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国会同意人事が民自公の「やらせ人事」だった!

国会同意人事が民自公の「やらせ人事」だった!
  〜政府自身が答弁で認めた前代未聞の出来レース〜


調達価格等算定委員会
 経済産業省に調達価格等算定委員会というものがある。聞き慣れない委員会かもしれない。それもそのはずで今年設置が決まったばかりである。菅直人首相の退陣間際の8月に再生可能エネルギー買取り法が成立した。これによって買取り制度が始まることになった。次に焦点になるのはいくらで買い取るのかという話である。この買取り価格などを決めるのが調達価格等算定委員会である。それだけに再生可能エネルギーが普及するかどうかの鍵を握っている組織といえる。

 この委員会は5名の委員で構成される。そしてその5名は国会同意人事の対象である。つまり政府が人事案を国会に提示して、衆参両院で承認されると就任することになる。

三党に推薦を依頼
 調達価格等算定委員会の人事案は11月17日に政府から提示された。あまり評判の良い人選ではない。「再生可能エネルギー普及の足を引っ張ってきた人たちが多すぎるではないか」という批判もかなり上がっている。

 さらにそれに加えて驚くべきことが明らかになった。経済産業省側が事前に民主・自民・公明の三党に「誰を提示したらよいか推薦してきてください」とお願いをしていたのだ。そして三党から推薦があった人たちを政府案として国会に提示してきたというわけである。

 これは“疑いがある”というレベルではない。昨日(12月1日)の参議院環境委員会で、経済産業省の松下忠洋副大臣と資源エネルギー庁の新原弘朗(にいはら・ひろあき)省エネルギー・新エネルギー部長が公式に答弁で認めている(別添の議事録参照)。

 政府側からすればせっかく人事案を提示しても否決されるのが怖い。特に今はねじれ国会なのでその可能性は十分ある。そこでこう考えたのだろう。「主要政党から推薦を出してもらい、それを追認して政府案にすれば否決されないはずだ」。しかしこれは「やらせ」以外の何物でもない。もちろん前代未聞の「禁じ手」である。

予定調和の出来レース
 国会同意人事の扱いは秘密厳守が鉄則になっている。国会に提示する前に人事案が新聞に載ってしまい問題になったことがしばしばあったからである。国会に示す前に前にマスコミに喋るとは何事かというわけである。そこで「事前に外部に人事案が出たら、その人事は認めない」ということが叫ばれ、現在では両院の議院運営委員会理事会が同時に提示を受け、その直後に報道各社にも解禁するという形をとっている。各党が正式に人事を聞くのもこの議院運営委員会理事会が最初のはずである。

 それだけ厳格に情報管理することになっている..はずだった。ところが実際には違っていた。政府案というのは実は三党案だったのである。これでは三党にとっては予定調和の出来レースにすぎない。

 そもそも同意人事というのは政府が最善と思う人を選び出し、それを衆参両院に諮るというのが本来の姿である。自ら人選をすることを放棄し、三党に依頼する政府も政府である。またそれを受けて推薦をする三党も三党である。これは同意人事という仕組みそのものに関わる根本問題といえる。

(ただ三党による推薦は秘密裏に行なわれていたため実は三党所属のほとんどの議員にとってはまったく聞いていない話だったことは間違いないようだ。)

政府はきちんとした説明を
 当然出てくる疑問は、これは氷山の一角ではないかということである。同意人事というのは調達価格等算定委員会に限られるわけではない。11月17日にされたものだけでも14機関31名に上る。これらも実は所管省庁が民主党や自民党などに「人選をお願いします」と事前に頼んでいるのではないかと勘ぐりたくなる。

 調達価格等算定委員会の設置は、再生可能エネルギー買取り法が成立した時、衆議院での三党共同修正によって盛り込まれたという経緯がある。「だからこれは特殊なケースなんです」と政府は言うかもしれない。

 いずれにせよこうした疑念に対し政府はきちんと説明する必要がある。もちろん今回の「やらせ人事」についてもきちんとした弁明を聞きたい。いつ、誰が、どのような形で三党に推薦を依頼したのか。またどのような形で三党から推薦を受け取ったのかなどを明確に説明すべきである。そもそも人事案自体も撤回すべきではないのか。また経済産業省側がどういう形で責任をとるのかも興味深い。失われた信頼を回復するのは簡単なことではない。

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