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海外や地元と乖離した野田首相の「事故収束宣言」(中川秀直)

今日の東京新聞の社説に書いてある「そもそも『冷温停止」という言葉は正常運転する原発で用いられる。『状態』と言うあいまいな文字を付けて宣言にこだわる姿勢は、幕引きありきの政治的な思惑からだろう」は、正鵠を突いている。

野田首相は就任直後の9月の国連総会の演説で「ステップ2の年内達成」を表明した。国際公約である「ステップ2」とは「冷温停止状態」のことであるが、炉心溶融を認めた7月の工程表で「冷温停止」に「状態」を付けたものである。定義自体があいまいなままである。

「冷温停止状態」の定義があいまいで、溶け出した核燃料が格納容器内でどうなっているかも分からず、放射能汚染水の処理が完全に終わっていないにもかかわらず、16日、野田首相が世界と国内に向けて「原子炉は冷温停止状態に達し事故そのものが、収束に至った」と「事故収束宣言」を出した。

だから、海外と地元の宣言に対する反応が厳しくなるのは当然である。

米紙ウォ―ルストリート・ジャーナルは「汚染水と溶け出た燃料の処理という最大の問題の解決のメドは全く立っていない」と酷評、地元の川内村の遠藤雄幸村長は、「収束とは、燃料を取り出して廃炉にし、住民の帰還が終わったことだ」と批判した。

海外や地元と乖離した野田首相の「事故収束宣言」は、何ための宣言なのか。

(12月17日記)

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