それから1週間が経った12月15日、今月の福岡経済記者クラブの幹事社である産経新聞社・小路克明(しょうじ・かつあき)記者から、「オブザーバー参加という形で了承」という連絡があった。私は、その詳しい内容について尋ねた。
なお、小路記者は、記者クラブの幹事社は持ち回りであり、幹事社が記者クラブを代表するものではなく、種々の手続きを行うにすぎないこと、ここでの発言は記者クラブとしての見解ではないことを確認のうえで、電話取材に応じた。
――「オブザーバー参加」とは、どのような意味か。
小路記者(以下、敬称略) 質問をご遠慮いただくということ。
――質問できない理由は何か。
小路 記者クラブの規約が、そのように規定している。
――どのような内容になっているか開示してほしい。
小路 なぜその必要があるのか。記者クラブに持ちかえり、協議する。
――学生ジャーナリストの於保清美(おぼ・きよみ)さんが九州電力の記者会見に出席した際には、質問権も認められて、実際に質問している(於保さん執筆の《九州電力の定例記者会見に初参加 松尾新吾会長の開き直りにあぜん》の記事を参照)。規約の運用により質問が認められないのならば、質問できる場合と質問できない場合があるのはなぜか。それも規約によるものか。
小路 その点は、当時の幹事社のやりとりを知らない。質問権のリクエストとして受け、協議する。
――枝野幸男経産相は11月29日の記者会見で、全電力会社に対する「記者会見の透明性」についての「指示」をしている。記者クラブは、この「指示」について、今回、私をオブザーバー参加と決定する際に考慮したのか。
小路 枝野大臣の発言については知っているが、それを前提にした議論はしていない。
――前回、於保さんが質問を認められ、今回、私が質問を認められないと、かえってフリーランスの記者会見参加が後退したことになる。九州電力の動きをモニターする報道機関である記者クラブが、同じことをしようとするフリーランスの質問を禁止する理由は、どこにあるのか。
小路 規約がそうなっているとしか答えられない。
小路記者は、私が記者会見に参加する手続きと、その件に関する取材は分けて話したほうが円滑だと示唆した。しかし、私は、記者会見参加という公益性の高い問題について、密室で決めるようなことには違和感がある。
これには小路記者も一定の理解は示したが、「記者クラブは親睦団体であり、記者会見参加は人と人との間で決めることであるから、一般的には信頼関係が必要だ」とした。
福岡経済記者クラブは、12月16日に私の質問権を認めるか否かを協議し、回答するという。