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<フジ月9『海月姫』>マンガの実写化に「マンガの表現手法」を使う愚

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高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]

***

東村アキコのマンガ作品『海月姫』(くらげひめ)は傑作である。だが、フジテレビの実写ドラマ化(月9)は駄作である。

その理由の第一は、実写化に当たって、画作りセリフなどにマンガの表現手法を多用しているからである。これほど愚かしいことはない。実写化はマンガの再現ではないのである。

筆者はマンガを原作に使う風潮に対しては、特に否定もしない悪いとも思わない。もちろん、そればかりになってしまえば、テレビドラマがオリジナリティを失う緩慢な自殺にはなってしまうと思う。しかし、うまく作りさえすれば、時に原作マンガを越える作品もなり、原作に対してテレビドラマとして独自性を持つこともできる。

テレビドラマにマンガ原作が多くなったの原因のひとつは、企画を選ぶ編成マンが、まともに企画書を読めなくなったことが大きい。

テレビ局の編成部門には膨大な数のドラマ企画が持ち込まれる。オリジナルの場合、これらの企画書はプロデューサーと脚本家の協力によって練り上げられ、連続ドラマならば1クール(現在は10話が標準)分のあらすじ、キャスティング案が記される。

企画が通れば脚本家がシナリオを書くが、大抵は3話分くらいが完成したところで、撮影に入る。よって、10話分のストーリーが実際にどう展開されるかは分からないことが多い。企画書が読めるというのはその先を想像して読み、ドラマの成否に責任を持つということである。

ひどいケースだとドラマが低視聴率にあえぐと、当初、考えていたストーリーは無残にも変更させられ、良い役どころの人が突然海外に行ってしまって、画面から消えるなどというのもある。

【参考】又吉直樹の初脚本ドラマに感じた「説教臭さ」

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