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モバゲー×野球観戦;野球業界でフリーミアムは成立するか?

おはようございます。今日もすこぶる冷えています・・・もしかして、大阪でもWhite X’masになるかも?こんな寒い日には、心も身体も温まる!スポーツ観戦でもしたいですね。

・・・というわけで!本日は、横浜ベイスターズの買収で話題になったDeNAの日経新聞に掲載されていたインタビューを元に、DeNAの今後の戦略について考えてみたいと思います。

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Mobage(モバゲー)などを運営するDeNAがTBSホールディングスが保有していた横浜ベイスターズを95億円で買収することを発表したとき、DeNA株は前日比8%も下落。逆にTBS株は上昇するという事態が起こったのは有名なお話。

それもそのはず、球団はランニングコストも高く、知名度や企業イメージの向上を図るには、コストが本当に高すぎるもの。(ベイスターズも毎年20億円近くの赤字が続いているんですって!)

基本的に球団運営に伴う赤字は「宣伝コスト」と割り切られるのが一般的だそうですが、DeNAの春田会長は、「ベイスターズを3年で黒字化する」と宣言。Mobage(モバゲー)で培ったビジネスモデルを野球業界で活かし、新たな市場を開拓していこうと戦略を打ち立てているようです。

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“モバゲーで培ったビジネスモデル”とは何ぞや?



言わずもがな、過去ブログ記事でも散々紹介してきた「フリーミアム」というものですね。

「FREE」「PREMIUM」の合成語で、基本的には無料ですが、追加のアイテムを手に入れたり、さらに高度な機能を手に入れようとすると、課金が発生。



95%の無料ユーザーを、5%の有料ユーザーが支えるという【5%ルール】も、このフリーミアムという経済モデルが確立したものでした。

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略/クリス・アンダーソン

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無料で遊べるんだから、それで十分!・・・と思っていた人でも、100円ぐらいなら・・と、徐々に有料版を試してしまう上手な仕組み。課金は携帯料金と一緒にされるため、実際に請求がくるまでお金を支払った気分にならないというのもポイントでした。

こういった考え方は、顧客にどんな価値を届け、どうやって最終的に利益を獲得するか?という“ビジネスモデル”ではなく、ユーザーからいかにお金を課金するか?という“利益モデル”に近いような気もしますが、日経新聞のインタビューでは、DeNAが「モバゲーとプロ野球のビジネスモデルの相似性」に注目し、新たな野球観戦の提案に自信を持っていることが発表されていました。

「モバゲーとプロ野球のビジネスモデルの相似性」

つまりDeNAは、プロ野球という市場においても、テレビで無料の野球中継を見ている95%の顧客を、球場に駆け付けグッズなどを購入する5%の熱狂的なファンたちが支える、「フリーミアム」な顧客構造になっていると、とらえているようです。

そこで現在DeNAが進めている戦略は、携帯電話で無料の野球中継を見ながらファン同士がコメントしあったり、モバゲーの野球ゲームに、本物のプロ野球の結果や選手の成績がリアルタイムで繁栄されるようにする仕組み。自社が得意とする技術的な改革は、簡単に進めていくことが出来そうですよね。

「野球ファンをモバゲーに呼び込むだけではなく、(球場に足を運ばなくなった)かつての野球ファンに野球の面白さを再認識してもらいたい」

・・・と、日経新聞のインタビューに守安社長は答えていました。

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しかし・・・!野球業界での「フリーミアム」は本当に成立するのでしょうか?

これらの経済モデルをまとめている書籍「FREE」では、いかにゼロに近いコストのサービスを生み出すか?というよりも、いかにもともと無料でも十分楽しめるサービスに対して 「お金を払ってでも使いたい!」と思わせられるか?が重要だとされていました。

しかし問題は、その「お金を払ってでも楽しみたい」と思っている人たちが喜んで支払える価格はどれくらいなのか?ということ。これまでオンラインサービスで提供されてきた「有料サービス」は、あくまで数百円程度の単価で少しずつステップアップしながら楽しめる、 という裾野が広く、敷居の低いものでした。

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DeNAの得意とするオンラインサービスはもちろん野球ファンを創り上げていく導入にはなるかと思いますが、ゲームを利用するユーザーを携帯電話の中の仮想世界から、実際の野球観戦にまで連れ出すには、従来の「フリーミアム」からは考えられないほど敷居が高く、長期戦になることが考えられるはず。

「もともと野球が好き、嫌い」という個人の趣味が大きく影響する分野でもあるため、ゼロから事業を立ち上げていくように【ゼロからお客さんを育てる】ための長期的な戦略を今後、打ち立てる必要がありそうですよね。

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Mobageの収益源はユーザーから課金するほか企業からの広告収入が主なものとして挙げられますが、一方でプロ野球球団の主な収益源は、チケット収入、放映権収入、スポンサー・広告収入、飲食・グッズ収入など様々。

Mobageの強みとして知られているフリーミアムですが、課金のひとつの形態に拘りすぎることなく、自社の定義をもっと広く解釈し、これまで蓄積されてきたユーザーの情報などを有効活用した【お客さんを育てるマーケティング】をしていくことがポイントかもしれません。

われわれは、バスケットボールチームのビジネスをしていると思っていたが、現実に取り組んでいるのはエンターテイメントビジネスだったのだ。われわれのエンターテイメント事業がたまたま、プロバスケットボールのゲームの興行だったというにすぎない。

これは、「エスキモーが氷を買うとき」の筆者であるジョン・スポールストラの言葉。

エスキモーが氷を買うとき―奇跡のマーケティング/ジョン スポールストラ

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海外展開を積極的に進めるGREEとは少し違う、国内での土台作りを進めていくDeNAにとっては「とりあえずやってみよう!」という若い企業独特のスタイルではなく慎重に仮説を立て、実証していくアプローチが必要になるのではないでしょうか?

そして、従来のモバゲーユーザーを「熱狂的な野球ファン」にすると同時に、現在の熱狂的な野球ファンを、いかにモバゲー市場に取り込んでいくか?・・・というのも大切なポイント。

双方向からの市場拡大を狙うDeNAの今後の戦略にも注目です。

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