【ダチョウ倶楽部が出川のリアクション芸について語る】
バラエティー番組はもちろん、CMや映画にも出演…今や日本一の愛されキャラといっても過言ではないほどブレークした出川哲朗(53才)。公私にわたり20年以上のつきあいがある、戦友・ダチョウ倶楽部が語る出川の素顔とは…。
出川とダチョウ倶楽部、特に上島竜兵とのライバル関係が始まったのは、1989年にスタートしたお笑い番組『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!』(日本テレビ系)だった。出川は「クイズの解答を間違えると背負ったリュックが爆発」など、過激なロケで知られるこの番組に人生をかけていたという。
肥後克広:深刻な顔をして、「優勝できなかったら、ぼくはもう芸能界を辞める」と言い出して。ふざけてるのかと思ったらガチなの。そういうヤツって目立とうとして無茶するから、大けがするんだよ。ロケ先でそのまま入院ってケースもよく見てきたから本気で止めたんだけど「死ぬ気でやりますぅ~!」って聞かない。大丈夫かなぁ、と思っていたんだけど…。
寺門ジモン:そしたら、本当に優勝一歩手前まで行っちゃって!
上島:楽屋に戻ったらもうリーダーが「哲ちゃん、やったな、お前」。で、次に寺門が来て「頑張ったな! 次は優勝だ! おれはもうしびれた」って褒める。だから、最後におれが「お前調子に乗るなよ」って(笑い)。
寺門:そこから竜ちゃんと出川くんのライバル関係が始まった。「おれのポジションを奪いやがって!」って。
上島:違う違う! ちょっと待って! 確かに言ったんだけれど、それはギャグ!
寺門:「芸能界辞める」とまで思い詰めてた時期なんだから、出川くんは本気にとっただろうなぁ(笑い)。
上島:だけどそうやって苦楽をともにしてきた仲間って、やっぱりちょっと特別で、うらやむ気持ちとかわかないんだよ。
〈『お笑いウルトラクイズ』で一躍有名になってから出川がダチョウ倶楽部とともに切り拓いてきた“リアクション芸人”という道。そこにかける情熱は、並大抵ではない。〉
寺門:誰よりもお笑いに熱い男なんです。一緒に「熱湯風呂」をやるときも「ダチョウさんたちはそんなに熱くなくても“熱い”って言えるけど、おれは言えないから、お湯をもっと熱くしてください!」って直訴する(笑い)。「リアルガチ」ってギャグになってるけれど、あれは出川くんの本音なんだよ。
上島:熱湯風呂の設計の話まで始めた時は、ウザかったなぁ~。「この装置だとアクリル板がこの大きさだからここまで熱くできるけど、どうしますか?」とか延々やり出して。早く飲みに行きたいのにって思いながら聞いてた(笑い)。
肥後:上島さんはすぐ「これでいいだろう」って手を抜こうとするから。
寺門:フハハハハ! 当たってる!
上島:いやいや手は抜いてないよ(笑い)。でも哲ちゃんのいる現場では真剣にやらざるを得ない。やっぱり、“リアクション芸人”としての永遠のライバルだから。
肥後:だけど哲ちゃんは義理堅い。哲ちゃんも「おでん芸」や「熱湯風呂」をやるけれど、彼はあくまでも「おでん」はぼくたちの、「熱湯」はたけし軍団の専売特許と考えていて、その芸をやるときは「貸していただいている」というスタンス。
寺門:一方でぼくたちは鼻をザリガニに挟ませる「ザリガニ芸」は「出川の芸」って認識してる。だから、おれ、「出川くんが(痛くないよう)ザリガニのとげのところを削ってる」とか「熱湯かけて弱らせてる」なんて言えないもん(笑い)。
上島:やめなさい、やめなさい! それ言うと「営業妨害だ」って、真剣に怒るから。
肥後・寺門:フハハハハハ!
寺門:あとは何がすごいってリアクションのために設備投資してるんだよ。
肥後:いつ何時ドッキリにかかって泥や粉まみれになってもいいように、移動車にはたんすが設置されていて、そこに下着、靴下、ズボン、トレーナーと一式そろっている。噂では水槽もあって、ザリガニも飼ってるって(笑い)。以前、そこからパンツ出してもらったことがあるよ。ロケ現場でドッキリの巻き添えになってずぶ濡れになっていたら、哲ちゃんがマネジャーに「リーダーのパンツ持ってきてあげて!」って。「おれのサイズはないんじゃないの?」と聞くと「あります! あります!」って。
上島:あるのかよ…(苦笑)。
撮影/田中智久
※女性セブン2018年2月8日号