女の子は別の車に轢かれてしまい、その後病院に運ばれたものの、死亡してしまうという事件が起こりました。この一部始終が監視カメラにおさめられていたこともあり、中国人の道徳はここまで落ちてしまったのかと話題になりました。その後同じ様な状況で我が身をも省みず、事故にあった人を助けようとして自分も事故にあった人が記事になっていることを紹介したことがあります(中国人助け2題)。
2 彭宇事件
その時は紹介しませんでしたが、実は中国がこうなったしまったのにはいろいろワケがあり、そのきっかけが2006年に南京市で発生した彭宇事件です。概要を簡単に説明すると彭宇氏がバスを待っていると、目の前で老婦人が転んだので、親切心から病院に連れて行き、検査費用まで立て替えてあげたというものです。ただ、問題はこの後、この老婦人が転んだのはこの彭宇氏が突き飛ばしたからだとして訴えたことです。裁判では、わざわざ病院まで連れて行って費用まで立て替えたのは、後ろめたいことがあったからだとして、彭宇氏に損害賠償を命じました。
実際、本当のところどちらの主張が正しいのか私にはわかりませんが、問題はこれ以降類似の事件がかなり発生したことです。その結果、下手に見ず知らずの他人を助けると、ろくなことにならないというのが中国の常識となりつつあります。
こうしたことの背景にあるのが、貧富の格差で、豊かになる者がでる一方で、貧しいものはかなり苦しい生活を強いられております。特に老人は医療費がかさむわけですが、日本のような健康保険が完備されていない中国では、何とかして金を稼ぐ手段を考えなければならないという悲しい現実があります。
3 金持ち娘の人助け
そうなると騙されたくなければ、街中で見知らぬ老人に関わるなとなるわけですが、その一方で当然それで良いのかという話が出てきます。だからこそ前回のような記事が取り上げられることとなったわけです。今日紹介するのもその一環と思っていただければという記事で、『広州日報』に掲載されていた「富二代少女救晕倒路人 保时捷送人就医自己打车」です。この記事のすごいところは、たまたまそこに居合わせた方が事件の一部始終を写真にとっていたということです(下の画像は上記HPより)。
[画像をブログで見る][画像をブログで見る]
事件そのものは単純で、30代の婦人がめまいを起こして倒れてところ、誰も面倒を恐れ助けようとしませんでした。そこへ見るからに金持ちの娘といった感じの高級車に乗った13才位の少女が現れ、この婦人を助けようとして、運転手に命令して、車に乗せ病院につれて行かせたというものです。
4 ネットの反応
興味深かったのはこの記事に書かれていたネットユーザーの反応です。代表的なものは2つで、1つがこの少女は単に世間しらずで、「単純」だというもの。もう1つは何とすばらしい少女だと今回の彼女の行為を褒め称えるものでした。上記の様な中国の状況を見るとある意味予想通りの反応です。私が今回この記事をとりあげようと思った原因の1つは、最後にもう1つ予想外のコメントが紹介されていたからです。
それは「おそらく彼女の家は金持ちなので、金をゆすり取られることも恐くない」というもので、何かこの反応を見ていたら、やはりこれが今の中国の現状なのかと考えてしまい、いろいろ複雑な気持ちになってしまったが故の今日のエントリーです。



