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橋下徹「ふざけるな弁護士会」

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■国が介入しないからこそ弁護士会の懲戒請求制度が大切なんだ

最高裁は2審判決を破棄(取消し)し、高等裁判所に審理を差し戻した(もう一度審理をやり直すように命じた)。この差し戻し審の判決が出る前に、僕は弁護団の活動はおかしいと認識し、当時レギュラー出演していたテレビ番組で、弁護団を非難した。そして視聴者に対して、弁護士会への懲戒請求を呼び掛けた。これが大騒ぎになった。

問題になったテレビ発言は次の通り。

(1)「死体をよみがえらすたにその姦淫したとかね、それから赤ちゃん、子どに対しては、あやすために首にちょうちょ結びをやったということを、堂々と21人のその資格を持った大人が主張すること、これはねぇ、弁護士として許していいのか」

(2)「明らかに今回は、あの21人というか、あの安田っていう弁護士が中心になって、そういう主張を組立てたとしか考えられない」などと発言した上、

(3)「ぜひね、全国の人ね、あの弁護団に対してもし許せないって思うんだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求かけてらいたいんですよ」

(4)「懲戒請求ってのは誰でも彼でも簡単に弁護士会に行って懲戒請求を立てれますんで、何万何十万っていう形であの21人の弁護士の懲戒請求を立ててもらいたいんですよ」

(5)「懲戒請求を1万2万とか10万とか、この番組見てる人が、一斉に弁護士会に行って懲戒請求かけてくださったらですね、弁護士会のほうとして処分を出さないわけにはいかないですよ」

そしたら視聴者がわっと懲戒請求を出したようだ。弁護団の弁護人1人に対して600件を超える懲戒請求が一般国民から出されたとのこと。

そしたら今度はこの弁護団が、僕のテレビ発言は不法行為だとして、精神的損害への賠償を求める裁判を起こしてきた。

この民事訴訟は、1審、2審は僕の敗訴。1審では800万円の賠償命令。2審では減額になったけど360万円の賠償を僕は命じられた。負けた時には僕は大阪府知事に就任していた。そしてこの2審で僕が負けたことを見届けて、大阪弁護士会は僕に業務停止2カ月の懲戒処分を下してきたんだ。

しかしその後民事訴訟は、最高裁で2審の敗訴賠償命令がひっくり返り、僕が逆転勝訴となった。僕のテレビ発言に違法性はない、とね。ただ大阪弁護士会の業務停止2カ月の懲戒処分はそのままだった。その時にはもう業務停止2カ月の期間が終わった後だったから、今更何かしてもらってもどうしようもない状態だったけどね。

ちなみに、僕がテレビで呼び掛けた光市母子殺害事件弁護団に対する懲戒請求は全て却下。弁護団の弁護士は誰一人、何のお咎めも受けていない。

(略)

確かに刑事弁護人は被告人のために国家権力を相手として戦わなければならない。民主国家においては国家権力の背景には多くの国民が存する。ゆえに国民多数からの被告人への批判の盾になって被告人を守る必要がある。メディアからの猛攻撃によって裁判内容が歪むことを防がなければならない。

しかしだからといって、批判を全く受けない領域として刑事弁護を神聖化することは不当だ。刑事弁護人も人間である以上誤ることはある。民主国家においては批判を受けない神聖な領域など存在しない。そして1821年当時のブルーム卿の「刑事弁護の神髄」の考えが、時代の変遷を全く考慮することなく、現代社会に何の変更もなくそのまま適応されることもおかしい。

(略)

では、弁護人・弁護士の検証は誰がやるのか。

メディアが検証をするのは当然だ。ただしメディアは公的機関ではないので適正なルールに基づく検証とはならない。では国家が検証するのか。しかし国家権力と戦う弁護士が国家権力によってその弁護活動をチェックされるのはおかしい。国家権力が弁護士活動をチェックすることを許せば、弁護士は国家権力と戦えなくなる。国家権力には逆らえない中国の弁護士のようになってしまう。

だからこそ「懲戒請求制度」というものが存在する。

(略)

僕はこの光市母子殺害事件の弁護団について、被害者、ご遺族への配慮のかけらもない刑事弁護人特有の特別意識を感じた。そして彼らの弁護活動を調べれば調べるほど、彼らの視野の狭さを強く感じ、彼らの弁護活動は被告人の不利益になることが分かってきた。さらにこんな弁護団を注意し助言するどころか盛大に応援するかのような弁護士業界の雰囲気。

もう僕の怒りはピークに達したね。

だから、僕は出演するテレビ番組で、ありったけのエネルギーを込めた表現で、怒りを爆発させてこの弁護団を批判したんだ。

ちょうど同じ時期に刑事裁判の世界では、被害者、ご遺族への配慮というものが意識されるようになってきた。時代が変わってきたんだ。1821年のブルーム卿の言説を金科玉条のごとく掲げていればいいだけの時代ではなくなった。やはり刑事裁判、刑事弁護の領域を神聖化してはならない。常に批判にさらし、不断の改革、改善が必要だ。

(略)

(ここまで約3700字、メルマガ全文は約1万5300字です)

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※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.86(1月9日配信)を一部抜粋し簡略にまとめ直したものです。もっと読みたい方は、メールマガジンで! 今号は《政治家・橋下徹の行動基準】なぜ僕は光市母子殺害事件弁護団への懲戒請求を呼び掛けたのか》特集です!!

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(前大阪市長・元大阪府知事 橋下 徹)

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