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インタビュー:高齢化で緩和効果低下、アクセル踏み過ぎ注意=日銀人事でADBI吉野氏

[東京 16日 ロイター] - 政府は16日、黒田東彦日銀総裁の再任と、雨宮正佳・日銀理事と若田部昌澄・早稲田大学教授を副総裁候補とする案を国会に提示した。2期目の黒田体制の課題は何か、ロイターは学識経験者らにインタビューした。

アジア開発銀行研究所の吉野直行所長(慶應義塾大名誉教授)は、今後5年間の日銀の課題として、高齢化に伴って景気刺激のための金融政策の有効性が低下している点に言及。今後は日銀が政府に対し、高齢化社会に対応する構造改革を進めるよう働きかけることが、金融政策の有効性を発揮させるためにも重要であるとの見解を示した。

<注意すべきバブルのリスク>

リフレ派と言われる若田部氏が日銀副総裁の候補になったことについて、吉野氏は「金融政策の有効性が落ちている局面では、これまでより緩和を強めないと同じ効果が得られない。だからといって、アクセルを踏み過ぎないようにするべきだ」と述べた。

続けて「今はオリンピックに向けて景気が過熱しやすい状況だが、それが終わると経済がガクっと落ち込みかねない。バブルの経験を生かしてほしい」と述べた。

対外的な課題として「国際協調を重視するあまり、為替変動につながる金利調整にちゅうちょしていると、今の日本経済では国内景気が過熱しすぎる懸念がある」と分析。

そのうえで「新体制の日銀はミニバブルに至らぬよう金利調整を行い、黒田総裁は海外にも(日本の)事情をよく説明する必要がある」と語った。

<企業活動の外側にいる高齢者>

国内的課題として「金利引き下げやマネーサプライ増加を通じて企業活動を刺激しても、企業活動の外にいる高齢者の増加により、世の中への効果は希薄になっていく。金利収入で暮らす高齢者には金融緩和はかえって逆効果でもある」と分析。

これまでのゼロ金利やマイナス金利の効果が、あまり効かなかった状況も、そうした構造問題に要因があると吉野氏はみている。

ただ、海外からはこのような日本の内部事情は見えにくく、一段の金融緩和へと圧力が強まりやすくなると予想する。「もはや金融政策では経済は回復しない。むしろ日銀総裁はこれからは政府に対して、高齢者社会に対する構造改革を進めるべく要請するくらいでないといけない」とした。

総裁・副総裁の役割について「黒田総裁は、(1期目の実績をみても)市場との対話やメッセージ発信が優れている」とし、「今後は海外向けに英語での発信や記者会見にも力を入れてほしい」と要望した。

2人の副総裁には、地方経済の課題を含め、国内経済の現状をよくみてもらいたいと述べた。

(中川泉 編集:田巻一彦)

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