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外交演説

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 2019年、日本はG20サミットを主催します。本年12月からG20議長国として世界経済におけるリーダーシップを発揮すべく、政府一丸となって準備を進めてまいります。

 四つ目として、地球規模課題の解決への一層積極的な貢献をしていきます。

 国連創設から70年以上が経過し、加盟国は創設時の51か国から193か国に増加しました。世界を取り巻く政治・経済状況も大きく変化する中で、安保理は、もはや21世紀の現実を反映しているとは言えません。安保理を改革していくことは日本だけでなく、国際社会の喫緊の課題です。

 昨年まで二年間、日本は安保理理事国として、北朝鮮問題を始め、国際的な議論を主導してきました。国際社会がますます増大する諸課題に対処できるよう、引き続き、日本の常任理事国入りを含む安保理改革の実現に取り組みます。

 国際社会における日本のプレゼンスを向上させるためには、そこで働く日本人を増やしていくことも重要です。国際機関における日本人職員の増員・昇進にも積極的に取り組みます。

 唯一の戦争被爆国である日本にとって、核軍縮は重要な問題です。さらに、北朝鮮という差し迫った核の脅威にさらされている日本にとり、国際社会の平和と日本の安全をいかに守っていくかという観点からも、この問題は極めて重要です。「核兵器のない世界」の実現に向け、賢人会議の開催や核兵器不拡散条約(NPT)の維持・強化を通じ、核兵器国と非核兵器国といった立場の異なる国々の橋渡しを行い、核軍縮・不拡散の現実的かつ実践的な取組を主導します。
 
 世界の平和と安定のためには、開発問題にも取り組まなければなりません。日本としては、開発協力大綱の下、国際社会の平和と安定及び繁栄と、それを通じた日本の国益確保に官民一体で取り組むべく、積極的かつ戦略的にODAを活用します。持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け、国内外での取組を一層推進します。
 
 地球規模課題の中で、気候変動問題は最も重要な課題の一つです。私は昨年12月、気候変動サミットに出席し、この問題に更に積極的に取り組んでいく姿勢を示しました。パリ協定のルール作りへの貢献や協定の着実な実施を始め、気候変動の影響にしっかり立ち向かい、かけがえのない、地球の未来を確保すべく努力していきます。

 テロの問題も忘れてはなりません。イラク、シリアにおけるISILの支配地域が大幅に縮小したものの、外国人テロ戦闘員が出身国や第三国へ帰還・移転したことにより、テロ及び暴力的過激主義の脅威もアジアも含めて世界中に拡散しています。外務大臣の下に設置された国際テロ情報収集ユニットを通じた情報収集の更なる強化に努め、関係各国とテロ対策に関する協力を強化し、穏健化の促進等に取り組みます。これと並行して、国際協力事業関係者の安全対策を強化するとともに、日本企業や日本人旅行者を含め、在外邦人の安全確保に万全を期してまいります。 
 
 日本としては、こうした様々な地球規模課題の解決に積極的に貢献すべく、リーダーシップを発揮してまいります。
 
 五つ目として、私は、対中東政策を抜本的に強化していく考えです。
 歴史的経緯に起因するアラブ地域における様々な対立、イスラエルとパレスチナの和平問題、そして原油や天然ガスといったエネルギー資源がもたらす問題が複雑に絡み合い、そこに暴力的過激主義が加わったことにより、中東諸国はそれぞれ大きな問題を抱えることになりました。

 中東の平和と安定は、日本を含む世界の平和や経済の繁栄に直接関わってきます。それ故、私は、日本として、中東諸国との経済関係を強化するにとどまらず、この地域への政治的関与も強化していく考えです。日本は、宗教・宗派や民族的な観点から中立であり、中東地域になんら負の歴史的足跡を残したことはありません。また、中東に影響力のある米国と強固な同盟関係にあります。こうした強みを持つ日本だからこそ果たせる役割があります。

 私は、昨年9月の日アラブ政治対話において、日本の中東への関わり方を示す「河野四箇条」を発表しました。すなわち、「知的・人的貢献」、「人への投資」、「息の長い取組」、「政治的取組の強化」の「四箇条」です。私は、この方針の下、経済面のみならず、中東への政治的関与を強化し、その平和と安定に向け一層の役割を果たしていきます。

 そして、六つ目の重点分野として、「自由で開かれたインド太平洋戦略」をしっかり推進してまいります。

 法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序は、国際社会の安定と繁栄の礎です。特に、アジア太平洋からインド洋を経て中東・アフリカに至るインド太平洋地域は、世界人口の半数以上を擁する世界の活力の中核です。インド太平洋地域の自由で開かれた海洋秩序を「国際公共財」として維持・強化することは、この地域のいずれの国にも分け隔てなく安定と繁栄をもたらすはずです。

 私自身も、多くの機会に、関係国の外相に直接この戦略を説明し、賛同を得ました。この戦略を具体的に推進するため、第一に、航行の自由、法の支配等の普及・定着、第二に、国際スタンダードにのっとった質の高いインフラ整備などによる連結性の向上等を通じた経済的繁栄の追求、第三に、海上法執行能力の構築支援等による平和と安定の確保、この三つを柱として進めていきます。

 以上の六つの重点分野において、着実な成果を上げていくためには、外交活動を支える足腰を強固なものとし、持続力と瞬発力のある外務省を作っていかなければなりません。このような観点から、総合的な外交力の強化に取り組みます。

 そのような体制強化の下、日本の政策や取組、多様な魅力を戦略的に対外発信するとともに、親日派・知日派の育成を強力に推進していきたいと考えます。

 世界の中で日本の影響力を増進していくためには、国際機関で活躍する日本人や海外に展開する日本企業、あるいは多様な魅力を持つ日本文化等、日本の全ての力を集結していくことがますます重要になっています。さらに、世界各地の日系人社会との連携も重要です。こうした認識の下、私は、日本の国益や平和をしっかり守りながら、世界の平和と安定に貢献していく考えです。
 
 議員各位そして国民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。

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