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就職活動に臨む学生は”深刻”にならず”真剣”になれ~キャリアセンター職員の語る”シューカツ”の真実~

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合同説明会で企業のブースにならぶ学生(AP/アフロ)
合同説明会で企業のブースにならぶ学生(AP/アフロ) 写真一覧

例年より2カ月遅れの12月解禁となった2013年卒・学生の就職活動。去る11月23日には新宿で「就活ぶっこわせデモ」が起き、参加者たちは現在の就職活動への不満を訴えた。また、マイナビの広告に対して「画一的で気持ちが悪い」といった批判がネット上で相次ぐなど現在の就職活動に対して不満を抱える学生は少なくない。

現代の就職活動の抱える問題点とは、一体どんなものなのだろうか。複数の大学のキャリアセンターに勤務経験をもち、2011年10月に『大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動 (ソフトバンク新書)』を上梓したばかりの沢田健太氏に話を聞いた。また、文末には沢田氏からの就職活動へのアドバイスも掲載しているので学生の方々は参考にして欲しい。(取材・執筆 大谷広太、永田正行【BLOGOS編集部】)

大学と企業が互いに責任を押し付けあう現在の就職活動


―ご著書を読んで衝撃を受けたのが、大学キャリアセンターの職員が、リストカットの痕があるかどうかまで気を使いながら学生と面談をしているというエピソードです。現代の就職活動というのは、そこまで学生を追い詰めてしまうものなのでしょうか?

沢田健太氏(以下、沢田氏):いやいや、就職活動だけが原因じゃないですよ。いろんな要素があって、追い詰められてしまう学生もいるってことです。ただし、以前と比べて圧倒的多数の高校生が、大学に進学してきている。多様な背景を持つ学生の中には、メンタル的に追い詰められやすかったり、複雑な環境で育ってきた学生もいるわけです。大学進学者の裾野が広がった結果、過去に様々な問題を抱えてきた子も大学に入学し、就職活動に挑むことになった。そうした問題を象徴するエピソードとして挙げただけで、全員が全員そうというわけではないです。

ただ、誰もが希望すれば大学に進学できる時代になったことで、様々なバックグランドを持った学生が就職活動に参加することになったのです。

―言い方は悪いかもしれませんが、かつては「大学に行って企業に就職する」というレールに乗れる人は限られていた。しかし、大学進学のハードルが下がったことで、その「レール」の在り方にゆがみが出てきてしまったということでしょうか?

沢田氏:その指摘は、入り口の部分の理解においては、一理あると思います。しかし、出口の部分においても環境の変化があると思います。以前は、企業側も新卒者を「白い布」仮説に基づいて扱ってきました。「白い布」というのはどんな色にも染まる、染めやすい。だから新卒を好んで採用してきました。しかし、最近では、企業側が大卒の新人を育てられない、育てる時間を掛けることができないという状態になってきている。すると、布に求められるものも多くなるため、自然と選ばれない布も増えるということです。また、経済が停滞していることも、この傾向に拍車を掛けています。

―企業側からの学生に対する注文が増えているとのことですが、一方で大学が「そこまでやるべきなのか」という指摘もあります。学生に学問以外のこと、例えばビジネスマナーを教えたりすることが、本当に大学の役割なのかという疑問です。

沢田氏:これは、永遠のテーマですね。経済界は、若者に対して、もう少しこういう能力を身に付けてくれということを発信しましたよね。「社会人基礎力」が代表的な例です。一応産学官連携に基づいて、主に産業界側からの大学教育に対する期待・要望を発信しました。

しかし、大学側からしてみれば、一部は「それって会社に入ってから教えるべきことなんじゃないの?」あるいは「大学に入ってくる前の初等・中等教育または家庭で教えるべきでしょう」という反発もある。お互いがコミットメントせずに問題のなすりつけあいをしている状態になっているわけですね。

―大学教員のミッションは、原則として研究と学問教育です。ですから、ビジネススキルやビジネスマナーを大学が教えることに対して疑問を感じている教員も多いのではないでしょうか。「それって俺たちの仕事なのかなぁ」と。

沢田氏:もちろん、疑問を抱えていると思います。一方でやらなければならないという思いもあるので板ばさみになっているのが現状でしょう。大学というのは、学生が社会へ飛び立つうえで、最後の教育機関ですからね。

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