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「100ミリシーベルト以下の被曝リスクは証明できない」

12月19日、東京・日比谷の外国特派員協会で会見を開いた細野豪志大臣は、低線量被曝のリスクが小さいことをアピールし、逆に福島を日本で最も癌の少ない県にし、長寿・健康県を目指すと発言した。(BLOGOS編集部 田野幸伸)

冷温停止と2つの課題

12月16日に福島第一原発の冷温停止をご報告いたしました。オンサイトの事故は収束し、再び、福島の近隣の皆さんに避難していただく、恐怖に陥れることはなくなった。と言うことです。

誤解なきように言いますと、これからも2つの課題が残っています。1つは30年~40年に渡る廃炉作業。もう1つはオフサイトには非常の多くの課題が残っておりまして、日本政府は向き合っていかねばならない。

オフサイトの事故は収束していない。それに対応していくと言うことです。

今後の福島について。

・福島は原子力安全規制の国際的な道場になる。
世界の原子力規制の人材を集めて、サイトの中にも入ってもらい、何が起きて、日本には何が足りなかったか、しっかり見てもらえる体制を整えたい。

・除染、放射線医療、低線量被曝の先進的な研究拠点にする。
原子力安全庁は放射線医療も担当することになったので、福島の皆さんの健康の責任は、私自身が担当することになりました。

・福島は最も難しい廃炉に入る。廃炉作業に必要な無人化技術の拠点になる。
3月11日以降、事故収束作業で日本の無人化技術は大活躍しました。ですが、そのことは知られてません。日本のロボットは上海万博でバイオリンは弾いても、原発では働かないと言われてしまっています。廃炉に伴うプロセスの中で、燃料の取り出しを無人化技術(ロボット技術)でやらなくてはなりません。その技術開発は世界からの様々なアドバイスをもらいたいと思っていますが、「メイドインジャパン」にこだわってやりきりたい。やりきる事で、世界トップクラスの技術にしたい。

100ミリシーベルトの被曝リスクは、喫煙リスクの5%~10%

オフサイトで最もやらなければいけない、低線量被曝についてはワーキンググループを作って、8回の専門家会議を開いてきました。

その中で、確認できたことがいくつかあります。100ミリシーベルトを超える被曝線量については、原爆被害者の疫学的データが集まっておりまして、一定の発癌リスクが高まることが確認されております。具体的には100ミリシーベルト/年で、生涯のガン死亡率が0.5%増加するというデータが出ております。 しかし、100ミリシーベルト以下になると、疫学的調査をしてきましたが、他の癌のリスクに隠れてしまうほど小さいものですから、放射線による発癌リスクは、明らかな増加を証明することは難しいという報告が出ております。

このリスクを他の癌のリスクと単純に比較するのは必ずしも的確ではありません。なぜなら、他のリスクは個人の努力により下げることが出来ますが、このリスクは福島の皆さんにとって、そこで生活する以上、避けられないリスクだからです。

個人として冷静にリスクを評価してもらうため、あえて、比較する数値をご紹介したいと思います。

・喫煙のリスクは放射線量で言うと1000ミリから2000ミリシーベルト。
・肥満のリスクは200ミリから500ミリシーベルト。
・野菜不足や受動喫煙のリスクは100ミリシーベルトから200ミリシーベルトのリスクと同等と考えられます。

我々が設定しております。20ミリシーベルト/年は、実際にそこで生活する人たちの被曝量は、その4分の1、現実的には4ミリから5ミリであることが明らかになってきました。それだけ保守的な基準だと言うことです。

そうした様々な要因を総合して考えたときに、出来る限り福島の皆さんのリスクを低減する努力をすべきだと、そういう方向性を見出しています。特に子供に対しては最大限の対応が必要で、具体的には学校では1時間当たり1マイクロシーベルト以下に下げるまでは再開すべきではないだろうと。

また、子供が口にする食品の測定は、すでに様々な手を使ってやっておりますが、さらに徹底をして、コミュニティレベルでやることが出来るようにすべきです。測定器の数を増やすことも提案されております。

タバコを減らし、食事と運動で癌のリスクを減らそう

先ほど福島を放射線医療の専門的な場所にすべきだと言いましたが、高い目標を持って、たとえば、福島の癌の発生率を全国で最も低い県にする。これは専門家とも議論して、可能だと思っております。

まだ具体的な目標設定をするところまで至っていませんが、例えば、放射性物質による影響と言うのが、わずかであっても存在していたと、考えましょう。一方で、それよりはるかに大きなリスクが県民の生活の中にあるわけですね。その中から例えば、喫煙を少なくする、バランスのいい食事をする。運動不足を解消する。それを県をあげてやることができれば、福島は長寿・健康県になりうるんです。我々は福島を再生の場所にしたいと考えています。日本社会はそれをしっかりとサポートします。

本当の意味で、サイトの中の事故は収束しましたけれども、サイトの外の福島が元気になることが、わが国は事故を乗り越えたということになるわけです。我々はすでにその1歩を踏み出していると言うことをぜひ皆さんに知っていただきたい。野田総理は福島の復興なくして、日本の復興なしと言いました。私は最も若い閣僚として、福島と復興とこれからも共に歩んで行きたいと考えています。



海外のメディアに対して、「日本は大丈夫です!」とアピールするのも大臣の務めかも知れない。だが、福島に放射線でガンのリスクがあるなら、タバコをやめ、バランスのいい食事で運動して、別のリスクを下げよう!「長寿・健康県」を目指そう!というアピールはいかがなものか。総合的に健康被害を小さくするのは大切なことだが、福島第一原発の影響でガンになったと、賠償を請求されないための手段と感じたのは穿った見方だろうか。

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