- 作者: 野村克也
- 出版社/メーカー: 詩想社
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内容紹介
ノムラが見た球史に輝く強烈キャラクター52人を選出! !・徹夜で麻雀をして、球場入りするなり出番まで医務室で寝ている選手
・交代のためマウンドに来ようとする監督を、怒鳴ってベンチに追い返す投手
・財布を持ち歩かない、とんでもなくケチな選手
・素振りもせず、常に鏡の前でフォームばかりチェックしている不思議なバッター
・ラフプレーが日常茶飯事のケンカ野球の申し子
・野球の監督というより、軍隊の上官のようだった監督・・・など
球界に携わって60年以上の著者が、
アクの強すぎる名選手たちの、いまでは想像もつかないような
超ド級の「変人伝説」を大公開!
日々、高いレベルでしのぎを削るプロ野球界の意外な一面が垣間見えてくる。
野村監督、よくここまで実在の選手のことを書いたなあ、という感じです。
紹介されているのは、最近の選手はほとんどおらず、野村監督が現役時代に一緒にプレーしていた選手が多いんですけどね。
「チームプレー」が大事なはずのプロ野球も、いまから半世紀前くらいまでは、こんな「野球は上手いけど、人間性に問題がある選手たち」が我が物顔で主役をつとめていたのか、と驚かされます。
金田正一さんの項より。
日本球界で唯一の400勝を達成した人だけに、やはり普通ではないのだ。強烈に我が強く、頑固でわがままという面では、人を人とも思わないようなところもあった。
国鉄時代のニックネームは「金田天皇」だった。4回までに味方が大量リードすると、自ら登板を志願し、人の勝ち星を奪うワンマンぶりは歴代監督も制御できなかった。
金田さんが登板しているときに、監督がマウンドに行こうものなら、金田さんが「帰れ!」とマウンド上から監督をベンチに追い返すということが何度もあった。
私が目撃したのは、浜崎真司さんが国鉄の監督のときだった。浜崎さんも選手時代は偉大な選手であり、尊敬を集めていたのだが、マウンドに向かおうとすると、金田さんは「コラーッツ」と一喝してベンチに追い返していた。こんな我の強い選手を見たのは、後にも先にも金田さんしかいない。
400勝はすごいけど、この「4回まで大量リードしていると、登板を志願して人の勝ち星を奪う」って、ひどいよなあ。奪われるほうはたまらない。今のプロ野球でも、シーズン終盤で最多勝がかかっている、というような状況なら、1試合くらいはありえるかもしれませんが。
今の時代にこんな選手がいたら「チームの和を乱す」ということで、飼い殺しにされるのではないかなあ。それでも、野球が上手ければなだめすかして起用するのが首脳陣の手腕、ということになるのでしょうか。