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芸能人は「お前みたいになりたくない!」

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森川弁護士:若干補足いたします。先ほど山本さんは市民運動が盛り上がってないといいましたが、報道されないだけで、近年まれにみる盛り上がりを見せています。その中で、東京電力の前をゆっくり歩いただけで3人逮捕されたりと、弾圧もされているわけです。ただそれも報道が偏っているために、事実を知らされていない。その中で山本さんが、6万人集会で「生き延びる為には原発を止めるしかない」と発言しました。

山本さんの発言は圧倒的に共感を得たわけです。そもそも、3月11日以降、反原発で彼が立ち上がったことは非常に影響力があった。で、あるがゆえに、集会の翌日になって、告発が受理されたという報道がされた。さらにその翌日には野田首相がウオールストリートジャーナルで原発再稼動の意志を示した。そういうことだと思います。

告発が受理されたので、山本さんは「被疑者」という状態です。昨日、事情聴取がなされました。ただ、呼び出されたのではなくて、私の東京の事務所で行われました。

それに対しては基本的に、7月11日の行動について、誇る点はあっても釈明すべき点はない、後ろめたいこともないので言い訳はしないと。捜査機関に対して捜査に協力しないという態度をはっきり示して、事情聴取を終えました。

最近の流行で言えば、1%側の人、日本では「原子力村」といいますが、そういう資本と政府のキャンペーンによって、例えば「電気が足りない」とか「原発はコストが安い」とか「環境にやさしい」とか言われてきたわけで、それがウソだと暴露された。市民は「原発はいらない」と思っているが、そういう報道はされない。とにかく(外国メディアの)皆さんには事実を伝えてもらいたいし、今後、起訴されるか裁判になるかの判断が出る。

質疑応答



Q:メディアが悪いと言うのは簡単だが、市民に責任はないのか? 扱われる紙面の場所と量は違うが。私たち海外メディアが書く記事の内容と同じものもほぼ日本のメディアに出ている。

山本:もちろんそれはそうです。市民一人ひとりが立っていない。僕もそうです。僕を含む「無関心」な大人が作ってきたのが今の世の中。体制側に好き放題されている。だからこそ、コントロールされるくらい、スポンサーにずぶずぶにされて来た。だからこそ、本当に危険な状態で、逃げれば間に合ったのに「安全だ」と報道して被曝をさせた日本のメディアの原子力利権にぶら下がった状態は、海外メディアとは違うと思います。どうですかね?

日本は革命が起きてこなかった。鎖国してきて、大戦があって、GHQに去勢された。ずっと幻想の中に生きてきたようなもの。一人ひとりが立ち上がることがなかった。目を向けることがなかった。だから今、収入がなくなろうが何があろうが、声を上げることにしました。

芸能界と「反原発」



Q:日本の芸能界を見ると、山本太郎さんと制服向上委員会しか反原発活動をしていない。なぜか?

同じ職業の人たちで、彼らが僕に対してどう思っているか、一言で言えば、「お前みたいになりたくない」って事だと思うんです。というのは、生活していかなければいけないじゃないですか。僕を見ていれば、生活がどうなるか分かると思うんです。自分の生活を守るという意味で敏感になっているんだと思います。

同じ世界の俳優・女優から励ましの電話をもらう。「すごいね、応援してるよ」2秒くらいあって「・・・・・でも、オレにはできないけど」って言葉が返ってくる。最近、市民活動に参加するようになってからは「すごいね、応援してるよ!でも俺にはできないけど!」って、その間がなくなっているんです(笑)「オレはできませんよ!」っていう意思表示がすぐに返ってくる。彼らの気持ちがすごくわかります。

国も東電もつぶさないというどうしようもないやり方で、どれくらいズブズブなのかはわかるじゃないですか。利権構造の一部として動かされている。今、メディアで表現している人たちは、電力からスポンサードされているので、動けない。

じゃあ、どうやって味方になってもらうかというと、「脱原発!」と言って集まってくれるのはすでに意識の高い人。だから、そこに意識のない人たちを呼び込むためには、僕だけでなく、今、声を上げられない人達の協力が必要なんです。だから、「脱原発」と銘打たずに、みんなが楽しめるフェスティバル、お祭りみたいなものを作って、その中にメッセージをこめて行くことが、無関心な人に来てもらうにもいいし、声を出せないという人たちにもいい風に作用するんじゃないかと思っています。

原子力利権の根は深くて、広い。日本の芸能人だけが声を上げられないわけじゃない。チベットやダルフールの問題には、世界の有名人が抗議の声を上げられても、原子力利権は世界中に広がっているので、日本の被曝には声を上げられない。安全基準値を1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに変えられて、高線量の場所に子どもたちが住まわされている。ただちに影響はなくても、子どもたちは大人の3倍から20倍くらいの影響を受ける。これは真綿で首を絞めるような虐殺ではないのか。これは世界的な闇、そうとしか考えられない。

Q:ガレキ処理を全国で引き受けることに反対とおっしゃっていました。放射線量の高いものは動かすな、これはわかります。汚染を広げるなと言うのはわかりますが、岩手県宮古市などは福島第一原発からの距離は東京より遠くて、放射線量も千葉の松戸や柏のほうが高かったりする。信用できるかどうかは別として、一応数値も測って持ってきているというのですが、私も宮古漁港でガレキの山を見ました。あの莫大な量のガレキをどうしたらいいのか。改めまして反対の理由と代案をどうお考えですか?

東京都がガレキの受け入れを表明した宮古市ですが、(放射線の)航空モニタリングで見ても、汚染の度合いは低いだろうと。で、東京都に電話したんですよ。「ガレキの放射線はどうやって測ったんですか」って。そうしたら、「ガレキを25m四方に集めて測りました。」では、「ガレキと測定器の距離は」と聞いて「不明です」と。その数値を信用できますか?

なによりも東京都は最初に手を挙げて、汚染の低いガレキの受け入れ大量にをしました。そのことによって、「もちろん全国も引き受けますよね?」という状況になった時、必ず、高濃度のガレキを引き当てる自治体が出てくる。だから、最初に手を挙げるというやり方がずるいというか。

測定値に真実味を持たすのであれば、市民団体と一緒に測るとか、やり方がありますよね。「やります、測りました、大丈夫です」はもう信用できる状況ではないんですよ。これは命と直結している問題なんです。

地方は受け入れ体制も出来ていない。チェルノブイリではガレキを燃やした灰を、コンクリートで枠をぎっちり作って処理している。こないだ四国(松山)で聞いたんですけど、ブルーシートで包んで埋める予定だった(笑)

放射線を含んだものを処置する対応が考えられてないし、今まで通りの処理方法で行こうとしている。だから受け入れるにしても、しっかりした対策があって、測定があって、高濃度のものは近くに処理場を用意する。数値が低いものというが、事故前の100ベクレルから、事故後は8000ベクレルまで引き上げられた。これも問題ですよね。そういう決まりを広く議論して、それからガレキの受け入れをやるならわかるんですけど、何も決まってないうちから東京都が手を挙げて、東京が受け入れたから、次はどこと。

そして、東京の焼却場が東電の関連というのもすごい話で、なるほどねと。あんな事故が起こっても得する所があるのねと。完全にバカにしてますよね。僕たちの税金を使って。

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