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中国の動きについて。

つい先日、読者の方から、
「最近は政治経済の事はあまり書いていませんが、後藤さんの独自の情報や解釈が分かり易くて好きです。また何か面白い話を書いて下さい。」
という直球のリクエストを頂いてしまいました(汗)。
政治や経済の話で面白い話というのもナンなのですが、折角なので最近カンボジアでも目立ちまくっている中国の動きに絡んだお話をおひとつ・・・。

情報鎖国の日本にいる方々にはどのように認知されているのか分かりませんが、最近の中国の動きには目を見張るものがあります。

中国は、ASEAN11カ国はもとより、オセアニアやラテンアメリカ 諸国とも自由貿易協定(FTA)を締結し、同時に各国への投資や借款も積極化しており、
物凄い勢いで影響力を拡大しています

こちらカンボジアでも中国は、道路や橋、ダム・水力発電所などをあちこちで大規模に建設中です。

これに平行して中国の通貨『元』をドルに代わる決済通貨として採用する動きもあちこちで始まっています
例を挙げますと、中国の同盟国でもあるイランとは『元』での決済が同意さ れました。
また、2010年1月に発効された中国-ASEAN自由貿易協定以降、ASEAN諸国では中国との決済に『元』を使う動きが加速しています。
例えば、中国とベトナムとの国境貿易では、ほとんどの取引が元で決済され、中国とミャンマーとの決済でも『元』が使われ始めています。
その他にも、中国とASEAN諸国との個別の決済では、元が使われる機会が徐々に多くなっているそうです。
私の住むここカンボジアでも、元の取り扱いが出来る銀行が増えてきています。ドルやユーロの信用不安も追い風になっていまして、今後更に元での決済が増えて来そうです。

これらの動きは、『中国の影響力の拡大』というよりもむしろ、『中国による中華経済圏の構築の動き』といった方がピッタリだと思います。

これらの動きはもちろん、アメリカの影響力やドルの地位を脅かす動きになるのですが、直接軍事力を用いる訳ではなく、しかもアメリカのお家芸でもある『自由貿易』を大義名分に謳っているため、アメリカとしても何とも出来ません。
なのでアメリカとしましては、環太平洋戦略的経済連携協定 (Trans-Pacific Partnership:TPP)をアメリカ主導で推進するく らいしか打つ手がないのでしょう。
もしアメリカが実力行使をするとしましたら、中国の同盟国であるイランに難癖をつけて戦争を仕掛け、中国寄りになった国々を恫喝するくらいでしょうかね。

上記の中国・アメリカの動きに加えて、何だかユーロ圏もドイツを中心に再度結びつく様な動きが出ていますね。
どうにも長期にわたる不景気と今回の金融不安をきっかけに、世界中でブ ロック経済化の動きが始まった感じです。歴史は繰り返すという事ですね

今後は中国に限らず、どの国も自国の利益のため、まさに生き残りをかけて様々な事を仕掛けて来るかと思います。
分け合うパイを大きく出来ないのであれば、いかにして自分(自国)の取り分を最大化するかを考えるのが国際政治です。政府開発援助(ODA)も使い方では大きな武器になります(ODAの本来の目的はこれだと思いますが)。

中国の様に、他国への投資や借款を積極化し、更に自国通貨を決済通貨に持って行って影響力を強化し、自国に有利な経済圏を構築するというのは、例えるなら、『みんなで分け合おうとしているパイを、自分の家のテーブルに持って行って自分で切り分ける権利を持つ』様なものです。

アメリカに世界をまとめる余裕が無くなった今、本来であれば日本がリーダーシップを発揮して、現在中国がやっている事を日本が演じていてもおかしくなかったハズなのですが、アメリカに遠慮しているのかどうか分かりませんが、どうにも取り返しがつかないくらいに大きく出遅れてしまった様です

日本は貿易で成り立っているのですから、本来でしたらアメリカに押し付けられそうなTPPなんぞで右往左往しているのではなく、逆にアメリカや東アジア圏に自分から仕掛けているくらいがあるべき姿だと思うのですがね。

日本は現在、出口の見えない危機、例えば、急激な少子高齢化、産業空洞化の加速、失業率増加、消費の低迷などに直面し、正に今が転落への瀬戸際だと思うのですが、日本政府は経済復興のグランドデザインをどのように描いているのでしょうか?また、復興とまでは言わないまでも転落を食い止めるための有効な策を持っているのでしょうか?当の日本人であっても、ほとんどの人が理解出来ていないor 疑問に思っているというのは一体全体どうしたものでしょうか?
日本は政府も企業も個々人も、目の前の問題や不安に汲々としていて、思い切った大きな絵が描けない様になっている様にしか見えません

翻って私としましては、まあ文句を言っているだけでは仕方がありませんので、自衛策として、現在カンボジアで自分ができる事を、ただコツコツやるだけだったりします

結局、自分の身は自分で守るしかありませんからね

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