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Android OS のアップデート問題に関してひと言

最近、再びAndroid OSのアップデート問題が話題になっているようだが(参照)、OSの開発の関わったことのある開発者としてひと言言わせてもらう。

OSの開発というのはただでさえ簡単な仕事ではないが、特に難しいのは過去のアプリとの互換性を保ちながらOSそのものを進化させて行くという仕事。Windows95の開発の際も、一番苦労したのは、スタートメニューだとかデスクトップなどの新機能の追加ではなく、Windows 3.1との互換性を保つ部分。その当時のエピソードは、少し前の「Windows95と地上の星」というエントリーに書いたので一読いただきたい。

今回の話は、さらに厳しい要求だ。iPhoneのように一社がデバイスの仕様すべてとリリースタイミングをコントロールしているならいざしらず、Androidのように複数のメーカーが、それぞれの仕様でばらばらのタイミングでデバイスをリリースしている世界で、「18ヶ月前に発売されたデバイスでもちゃんと動くようにOSをアップデートするべき」と要求するのは、「OSの進化のスピードを落とせ」と言っているに等しい。

Windowsの開発においても、アップグレード版は配っていたものの、「必要最低限のスペックを満たすパソコン」のみがアップグレード対象で、「18ヶ月前以降に発売されたすべてのパソコン」を対象になどしていなかった。

特にAndroidの場合は、OSを提供しているGoogle、Android端末を作っているメーカー、それをOEM販売しているキャリアの三者が絡んでいるため、問題が複雑だ。「18ヶ月」という期間で区切るより、「マイナー・アップデートのみ対応」もしくは「メジャー・アップデート1回およびマイナー・アップデートのみ対応」のような仕切りにする方が現実的だ。

ちなみに、AppleがiPhoneの新機種リリースとOSのアップデートの足並みを揃えているのは、まさにこれが理由である。足並みを揃えることにより、キャリアとの縛りがある2年間の間は自分のデバイスが陳腐化しないという安心感を与えているのだ(私自身も、iPhone 3S を二年間使い倒した後に iPhone 4S に乗り換えた)。

そもそも、ユーザーが「OSのアップデート」など意識しなければならないことが問題であるという見方もある。「ユーザーが知らない間にセキュリティ・パッチが自動的にあたっていて、リブートすら必要ない」ぐらいにまでOSを進化させる必要がそろそろあると思う。

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