記事

「一太郎vsWord」だけが問題なのではない

私にとっての監督官庁では、数年前から申請書のアプリケーションがWordのみになっていたが、昨日、Facebook経由で流れてきた話題で某行政機関で省内文書が一太郎からWordに統一された、というものがあった。

農水省が“働き方改革“の一環で「一太郎」→「Word」へ完全移行!「一体いつの時代だ」等の声

それが「働き方改革」の一貫というところにもツッコミどころがあるのだが、改革すべき問題は単に文書作成ソフトの問題だけではない。(画像はAmazonより拝借

d0028322_08042633.jpg

いろいろなところ(主に職場関係、監督官庁関係)で気づくたびに、おせっかいオバさんのように申し上げているのだが、例えば各種の申請が「紙媒体&郵送」だったりする。それが申請書だと、誰かがスキャンしてPDFにし、パスワード付きでメール添付で送られてくる。あるいは、まとめてCD-ROMに格納されて宅急便で届くこともある。

「だったら最初から電子ファイルで受け付けたら良いですよね?」と申し上げると、用意したように「いえ、こちらではそのようなシステムを組む予算も無いのでっ!」と返答されるのだが、「いえ、そんなたいそうなことを申し上げているのではなくて、単に受付アドレスに申請者がメール添付で電子ファイルを送れば済むことではないでしょうか?」とたたみかけると、「……個人情報なので……」。

日程調整をエクセルファイル(パスワード付きだったりする)に記入させるというやり方も、かなり面倒なのだが、きっと偉い先生たちは秘書さんに任せているので気づかないのだろう。

どうも日本では「個人情報」と「情報セキュリティ」が水戸黄門のご印籠のように使われることが多い。私には、IT弱者を食い物にするための情報操作に思える。

言い出すときりがないのだが、業界で「ネ申エクセル」と呼ばれるようなエクセルフォーマットに「旅行伺い」や「伝票」などを入力し、それを印刷して押印するというシステムも時代錯誤。
さて、国産の一太郎の代わりにWordが使われるということ、それが商業ソフトであることは、企業ならまだしも、そもそも行政機関としては、特定の企業の営利に繋がるという意味で問題なのではないだろうか? 

大学関係では毎年秋の科学研究費の申請書について、ボランティアの数学関係者によりLaTeX(ラテフ)でフォーマットしたものが出回ることもある。Wordでは数学の記号が使えないということが発端らしいが、そもそもWordが使いやすい文書作成ソフトかというと必ずしもそうではない(すぐバグるし…。)。だいたい、申請書に必要なツールとしては高度なものは必要ない。

だから、ごく簡単で、これまでWordに親しんできた方でも使いやすい文書作成ソフトを国として開発すべきなのではないだろうか? その場合に、業者への開発委託ではなくて、大学共同利用法人の統計数理研究所あたりに依頼するのが良いかもしれない。

【追記】話題になっているので、さっそくTogetterにまとめられていました。農林水産省の文書作成、「一太郎」から「Word」に統一…「10年前の記事か」「かえって残業時間が増える」などさまざまな声

あわせて読みたい

「ソフトウェア」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    宮崎美子の才色兼備ビキニに脱帽

    片岡 英彦

  2. 2

    見直し当然?野党ヒアリング紛糾

    BLOGOS しらべる部

  3. 3

    「官邸TV監視」赤旗スクープ称賛

    BLOGOS しらべる部

  4. 4

    ブラタモリに失望 忘れられた志

    メディアゴン

  5. 5

    机叩き…橋下氏語る菅首相の会食

    ABEMA TIMES

  6. 6

    ほんこん 政治的発言をする理由

    マイナビニュース

  7. 7

    石破茂氏は自民党に収まりきれぬ

    早川忠孝

  8. 8

    岡村隆史が結婚「素敵な方です」

    ABEMA TIMES

  9. 9

    マイナンバーカードが2ヶ月待ち?

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  10. 10

    小沢一郎氏は共産党の用心棒役か

    赤松正雄

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。